2017年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 390】 by 岡村恭子
VOL.390 晴れ 時々 雨 のコペンハーゲン
あした 天気に な~あれ
torsdag den. 8 juni 2017
晴れていた空に暗雲が立ちこめた、と思った途端にザーッときました。
無情な冷たい雨に首をすくめて溜め息まじり、
ついこの間、そよ風の吹き抜けるプラムの木の下で陰干しし、
仕舞ったばかりのコートをまた引っ張りだしました。
北欧の夏はお天気次第、という毎度おなじみのフレーズを呟く一方で、
夏至に向かっている今この時を “ 夏! “ と言わずしていつ言うの?と
いう声も聞こえて来ます。その通りです。どんなにお天気が悪くても
北欧の人にとって今が一年中で一番明るい季節なのです。
少々の雨などなんのその、屋外でのイベントが目白押しです。
先週末はストリート音楽祭=ディストーションが開催され、
連日8万人の人出で賑わったそうです。大通りに若者達が集い
特設ステージのライブを楽しむ…単にそれだけ、といえばそれだけの
イベントなのですが、ストリートという自由な雰囲気に包まれ、
集まった人達は和気あいあい、アパートの住人は窓から手を振り、
みんなが仲良し!的なのが如何にも自由な街コペンハーゲンらしいと
好評で、今では海外からも沢山の人が訪れる夏の名物イベントです。
しかし、何かと物騒な昨今、開催中に合計13人検挙されたと聞き、
すわ、テロ未遂か?暴力沙汰か?と思いきや、いずれもトイレ不足から
生じた『違法行為』と知り、可笑しいやら、ホッとするやら…。
主催者側が来年度は臨時トイレを増設するというメントを発表して無事終了、
本当に平穏無事でヨカッタ!ヨカッタ!
さて、我が家の庭に目を移すと、
適度なお湿りは嬉しいけれど、でもこんなに沢山はいりません!
というくらいたっぷりの雨に、庭の植物も水分補給充分です。
家人は雨の合間に芝生の肥料を蒔いては、晴れ間を縫ってその上を踏みしだき、
またザーッときたら今度は芝生のタネを撒いて、土を踏み固めています。
ついでに目についた雑草を引き抜いたり…まるで田植え状態です。
そんな様子に、いやー、庭仕事にも年季が入ったものだ、と笑いながら、
この家に引っ越して来た頃を思い出しました。雑草だらけだった広い庭を
前に呆然としていたあの頃…、植物のイロハも知らなかった私達が見よう
見まねで始めたガーデニングもようやく自分たちらしいカタチになって
来たようです。
薔薇が咲き始めました。春先に根元から切りそろえたラベンダーも
こんもりと葉を茂らせ花の蕾も沢山付きました。
そろそろ紫陽花やスイカズラなど夏の花の出番を迎えます。
サクランボの青い実が膨らみ始めました。赤くなるまでもう少しの辛抱。
その前にサクランボの実を狙ってやって来る鳥達との攻防戦が始まります。
忙しい、とぼやきながらも、
四季の移り変わりを庭の草花と共感じる暮らしも悪くないな、と
思う今日この頃です。
あした 天気 に な~あれ ◎
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
6月の街角スナップより。
T-シャツの軽装、長袖にマフラー。人々の服装もまちまちです。
晴れた途端に上着を脱いで夏姿に変身。これが賢い夏の北欧スタイル。
週末のフリーマーケットの様子。6月でも上着は必須アイテムです。
サクランボが青い実を風に揺らしています。
紫野ボンボリはチャイブ、花壇にはカンパニュラ、サルビア、ラベンダーなど
夏の装いになって来ました。