2016年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 344】 by 岡村恭子
VOL.344 荒れ模様のヨーロッパ”
torsdag den. 30 juni 2016
6月23日、夏至祭当日。
朝から青空が広がって陽射しが眩しいくらいに晴れ渡り、
最高の焚き火日和になりそう…だったのですが、例によって
“ 変わり易いのは女心よりもデンマークの夏の空 “ です。
夕方から少しずつ雲が広がり始めて「大丈夫かなあ?」という
不安を打ち消すかのように運河沿いは沢山の人々で早くも
盛り上がっています。岸辺で集う人、ボートで憩う人…
見知らぬ同士が笑顔を交わす。丁度日本のお花見のようです。
しかし、そうしている間も遠くで雷がゴロゴロ…やがてオデコに
雨粒がポッツン!水辺の人達が少しずつ軒下などに移動し始めました。
歩道の石畳がしっとり雨で濡れて良い感じ、などと言う間も無く
雨足が早くなって、バッグに入れて来た傘だけでは二人入りきれず
途中で大きな雨傘を購入するというおまけ付き。さあ、これで安心!と、
雨でも元気に遊ぶ子供達を微笑ましく眺めていた正にその時です。
ピカっ!と閃光が走ったかと思うと同時に地面を叩き付けるような大粒の雨!
その後はピカピカ☆ゴロゴロ!!の連続で、もう魔女を追い払うどころでは
有りません。雷さまに追い払われるようにして急ぎ帰宅しました。
翌日の新聞のトップは折しも国民投票でEU離脱が決まったイギリスの
ニュースと並んで “ 落雷一晩に12,000回 “ という見出しで、
コペンハーゲン上空に何筋にも走る稲光の写真でした。
一瞬笑ってしまいましたが、同時にこの辺がデンマークにおける報道の絶妙な
バランスセンスだと感心もします。世界中が一斉に “ ショック!経済パニック! “
と報じる中で、同じくらい大きく身近なニュースを並べておく。
むやみに不安感を煽らず、人々に「ちょっと落ち着きましょう。」と
言っているように受け取れます。
それにしてもイギリスのEU離脱と落雷の写真はタイミングがピッタリ過ぎました。
それから3日後。
サッカー欧州大会で優勝候補でもあるイギリスが北極圏の人口僅か33万人の
小国アイスランドにまさかの敗戦を喫した時には遠慮なく皮肉たっぷりに
“ サッカー帝国の終わり! “ と報じていました。
小さいと言ってもデンマークの人口は530万人です。
アイスランドはその15分の1でしかありません。そんな小さな国の
サッカー選手達が大きなスタジアムでサッカー界のスーパースターを相手に
堂々の勝利です。アイスランド人じゃなくても嬉しくなります。
日曜日(7月3日)には開催国フランスと対戦しますが、
是非気持ち良い試合をして欲しいと願っています。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
まさかひどい天気なるとは思わず夏至際を楽しみに集まった人達。
ボートの人達はどうしたのでしょう?ね。
pm 9:00 焚き火まで後30分。
雨の中元気に遊ぶ子供達。私達は屋内で一休み。
晴れていればこんな感じだったはずなのです。(写真=2014年の夏至祭)
今日の庭から。 ラズベリー、レッドカラントが色づいて来ました。