2014年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 259】 by 岡村恭子
VOL.259 小さなワンちゃん大行進
torsdag den. 2 october 2014
10月に入り、北欧の秋は日増しに深まってきています。
今年は気温が高めのままなので例年に比べて紅葉が遅いような気がしますが、
それでも、気がつけば街路樹も公園の木々も秋の色合いに染まって来ました。
BBQのグリルやテーブルを片付けた庭は、やけに広く感じられます。
部屋で過ごす時間が増えました。
ところで、のら猫カナちゃんが庭に来なくなってから久しいのですが、
そのせいかどうか?… 最近どういうわけか犬を連れている人が目に
つくようになりました。実際に犬を飼うのがブームなのか?
それとも単なる気のせいなのか?とにかく目に付く。
それも小さなワンちゃんばかり!
デンマークもご他聞に漏れず犬好きな人が多くて、人の家に招かれた時など、
それと知らずにソファに腰掛けると足元に大きな犬が寝ていてビックリ!
迷惑そうに薄目を開けた犬と目が合って、思わず、ごめんなさい、と人間の
方が謝ってしまう…と、そのようなハプニングにしばしば遭遇します。
大きな犬で思い出すのは、私がコペンハーゲンに来た頃の事。
当時住んでいたアパートの最上階に足の悪いおばあさんがシェパードの老犬と
一緒に暮らしていました。玄関のドア越しにコツンコツンという音が聞こえると、
それは杖をついた彼女と老犬がゆっくり階段を上って行く音。
年老いた飼い主に寄り添うようにいつも傍にいる犬の姿には心打つものがありました。
もう随分昔の事なのに、懐かしいアパート時代を思い出す時には、あの杖の音と
一緒に大きな犬の静かな息づかいの気配まで思い出します。だから…という訳でも
ないけれど、デンマークでは犬と言えば大きな犬…そんなイメージを持っていました。
ところが、最近街を歩いていて目にするのは可愛い小さなワンちゃん達です。
頭にリボンを付けたり、寒くなればお洒落なジャケットを着込んでいたりして、
チョコチョコと動く様子はオモチャのようです。抱きかかえられたままご主人の
お散歩につき合っているというケースも多くて、彼等はきっと大した調教も
必要無さそうだし、飼い主に溺愛されていればよろしい。
こういうワンちゃん達こそ “ ペット “ という言葉がピッタリです。
大きな犬にはお互いに気持ちを寄せ合って “ 人情 “ が伝わるような気がしますが、
小さなワンちゃん達は愛くるしいその姿に、人間が一方的に愛情をかけてあげる。
ワンちゃんはただただ愛されるばかり、勝手気ままの好き放題?!…のように
見受けられますが、どうなんでしょうね?ワンちゃん達に感想を聞いてみたい所です。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
街で見かけた小さなワンちゃん達です。
今朝の庭から。 窓越しに越冬準備中で鉢に植え替えたゼラニウム。
今年は全部で12鉢になりました。