2009年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol.23】 by 岡村恭子
VOL.23 春を迎える下ごしらえ
チューリップ、ヒヤシンス、水仙、クロッカス、エランティス、
それからスノウドロップetc、いずれも秋に球根を埋め込むと
翌春庭を彩ってくれる花々です。
早春、冷たい土の中から緑色の小さな角をツン!と空に向かって
伸ばし始めると、明るい季節の兆しを感じられて本当に嬉しいものです。
球根なので、そのまま放置していても毎年咲いてくれますし、
株分けすると簡単に増えますが、新たに買い足し、庭の様子と
相談しながら埋め込んで行くのも今頃の楽しみの一つです。
今年もチューリップを中心に新しい球根を買いました。
新種も出回っていますが、あまり奇抜なものよりもオーソドックスな
タイプが好ましいような気がします。一雨降った後の湿った土を
掘り起こして、既に土中に埋まっている古い球根を傷つけないよう
気を付けて並べて行きます。きれいな花が咲きますように、と願いながら
優しく土をかけて行きます。
それから先日、私としてはかなり思い切って苺畑を更地にしました。
夏の間にツルを伸ばし、新しい芽が沢山育っていましたが、思い切って
全部抜いてしまいました。
毎年、熟す前に鳥たちに荒らされてしまう上に、天候に寄っては
甘くなってくれません。試しに株分けし鉢植えにした苺だけは、
日当たりの良い所に置いたのが功を奏して、次々と甘い実を付けました。
そんなわけで、苺は鉢植えに限る!苺畑はじゃが芋畑に変更しよう!
と計画中です。
ペットは飼い主に顔付きまで似てくると言われますが、
庭も同じかも知れません。この家に住んで20年、気が付くと大雑把な
私の性格に似て計画性に乏しい分、大らかに草花が咲く庭になりました。
常日頃、気ままに庭の土をいじっているので、知らぬ間に古い球根が
移動し、春になると思わぬ所からチューリップの花が顔を出したりしますが、
そんな時は久しぶりに出会った友達のようで「あら、こんな所にいたの?」
と思わず声をかけてしまいます。来春もきっと思いがけない所から
春の花達がにっこり笑顔で挨拶してくれることでしょう。
まだまだしばらく続く秋の庭仕事。
冬ごもりの準備は“春を迎える下ごしらえ”でもあるのです。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com
球根で”春の下ごしらえ”今から楽しみです。