2009年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol.10】 by 岡村恭子
VOL.10 フルーツ暦
このところ真夏日が続き、少し動いただけでも汗ばむ程です。
こんな時にはスイカが美味しい。というわけで、最近の私は
夕食の献立を考えながら出かけたのに、自転車のカゴに
大きなスイカだけ、ゴロリと乗せて帰って来る日が続きました。
スイカを買った時というのは、中身を見るまでどうにも落ち着きません。
赤いかしら?甘いかしら?と心が騒ぎます。さあ、急いで帰ろう!
開け放した裏木戸からキッチンに直行です。
まな板の上にのせて、神様に祈る気持でスパッと真っ二つ。
おお~、赤くて美味しそうです。「おやつよー!」。
庭にいる家族に声をかけたら、いつもは気の無い返事の
娘も飛んで来ました。
スイカの匂いは何だか遠い昔の夏休みを思い出させてくれます。
縁側、海水浴、夏祭り、浴衣に線香花火…。あの頃の匂いや情景まで
鮮やかに蘇ります。まだまだ連想ゲームが出来てしまいそうなくらい、
こんなに夏の思い出と一緒の果物を私は他に知りません
ところで、
日照りで咽がカラカラなのは人間だけでは有りません。我が家の庭も
真夏の太陽の下ですっかり乾燥状態になってしまいました。
芝生はワラのようだし、紫陽花の蕾もしなだれて元気がありません。
ホースで水やりをしても、たちまち蒸発して効果は今一つです。
長雨も困りますが、日照りも困る。ひと雨欲しい所ですが、
一度お天気が崩れたら最後、また夏らしいお天気に戻ってくれるかは
誰にも分らない。そのまま秋になってしまうかも知れない、という
不安が付きまといます。だから…と、言うわけでは無いけれど
植物たちにも、ここはじっと耐えてもらいましょう。
そういえば、昨日は美味しそうなラズベリーを見かけたので
スイカの代わりに自転車のカゴに入れました。
これから少しの間Berry類が果物屋さんの店先を彩ります。
黒ずむほど青いブルーベリーの実を手にとって、
「ケーキを焼こうかしら?」と思い始めるのも毎年今頃の事。
こうして、果物たちと一緒に少しずつ、でも確実に季節も
移り変わって行きます。
この暑さも扉一枚開けた途端に秋風になってしまいそうな
そんな心もとない真夏の一日でした。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com
朝のヨーグルトにトッピング、甘くて美味しい。
これはオランダからやって来たラズベリ?
庭の日当たりの良い所で赤くなってきたRips。