2019年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 460】 by 岡村恭子
VOL.460 無駄をなくそう! デンマークの取り組み
“ We Food “ と “ Too Good To Go “
sondag den. 20 januar 2019
1月も後半になって、ようやくここ数日北欧らしいお天気です。
外に出た途端、カキーン!とするけれど冬らしくていっそ気持ち良い。
ところで、
私は毎朝インターネットで日本のニュースをチェックするのですが、
先日はこんな見出しが目に止まりました。
題して「農水省が恵方巻き業者に異例の通達」
何のことかしら?と思ったら、今や節分には “ 豆まき “ ではなくて
“ 恵方巻き ” だとか。初耳の私はやっぱり「福は内~、鬼は外~」じゃないと
… と思うけれど、そんな個人的な感想はさておいて、
問題は “ 食べて福を呼び込む “ はずの恵方巻きが大量に売れ残ってしまい、
毎年節分直後の廃棄処分場は平日の1~2割り増しの量になる。
これは流石に放っておけない、と思ったお役所が消費に見合った生産を、
と呼びかけたということです。今年は作り過ぎに注意してもらいたいですね。
でも、しかし、この問題は節分の恵方巻に限らないし、
ましてや日本に限った問題でもありません。
先進国が抱えている共通のテーマです。
ここ、デンマークでも如何に食料品の無駄をなくし、廃棄を少なくするか?
ということが社会全体の大きな関心事になっていて、
様々な分野で様々な取り組みが行われています。
どうも、こういうことになるとこの国の人々は大変熱心だし、
アイデアが生まれるとまず実践してみよう!という気概にあふれていて、
人々の関心も非常に高いようです。
私がよく行くスーパーは “ 無駄をなくそう!” というキャッチコピーで、
少人数用のスモールパックをセールスポイントにしたり、
残り物を利用したメニューを紹介したり、先日は「無料」と書かれた箱に
熟れ過ぎたバナナやリンゴが入っていました。
野菜も一本から買えますし、賞味期限の迫った商品の値下げコーナーも
結構充実しています。
小麦粉、砂糖、などの量り売り専門店もなかなか人気のようです。
容器持参で買いに行くあたり、昔のお豆腐屋さん的ですが
大きな違いは、買い手にとってそういうショップを利用するということが
ひとつの意思表示になっているということです。
大手スーパーと契約して、賞味期限の迫った加工食料品を格安で
提供するショップ “ We Food “ http://theplatnews.com/p=1531
や、携帯アプリを使った新たな取り組み “ Too Good To Go “
https://japan.cnet.com/article/35088318/
など、いずれもデンマークが発祥ですが、現在、ヨーロッパに拡散中で、
すでにイギリスなどに波及していると聞きました。
帰国した際、デパートの食料品売り場に行くたび、そのバリエーションに
感動しながらも、売れ残ったらどうするんだろう?と心配してしまいます。
日本版 “ Too Good To Go “ が出来たら素敵ですね。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
To Good To Goでの購入方法。
あらかじめ携帯のアプリで購入、閉店1時間前から受け取り可能。
中身は開けてからのお楽しみ。
この日は美味しいパン屋さんの当日売り切り分を購入。
支払い金額30クローナ(約570円)通常の半額以下です。
今日の町内から。
気温は低いけれど、青空をバックにして鳩も気持ち良さそう。
公園にも子供を遊ばせる姿が見られるようになりました。
今日の我が家から。
庭の寒桜が咲き始めました。
プリムラの小さな花が一足早い春を呼び込みます。