2014年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 245】 by 岡村恭子
VOL.245 夏至が過ぎて...日々雑記
torsdag den. 26 juni 2014
6月23日の夏至も過ぎて… 嗚呼、これからは毎日少しずつ昼間が短くなってゆく。
今年も暗い季節に舵を取り始めてしまった…などと、そんなことは今は考えないこと
にしましょう。まだまだ大丈夫、外は眩しい程のお天気です。それに、
学校も来週から夏休みに入り、7月は3週間のインダストリアルホリデーがスタート、
デンマークは本格的な夏休みがスタートです。
デンマークでは夏至に前後して植木や垣根の刈り込みするのが “ お約束 “ です。
町内のあちこちで刈り込み作業をしている音が聞こえて来ます。
我が家も垣根や雑木の枝葉を剪定しなければなりません。バサバサ切り落とした
そばから紐で縛ったり袋に入れて一纏めにしておき、毎月一度の通称「緑の
ゴミの日」に出します。今月も緑のゴミの日が近づいた某日、家人が柘植(ツゲ)
の刈り込みを始めました。庭の4個所に植えてあるツゲは、どれも家人の手で
丸く刈り込まれています。ニックネームは “ マルちゃん “ 、今年仲間入りした小さい
のは “ チビマルちゃん “、さしずめ家人はマルちゃん達の床屋さんです。
ハサミを入れている音を聞きながら、私は二階のベランダで鎧戸のメンテナンスです。
風雨に晒されて疲弊した表面をサンドペーパーで削ぎ落とし、滑らかにした後
チークオイルを塗ります。下仕事は少々埃っぽくて面倒ですが、オイル仕上げを
楽しみに頑張ります。ペーパーで板をこすっている間も背中をじりじりと太陽が
照らします。青空を白いカモメが飛んで行きます。
手を休めて庭を見下ろすとツゲがまん丸くなって行くのが見えました。
明るい陽射しの中での作業は気分も朗らか、自然に笑顔になってしまいます。
そうして一仕事終わり、庭で寛ぐ時にはささやかな達成感で気分も爽快、
家や植物達もリフレッシュして喜んでいるように感じられます。
古い家、広い庭…次々にやらなければならない事が生じて、最初は戸惑って
ばかりでした。ようやく最近になって “ デンマーク的 D.I.Y. “の精神 に近づいて
来たような気がします。そのコツは、まず第一に無理をしないこと、
気分の向いた時に楽しみながら作業する事、そして、もうひとつ、少々散らかって
いても気にしないことです。「いちいち片付けなくても良いよ。その辺に適当に
まとめて置いて、そしたらすぐ続きを始められるしね。」そんな感じで、
ビール片手に鼻歌まじりでペンキ塗りを楽しむデンマーク人を見習いたいな、と
思います。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
マルちゃんの刈り込みの様子。周辺の植え込みも丸くされています
ベランダの鎧戸のオイル仕上げ。
バラの花びらを水に浮かべて…。遠くに見えるマルちゃんは幅150㎝ほどのジャンボです。
pm9:30頃の景色。夏至の頃は日没がpm 10:20頃、真夜中になっても反射光で明るいのです。