2009年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol.17】 by 岡村恭子
VOL.17 身近なところから地球を救え!?
某日、はるばる日本から遊びに来た女友達が、私が冷蔵庫から取り出した卵の
容器を見て言いました。「とてもエコロジー!」因にデンマークの卵容器は
昔も今も変わらぬ再生紙製です。そう言えば、私も初めて手にした時に何と
優しいのだろうと感心しました。当時はエコロジーと言う言葉も日常化していず、
私は単に“卵に優しい”と感じたのですが、かの友人は“環境に優しい”と
感動した…。時代は変わり、そして、時代を越えてデンマークの卵容器は
エコロジーを提唱してきたと言えそうです。
折しも今年、12月には国際環境会議がコペンハーゲンで開催されます。
身近なところから環境を守る方法を模索するチャンスかも知れません。
地球の温暖化を防ぐという大きなテーマも、日常生活という身近な範囲で
考えれば、何か方法がありそうです。
例えば、そうですね。節電なら私にも出来そうです。政府も奨励している
*省エネ電球に変えるだけで、照明消費電力を約1/3も節約出来るとか。
(*従来の照明用白熱電球を電球型の蛍光灯に変換するというもの)
我が家も電球が切れるそばから省エネ電球に替えて来たのですが、浴室は
特殊なタイプで省エネ電球に変更出来ません。それならば、明るい内に
入浴すれば良い。朝湯が大好きだったオハラショウスケさんは省エネ実践者?
私もさっそく午後のシャワーを楽しみました。
天窓からの自然光が気持の良いこと。おまけに昼間から石鹸の香りに包まれて
ちょっとエグゼクティブな気分も味わえます。
しかし、それも束の間、夕食の準備をしてお肉を焼いた途端にお料理の
匂いにまみれてしまい、結局、就寝前に入浴し直し、節電どころか
節水にもなりませんでした。
考え過ぎて慣れないことをするのはどうも逆効果のようです。
毎日の暮らしの中で環境を考える時に避けて通れないのがゴミ問題です。
コペンハーゲン市の分別ゴミは大きく分けて5種類。一般家庭ゴミ、再生紙、
庭のプラントゴミ、再生ボトル、危険物(ケミカル系、重金属成分を含む
モノ等)です。再生ボトルはスーパーマーケット等に設置されたマシンに返却し、
レシートと引き換えに代金を受け取ります。その他のボトルは街角に
設置された専用コンテナに捨てます。我が家はかなりの頻度で空き瓶を
捨てに行きます。庭のプラントゴミは回収して広大な専用地に寝かせて
肥沃土に蘇らせた後、業者に売却しています。100%リサイクルです。
ルールができるとスムーズにコンテナが適所に設置され、
知らぬ間にその気にさせる…システム作りが上手な国だと感心しつつ、
今日も私は正しい分別ゴミ処理を心掛けていますが、この程度で
地球を救えるのか?はなはだ疑問ではあります。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com
再生紙製の卵の容器。
丸みのあるデザインが“卵に優しい”
危険物専用容器。
決まった日に回収車が来て空の容器と交換してくれる。
我が家の3大ゴミ容器。
向かって左から再生紙、普通ゴミ、庭のプラント用。