2017年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 391】 by 岡村恭子
VOL.391 交通渋滞も何のその 明るい季節を楽しむ人々
torsdag den. 15 juni 2017
午前零時、透明な深碧の夜空に葉を茂らせた庭木のシルエットが
切り絵のように浮かび上がります。静寂の中で、植物達の息づかいまで
聞こえるような気がする束の間の夜を過ぎて、am 3:00 には早くも
新しい朝が始まります。
でも、まだよね!? まだもう少し明るくなるわよね!…。
そうなのです。夏至までのここ数日間は北欧の人にとって特別な
夏の日々なのです。
家の中になんて居たくない!… 誰もがそんな気持ちの毎日です。
夜遅くまで外で憩う人々の気配がします。
私達も庭のベンチで食後のひと時を過ごしながら、
赤くなりかけたサクランボを狙ってやって来る鳥を追い払ったり
夕涼みがてら花壇の手入れをしたり、ふらりと散歩に出かけたりしています。
そして、「日本に無くてデンマークにあるものはゆっくりした時間と
それを楽しむ人々の精神」… 曽て、私がこの国に暮らすと決まった時に
家人が言った言葉を今更のように思い出し、本当にその通りだと実感します。
しかし、ひとたび街に目を移すとのんびりした空気はどこへやら、
観光シーズンまっ只中のコペンハーゲンはどこもかしこも人でいっぱい!です。
おまけにメトロ工事、道路工事、○○工事、と何の工事か不明なものまで、
とにかく至る所が工事中です。そこを観光バスが通り抜け、自転車が疾走し、
毎日お昼頃には渋滞の車道を衛兵が堂々の行進です。ピーヒャラピーヒャラ♪…
とてもゆっくり進む。 カメラを手にした観光客がシャッターチャンスを
逃すまいと車道にはみ出す。運悪くその後ろになってしまった車は諦め顔で
ノロノロ運転、いやが上にもますます渋滞してしまう。
午後三時を過ぎると仕事帰りのラッシュが始まり、
夕方まで混雑の極みとなります。
観光局の一押し移動手段はレンタサイクルですが、慣れていないと難しい。
やはり公共の乗り物が一番安心&安全ということになりそうです。
特に路面バスはバス専用車線を走行するので一般車の渋滞を横目にスイスイと
走ってくれます。ところが最近、空港とセントラルを結ぶ主要ラインが
何を考えたのか?二両連結車両にしたから、さあ大変!
狭い旧市街地ではカーブを曲がるのも危なっかしく見えるし、
2台続けて来てしまうと、バス停の長さに収まらず “ 信号待ち “ ならぬ
“ バス停空き待ち “という新手の渋滞発生です。
おまけに省エネが自慢の新車両、乗降の際には自分でボタンを押さないと
ドアが開きません。不慣れな利用者からは不評の嵐ですが、
何事も『習うより慣れろ』というのがこの国のシステムです。
書類のデジタル化と同様、文句を言いつつ徐々に慣れて行くのでしょう。
それに、夜中まで明るいゴキゲンな季節、
少しくらいの渋滞なんて何でも無いさ!
相変わらず “ ケ セ ラ セ ラ “ な気分で “ ゆっくりとした時間 “ を
楽しむ人々で、今日もコペンハーゲンは大賑わいです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
1
街角スナップ。
観光客で賑わうストロイエ、ロイヤルコペンハーゲン本店前の広場にて。
この日は風が強くて…女の子のママの髪の毛が飛んでいますね!
これが新しい空港とセントラルを結ぶバスです。
車内は乗客まばら、2両にする必要が有ったのでしょうか?
降車する時にはこのブルーのボタンを押します。
今日の庭から
サクランボが食べごろを迎えようとしています。
お勝手口のレンガ伝いに咲き誇るツタ紫陽花。甘い香りにミツバチが
やって来るのでドア周辺の花は切ってしまわないと危険です。