2015年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 303】 by 岡村恭子
VOL.303 花の名前の散歩道
torsdag den. 20 augusti 2015
夜半からの強い風に庭木がざわめいて、梢を揺らしリンゴの実を落とし、
グォーンと唸りながら駆け抜けて行きました。丸一日が過ぎて
どうやら少し収まった頃、裏庭に出てみてビックリ!東側のレンガ壁伝いに
2階まで延びていた蔦紫陽花がメリメリというように剥がれ落ちてしまって
いるではありませんか!いやはや暴れん坊のお天気でした。
そのお詫びにという訳でもないでしょうが、これからの数日間は25℃の
真夏日になるそうです。” 遅れてやって来た真夏の太陽!” です。…でもねえ、
子供達は新学期が始まってしまったし、大人もバカンスから戻りエンジンが
かかったばかりだし、ちょっと遅かったね、という声が聞こえて来そうです。
それに、太陽の位置がずいぶん低くなって来てしまいました。
東向きのキッチンの窓から朝日が斜めに長く延びて、ブラインドのシルエットが
ストライプを描いています。夏至の頃には真上から降り注ぐ陽光は室内に届かず、
だから明るい屋外とは対照的に余計のこと薄暗くひいやりとしていたけれど、
今日は奥の方まで明るく照らされて眩しいこと、ポカポカ暖かいこと!
夏至から2ヶ月…、朝の光の中にも季節の移ろいが見え隠れしています。
ところで、最近のマイブームは何かというと、夕食後の散歩です。
我が家の周辺一帯は花の名前の付いた通りが続きます。
エランティス通りからグラジオラス通りを抜けて、カプリフォリ通りを渡ると
パン屋さんへの近道…といった具合です。その花の小径を斜めに区切る様に
オックスフォード通り、そこからアイルランド通りに出て、並木道をしばらく
行けばイングランド公園と、イギリスに因んだ名前の区域が広がります。
海岸に向かう一角には南欧な雰囲気のアドレスの区域もあって、
住所を聞かれた時に「 イタリアン通り30番地よ」なーんて言えたら、
北欧のリビエラみたいでステキじゃない?と思っていたら、
その辺一帯は憧れのアドレスと不動産屋さんの広告に書かれていました。
デンマークの人も案外住所にこだわっているようです。
昨日は家人と散歩しながら、あの家もステキ、この家の庭もきれい…と言いながら
小径をクネクネして商店街に出てみました。PM8:00、アイスクリーム屋さんも
カフェも賑わっています。暮れかかった空の下、往く夏を惜しむように戸外で
憩う人々に混ざって私達も小さなカフェで一休みしながら、
今度はどっちの方に行く?グラジオラス通り?
それともクレタ通りからイタリアン通りを通って海岸通りまで行ってみる?
町内散策のお楽しみはまだまだ続きそうです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
夏休み明けの街から。新学期が始まった子供達、みんな元気いっぱいです。
今朝の庭から。 今年もシュウメイ菊が咲く頃になりました。
チョコレートブロムスタ、というコスモスの一種と花の終わりかけたラベンダーの一群れ
エランティス通りの標識。道路標識は色もフォントも統一されていて都市の美観に一役買っています。