2014年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 254】 by 岡村恭子
VOL.254 空き瓶の賢い回収方法
torsdag den. 28 august 2014
今年もお隣さんから初秋のご挨拶、無花果のお裾分けが届きました。
ゆるゆるに熟した実をそうっと割って、イチジク独特のスジっぽい果肉を
頬張ると、口いっぱいに甘い味覚が広がります。
その鄙びた味わいはさしずめ干し柿といったところでしょうか。
我が家ではお隣さんから届く無花果が秋を告げる果物なのです。
週末明けのキッチンで…。
「どうして、空き瓶ばかりがこんなに溜まるのか?」
片隅に並べられたワインの空き瓶を睨んで腕組みしていても始まりません。
捨てに行きます!
我が家の夕食のテーブルには晩酌代わりにワインが登場します。
肉料理が多い北欧暮らしにはグラス一杯の赤い葡萄酒は消化を助けて
食欲増進、普段のお総菜も引き立って和やかに食事が進みます。
美味しいね、と言って食べて飲むのは良いけれど、空き瓶がすぐに溜まって
しまうところが玉にキズで、おまけにワインボトルは存外重くてかさばります。
それで4~5本溜まると近所のボトルバンクに捨てに行くことにしています。
ピクルス、ジャム類の空き瓶も一緒に捨てます。
街角にボトルバンクが登場したのは私がデンマークに来て間も無い頃ですから、
もう30年以上も前になります。気軽にポイ捨て感覚が良かったのでしょう。
大いに利用され今ではすっかり市民権を得ている様子です。その事は
このボトルバンクの登場で空き瓶の回収が進み、今や再生利用率が85%と
非常に高いということでも分かります。
同じ空き瓶でもジュースやビール類はビン、缶、ペットボトル共に一本につき
1kr.~3kr.(20円~60円)の代金が含まれています。飲み終わった空缶、
空ビン、ペットボトルはスーパーマーケットの返却機に入れると本数がカウント
されてレシートが出て来ます。買い物の際にレジに提示すれば代金から
差し引いてくれるという優れたシステムです。購入時には瓶代も支払っている
訳ですから、みんなマメに返却します。大きなイベント会場などではビニール
袋一杯に空き缶やペットボトルを集めている子供達を見かけます。
回収してお小遣い稼ぎをしながらイベント会場の清掃にも一役買っていると
いう訳です。他の分別ゴミは思うようにはかどらないデンマークですが、
これだけはみんなとても分別上手です。
ゴミ処理問題は私達が参加出来る数少ない環境問題でもあります。
一人の力ではどうしようもないと諦めず身辺の事から前向きに考えて行く事が
大切だとワインバンクに空き瓶を放り込みながら思った次第です。
一般家庭の分別ゴミに関してはVOL.17をお読み下さい。
→ VOL.17 身近なところから地球を救え!?
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
私が愛用している " ビニール袋不買キャンペーン " のトートバック。
「私はプラスティックではありません」と書いてあります。
これがボトルバンクです。回収のクレーン車が上部のフックを引っ掛けて
バンクごと持ち上げ、底部を開け、空き瓶をコンテナに移します。
お隣の庭で熟した無花果。秋を知らせる果物です。
今朝の花から…去年の誕生日にノブエさんに頂いた鉢植えの花。
どうなるかな?と思っていたけれど只今花盛りです。うれしいな☆