2016年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 343】 by 岡村恭子
VOL.343 私の右手は ” 雑草取り職人の手 ”
torsdag den. 23 juni 2016
晴れたと思ったそばから真っ黒な雲がムクムク湧き出て
瞬く間に陽射しを遮り、大粒の雨が地面を叩きつけて、
そしてまたケロリと晴れる。変わり易いお天気が続いています。
その日、少し朝寝坊して階下に行くとキッチンからパン屋さんのような
いい〜匂いです。おはよー!と言う私に「おめでとー!」と言う返事が
返って来ました。一年に一度の私の日 : バースデーです。
だからと言って喜んでばかりもいられない歳ですが、
朝から “ おめでとう “ なんて言われたら悪い気はしません。
お誕生日は一日24時間自由時間という “ ご褒美デー “ です。
家事から解放されて、やれ嬉しい、とのんびり過ごしていたら
瞬く間に終了してしまいました。
さてさて、ひとつ歳を重ねた所で日常に目を戻しましょう。
デンマークでは夏至の前後で垣根の刈り込みをするというのが
一つの目安になっていて、週末ともなるとあちこちから電動刈り込み機の
音が聞こえて来ます。我が家も例外ではありません。垣根に始まり、芝刈り、
植木の刈り込み、薮の枝払い…と結構な仕事量です。
電動の道具を使っての肉体労働なのでその辺は男手に任せて、
私は花壇を中心に細々とした作業です。雑草を摘んだり引き抜いたり
…そんな事を繰り返していたら右の人差し指の第一関節付近が
すっかり太くなってしまいました。特に小さくて根の張った雑草が強者で、
エイッ!と力いっぱい引き抜こうとすると、どうしたって人差し指に
力が入ってしまう。雑草取りの道具もアレコレと買い込んでいるけれど
結局素手が一番手っ取り早い。いつだって気がつくと土まみれの指先に
なってしまいます。両手をパッと開いてみると右の人差し指だけ真っすぐに
ならず猫背っぽく変形しています。どうみても美しい指とは言えませんが、
職人さんの手は仕事に合わせて変形するし、その度合いが著しい程
優れた職人の証だと聞きました。その伝で言えば、さしずめ私の
右手は『雑草取り職人の手』なのだと一人で合点しています。
家人の刈り込み作業が一段落し、私も泥んこの手を水で流して一休み。
清々とした庭をグルリと眺めれば適度な雨で芝生も蘇り、
刈り込みの済んだ垣根は床屋さんをしてもらったばかりの子供の様に
さっぱりとして気持ち良さそうに夏の風にそよいでいます。
この夏の刈り込みは、これでひとまず終了です。
右肩上がりの明るい季節もいよいよ大詰めを迎えました。
23日は夏至祭です。
焚き火を焚いて魔女を追い払います。もしもお天気が良かったら
私達も夏至祭に出かけようと思います。
その時の様子は次回のお楽しみに!
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
今年の誕生日より。
自家製焼きたてパンに♡とデンマークの旗、食卓にはもちろん!日の丸の旗!!
今日の庭から。
次々と咲くバラの中から黄色いバラと後ろにはヒップの白い花。サルビアも満開です。
野いちごが至る所から顔を出しています。摘んではヨーグルトに入れて食べています。
鉢植えの苺は赤くなるまでもう少しの辛抱です。