2009年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol.9】 by 岡村恭子
VOL.9 お花水(すい)
ここ2~3日、気温が急上昇しています。
北欧の夏は瞬間湯沸かし器みたいです。ある日突然のように
真夏日になります。暑さ対策がほとんど手抜き、というよりも、
考えられていない、もちろんクーラーなど無い北欧の生活環境では、
かなり暑く感じますが、なにしろ湯沸かし器ですから、冷めるのも早い。
あっという間にまた肌寒くなるのです。さあ、この暑い日を楽しもう!
と思っても、そうはなかなか問屋が卸してくれません。
7月に入る前に垣根の刈り込みをすること。これは垣根を持つ
住人達の暗黙の条件なのです。ご近所でも刈り込みをしている様子です。
我が家も涼しい内に、と午前中から張り切って作業を開始しました。
もう一人の我が家の住人が電動機で気持良さそうに刈り込んで行きます。
私は後片付けです。すっかりきれいに床屋さんをしてもらった垣根を
眺めて大満足、午後はゆっくり出来るかな?と思っていたら、
電動機を手にした彼は楽しくなってしまったのか、庭中の刈り込み可能な
箇所に着手してしまったのでした。
夕食後、ようやく庭で夕涼みです。
ラベンダー、バラ、ジャスミンなどが次々に咲いて、とても
良い香りがします。ラベンダーの蕾をヒモで括ってプラムの
小枝に下げました。風通しの良い所で乾燥させると、即席のポプリ完成です。
そう言えば、バラやジャスミンはお茶にしますね。今頃だと、他にも…
そう、野原に咲いて甘い香りを放っているカモミールもお茶にする。
もう一つ、花から作るとても美味しい飲み物があります。
Hylde Blomsterという夏に咲く白い花から作るのですが、
どこにでも簡単に育つ一般的な潅木で、庭先や公園の片隅などでごく
普通に見かけられます。
この木に咲く白い花を砂糖水に浸して作るお水が美味しい。
お花のジュース、と言うよりも「お花水」という言葉が相応しいような
気がします。実際「Saft」(サフト)と言って、ジュースと区別している
ようです。そこはかとない優しい香りと甘味で、暑気を和らげてくれます。
デンマークではとても一般的ですが、私は、お花で作るジュースなど
初耳でしたから、とても新鮮で、初めて口にした時には
目の覚める思いがしたものです。
今では我が家の冷蔵庫にはいつもこの「お花水(すい)」が入っています。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com
英語でelder =”はいかずら”系の木とありました。
様々なバラの中から。これは石鹸のような良い香りです。
ジャスミン、その後ろはカプリフォリ、どちらも良い香り。
- 2011.03.24
- 05:02
- 2009年7月~9月