2017年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 384】 by 岡村恭子
VOL.384 旬の野菜で季節を味わう。
torsdag den. 28 april 2017
夏時間になってからひと月が過ぎたというのに、
ここ数日肌寒い日が続いています。今日も朝からミゾレまじりの
冷たい雨で、庭の草花達も濡れそぼりしょんぼりしています。
天気予報では今日こそ晴れると言っていたのに…。
でも、どんなに寒くてももうすぐ5月。
新緑の季節ならではの風景がそこここに展開しています。
ついこの間まで枯れ枝を風に晒していた並木もいつの間にか、
小さな若葉を軽やかにまとい始め、公園で遊ぶ子供達の声も
明るく朗らかに聞こえます。そして、八百屋さんの店頭に
爽やかな季節の到来を告げるホワイトアスパラガスが並び始めると、
食卓にも彩り豊かな季節到来、自然に頬も緩みます。
トマトもキュウリ…と、何でもかんでも一年中出回っている時代に、
ほんの一瞬の “ 季節もの “ が並ぶのは何だか有り難く、
自然の恵みを頂くのだ、という実感も湧いて来ます。
今頃の日本だと今が旬の筍!ですね。分厚い皮の中に守られるように、
白くて柔らかい筍。その様子だけでも喜ばしい。
『旬の野菜』…なんとステキな響きでしょう。
特に、春の芽吹き時ならではの野菜を手にすると、お料理をする前から
朗らかな気持ちになります。
残念ながら筍は手に入らないけれど、野菜を買うなら “ Torvhallen “ と
言うくらい、近所のスーパーでは手に入らないものが沢山並んだ
オープンエアの青物市場が有ります。時々大きなトートバッグを
持って買い出しに行くのですが、山に積まれた新鮮な野菜を眺めるだけでも
目の保養になります。そこで私が必ず買うのが大根とほうれん草。
ヨーロッパ生まれの大根はスレンダー、でも味はほぼ一緒です。
サラダはもちろん、肉料理に添えたり、時には煮込み料理にと重宝です。
ほうれん草は赤い付け根の部分までちゃんと付いていて、時々ハッパの間に
泥もついていたりして、私を喜ばせてくれます。濃緑色の分厚い葉のほうれん草
を見かけたら、迷わず無造作に手づかみ。まだ水滴の付いているような瑞々しい
感触が手の平に伝わり、計ってもらっているそばから、バターソテーにして
お醤油を垂らして食べようか?それともオリーブオイルで和えようか?と、
あれこれ夕食の献立を考えるのにも弾みがつきます。
先日は大きな真っ白いカブを見かけたので迷わず買いました。
Torvehallenには魚屋さんが2件、和食の材料を扱う小さな乾物屋さんも
有って、醤油やお豆腐も気軽に買えるようになりました。
それだけデンマークの人の食生活が豊かになって来た証拠です。
一番の変化は魚を食べるようになったことでしょう。
これはひとえにSUSHIの効力です。最近は本格的なラーメンも人気で、
わざわざ北海道から麺を取り寄せているという人気店も出現しています。
今にお好み焼きとかソーズや生そば、たこ焼き、というような屋台スタイルも
現れそうだと話しています。
Torvhallenに筍や松茸が並ぶ時代もやって来るかも知れませんね。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
Torvhallenの青物市場。色とりどりの山積みの野菜や果物は見ためも楽しい。
カブを見かけて迷わず買いました。大きなトマトも購入。
Torvhallenn内のカフェはいつもたくさんの人で賑わっています。
これは近所のスーパーでもらった野菜のタネです。
小さなボックスに栽培キットが入っていました。パプリカ…育つかな?