2009年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol.28】 by 岡村恭子
VOL.28 しなやかな精神で暮す
このところぐずつき気味のお天気が続いています。
ただでも日増しに暗くなるというのに、雨降りだと尚更気分が
沈みそうになります。そんな折りにふと娘から聞いた
デンマークの格言を思い出しました。
「相応しい服装でいればイヤな天気など存在しない。」
なるほど! そう言えば…この国の人達は少々の悪天候など気にしません。
雨降りでも完全防水+ヘルメット姿のサイクリストが行き交います。
格言をそのまま実行しているようで「単純ね」と微笑ましくなりますが、
更に考えると、厳しい自然環境をポジティブに受け入れる、
しなやかな精神と懐の深さも感じとれます。
私も気持を切り替えて暗い季節を楽しみたいと思います。
キャンドルの活用もその一つ。
今頃になると毎朝キッチンの窓辺とテーブルにキャンドルを灯すのが
日課です。それだけで冬の朝ならではの暖かい空間になります。
カフェやブティックもキャンドルやオイルランプを灯して人々を誘います。
暗くて寒くて時に“ずぶ濡れ!”の最悪天気でも室内に入った途端に、
揺らめく炎が心までとかしてくれるのです。
早いもので11月もそろそろ中旬になろうとしています。
12月に入った途端に、ものの見事に全てがクリスマスモードに切り
替りますが、それまでのしばしの間、暮らしの中に少しだけ、クリスマス
エッセンスを取り入れてみるのも良いものです。
シナモン、カルダモン、クローブ、オレンジetcどれも北欧のクリスマスの
香りです。毎年今頃になるとクローブを刺し込んだオレンジを飾り、
クリスマスティーを入れて、日本にいる家族や友達に思いを巡らせながら、
プレゼントをあれこれと考えるのが私の楽しみの一つになりました。
庭の枯れ枝やコケを集めてリースやデコレーションを作ったり、
ハーブ入りの焼き菓子を作るのも、今頃ならではの過ごし方です。
厳しい自然をポジティブに受け入れる北欧の人々の知恵としなやかな
精神を見習って、私なりの北欧暮しもどうにかここまでたどり着いた、
と言うところでしょうか。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com
可愛いクリスマスの焼き菓子用のフォーム
オレンジにクローブを刺し込んで。クリスマスの香りです。
窓辺に友達がデザインしたリースを飾りました。