2014年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 262】 by 岡村恭子
VOL.262 深まる秋の日の雑記
torsdag den. 23 october 2014
色とりどりのクリスマスモチーフが並んだステッチハウスのページに、
皆さんの作品展、イベント、お教室案内が次々とアップされて、
いつにも増して楽しい雰囲気が伝わってきます。
コペンハーゲンは日増しに秋が深まってきました。
北欧に暮らしていて、これから冬にかけて何が辛いと言って朝が辛い。
暗闇に目覚ましが鳴る。眠い目をこすりこすり時計の針をにらむと、
ちゃんと7時を差している。そうなんです。朝だというのに真っ暗なのです。
ついこの間までレースのカーテン越しに朝日が差し込んでいたのに、
お日様がどんどん低く遠のいて行きます。
これから冬至に向かって長く暗いトンネルに入って行く感じです。
ああぁ〜、とベッドからはい出しながら、今からこんな事では長い冬を
どうするの?と自問自答です。
おまけに10月に入ってからというもの、雨降り続きで全国的に水分過多です。
気持ちがもうひとつパッとしないのは、実はこの雨のせいもあります。
庭の落ち葉も芝生にべったりとくっついてしまって掃除もままならず、
その隙間から沢山のキノコが引きも切らずに顔を出しています。
気温高めで水分たっぷりなものだから、普段ならとっくに枯れてしまっている
タンポポなどの雑草が新芽を出し始めて、やたらと元気です。
寒くなる前に…と思い、鉢植えにして室内に取り込んであげた窓辺のゼラニウムが、
そんなタンポポ達を羨ましそうに見ています。こんな事ならもう少し花壇に
植えておけば良かったかな?と、少し後悔したり…、暗くて辛いと言ったり、
暖か過ぎると贅沢を言ったり、雨は嫌いだと文句を言ったり…。勝手なお話ですね。
さあ!気を取り直して朝の珈琲でリフレッシュしましょう。
キッチンの窓越しに見えるツタがすっかり秋の色に染まってきれいです。
刺繍の世界でも季節感を表現するのはやっぱり色使いだろうと思います。
同じ花でも何色にするか?で印象が随分変わりそうです。
春なら淡いパステルカラー、夏は元気な原色系かな?そして丁度今頃は
枯れ葉色のグラデーションに、カボチャ色、ビートの紫色にモカ茶色。
レンガ色になすび色。そう思って観察すれば、街の中には刺繍の色糸にしたら
良さそうな秋色で溢れています。
冬が来る前の一瞬だけ、そんな秋の色彩が暖かく街を包んでくれます。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
枯れ葉が舞う広場。
カボチャやビートなど、秋を彩る野菜達。
移動中に子供が人形遊び。
自転車大国コペンハーゲンではごく普通の風景です。