2017年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 383】 by 岡村恭子
VOL.383 お花見にちなんだエピソード
”シドモア桜”ものがたり
torsdag den. 21 april 2017
買い物の帰り道、花吹雪が舞ってきた…と思ったら、
ハラハラと舞い散る花びら…ならぬ、粉雪でした。
うっかり薄着で出かけようものなら風邪を引いてしまう。
北欧の4月はまだまだ寒暖の差の大きい毎日ですが、
東京はもう初夏の陽気と聞きました。
そんな東京品川で17日~19日にかけてはスウェーデンから
エヴァさんを講師にお迎えしてのワークショップ、
そして20日~22日はオープンステッチハウスと、
今週いっぱいステッチハウス主宰の “ 刺繍三昧Week “
爽やかな新緑の下、連日沢山の方で賑わっている事と思います。
デンマークもようやく春のお花見シーズンになりました。
もうすぐ “ コペンハーゲン桜祭り “ です。人魚の像のある公園一帯に
植樹されたソメイヨシノが毎年美しい花を咲かせ、人気スポットになりました。
デンマークの人も『ハナミ』が大好き。桜の下で集う姿は平和そのものです。
桜の種類も色々で、山桜、八重桜、こうず桜、しだれ桜にソメイヨシノ…
という中にシドモア桜という名前が出て来ました。
はてな? 聞き慣れない名前ですが、実は有名なポトマック河畔の桜に
つけらた名前で1900年代初頭、単身来日したアメリカ人女性ジャーナリスト
エリザ シドモアさんがその名の由来だそうです。
庶民の暮らしに接して日本が大好きになったシドモアさん、
とりわけ春の桜が咲き始める頃の美しさ、人々が桜の花の下に集うお花見に
感銘を受けたのでした。そして、祖国アメリカにもそういう場所を
作りたいという彼女の情熱とアイデアに賛同したアメリカ大統領夫人、
高峰譲吉(=アドレナリンを発明した日本人)、当時の東京市長 : 小村寿太郎
始め多くの人々の尽力で実現したのだそうですが、2000本もの
桜の苗木を船で運ぶという前代未聞の一大プロジェクトです。
関係者の苦労は大変だったでしょうし、根腐れなどの難題にも知恵を絞り、
無事に送り届けた時の喜びは想像に難く有りません。
それから100年以上の年月を越えて毎年美しい花を咲かせていることを
思うと深い感動を覚えます。
シドモアさんは今も横浜の山手墓地に眠り、傍らに植えられたシドモア桜
が毎年花を咲かせている、という桜にまつわる美しいエピソードでした。
ところで、コペンハーゲンの桜はアンデルセンベーカリーの先代オーナーが
日伝親善のシンボルとして寄贈したのが始まりです。
この桜もいつか人々から愛称で呼ばれるようになるのでしょうか?
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
コペンハーゲンのお花見スポット : 農業大学の植物園。
淡いピンクの桜と純白のマグノリアが一度に開花してとてもきれいです。
健康カードです。右下の1813は24時間相談窓口の番号。
我が家のご近所の桜です。小粒で白くて愛らしい。今が満開!
庭の桜。蕾の先がほんの少し開いて来ました。
見頃になるまで、まだもう少しかかりそうです。