2014年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 233】 by 岡村恭子
VOL.233 祈無事 : のら猫カナちゃん
torsdag den. 3 april 2014
のら猫カナちゃんが姿を見せてくれません。
お正月に挨拶に来たあとしばらく来なくて心配したけれど、2週間程したら
ひょっこりやって来て一安心。気まぐれだと笑っていたのですが、
それを最後にパッタリと来なくなって早2ヶ月が過ぎました。
最後に来た時も真冬にも関わらず元気そうで、キャットフードを平らげ、
いつもの場所で身繕いし、いつものように薮の向こうに帰って行きました。
別に変わった様子は無かったけれど、ただその日、久しぶりのカナ猫は
気のせいかいつもよりツヤツヤの毛でふんわりと包まれて、とてもきれいな
印象でした。もしかしたら何処かで可愛がられているのかも知れない、
そうだと良いのにね。… 薮に潜り込む後ろ姿を見送りながら家人と二人、
とにかく元気で良かった良かった。と安心したのでした。
それから、毎日、庭先に現れるのを楽しみにして、気がつけば冬は過ぎ、
春の陽射しが眩しい頃となりました。またフラリと変わらぬ姿を見せてくれる
と思いたいけれど、今回はインターバルが長すぎるような気がします。
所詮、飼い猫ではないのだから何処に行こうとカナ猫の自由。
我が家に来ていた頃だって私達の知らない所に “ ねぐら “ が有ったのですから。
今も何処かで気ままな野良猫暮らしをしているに違いないのです。と、そう思いたい。
カナ猫が我が家にやってくる様になったのは2008年の春ですから、
かれこれ6年の付き合いでした。
それまで猫などに関心の無かった私が「可愛い」と思った、最初で最後の猫
かも知れません。塀に飛び乗ったり獲物を追いかけたり…という、およそ猫らしい
俊敏な動作は皆無で、そっと植え込みからやって来て、私が振り向くと少し
離れた所に静止ポーズでいる、という風でした。 “だるまさんがころんだ “ で
遊んでいるみたい!と皆で笑ったものです。
ミャーと猫声を一度も発すること無く、少し離れた場所から人間達のする事を
静かに眺めている…きっと老猫だったのだ、と言ってしまえばそれまでですが、
もの静かな様子はただの野良猫ではない、上品な雰囲気が漂っていた…と
いうのはひいき目でしょうか?
ポカポカ陽気の春の庭で日向ぼっこをするカナ猫の姿を懐かしく思い出しています。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
のら猫カナちゃんのスナップ特集です。何処かで元気にしていますように…。