2015年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 318】 by 岡村恭子
VOL.318 クリスマスシーズン到来
愛煙家には悩ましい食後の一服
torsdag den. 3 december 2015
もっぱら家で寛ぐことをモットーにしている家人が仕事帰りや、
友人と立ち寄るデニッシュなバー、通称 “ ベアツフース “ があります。
場所は旧市街地の中心Kgs.Nytorv広場に面した一角、Hvids Vinstuenと
いう古き良き時代の雰囲気が色濃く残る一軒、創業1723年といいますから
300年の歴史を誇る老舗です。
先日は日本から来た友人夫妻と私も一緒に立ち寄りました。
実は彼等は夫婦揃って愛煙家、ところが昨今のコペンハーゲンは何処もかしこも
禁煙です。レストランやカフェはもちろんの事、ホテルや空港ビル内も禁煙!
日本のように喫煙ルームや分煙システムがありませんから我慢するしかない。
どうしても一服したい時は例え真冬の吹雪の日でも外に出なければならない。
その代わり戸外なら何処でも吸い放題?!お陰で歩きながら喫煙する人の多い事、
道路にポイ捨ての吸い殻の何と多い事!私はそちらのマナーの悪さが目に
ついて仕方ないのですが、それはさておき、かの友人夫妻と
ショッピングついでにカフェに入っても一服出来ないのが悩ましい。
我慢してもらうのも気の毒でお互いに気を使ってしまいます。
そんな中で心強い味方が、喫煙ルームのある前述の “ ベアツフース “ でした。
ピカピカに磨かれた真鍮のドアノブを押し開けると、
居心地の良い空間がひろがっています。完璧な空調で全く煙くない。
タバコを嗜まない私も全然苦になりません。
そういえば、マーガレーテ女王様は愛煙家として有名だし、
『プリンス』という王冠がトレードマークのタバコがあるくらいですから
元々デンマークは愛煙家に優しい王国だったのです。
確かに健康には良くないだろうけれど何事も程度問題で、
タバコを嗜むことが一概に不健康とは言いきれないような気がします。
それに禁煙禁煙!と叫んでいる反面、スーパーマーケットで気軽に好きなだけ
買える。42クローネ(約800円)と高価ですが、そのほとんどが税金ですから
愛煙家は高額納税者ということになります。
税収は欲しいし禁煙は推進したいし…という政府のジレンマが丸見えね、と
私は思うのですが…。
これからのクリスマスシーズン、ワインとご馳走に舌鼓を打った後、
食後の一服がお楽しみ!という愛煙家にはちょっとお気の毒なデンマークの
タバコ事情です。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
美味しそうなボトルがずらりと並ぶバー。でも店内は禁煙です。
分煙ルームで静かに憩う人々、図書館や書斎にいるようなゆったりとした空気が漂います。
クリスマスシーズン の食卓。我が家ではもちろん食後の一服もOKです!