2019年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 467】 by 岡村恭子
VOL.467 自由な風の吹く王国 : デンマーク
ファッションモデルになったプリンス
sondag den. 10 marts 2019
春のオープンステッチハウスまであとひと月ちょっととなりました。
4月18日~20日です。カレンダーに○印をつけておきましょう!
日増しに明るくなってきました。暗かった冬から一気に明るい季節へと、
舞台がクルンと反転したみたい…、春を迎える度にそう思います。
嬉しい、と言いたいところですが、今週は冷たい雨が降り続き、
ようやく雲の切れ間から青空がのぞいたと思ったら、今度はものすごい風で
吹き飛ばされそうになってしまいました。庭仕事も少しの間お休みです。
ゆっくりと珈琲を入れながら、たまにはデンマーク王室の話題でも。
まずは、こちらをご覧ください。
ちょっと心もと無さそうに憂いをおびた表情がなかなか良い感じですが、
さあ、この若いファッションモデルは一体誰でしょうか?
クイズのようになってしまったけれど、実は彼、何を隠そう、
マーガレーテ女王の孫、プリンス : ニコライ(19才)なのです。
デンマーク王室直系の正真正銘プリンスです。
女王さまには長男で王位継承プリンスのフレデリック殿下、と
次男のプリンス : ヨーキムという二人の息子がいます。
今回クローズアップしたニコライはプリンスヨーキムと最初の妻、
アレクサンドラの長男、マーガレーテ女王の初孫に当たります。
アレクサンドラの父親は中国人、母親がイギリス人、従って
ニコライはこの2カ国に加えてデンマークの、それも王室の
由緒正しい血統が混ざっているというわけで、何処となく
エキゾチックな雰囲気が漂うのも頷けます。
残念ながら両親は離婚、その後、アレクサンドラは紆余曲折を経て
現在独身ですが、父親であるヨーキムはフランス人女性と再婚し、
新家庭を築いています。こう書いていると自由奔放すぎるようにも
思えるけれど、この国の人々は、例え王室メンバーであろうとも
できるだけ自由に幸せに生きる権利があるという考えが一般的です。
その証拠に、プリンスがマラソンに参加したり、プリンセスがショッピング
していたり、美術館のカフェで女王様がケーキをつまんでいる姿を見かけたり、
と、文字通り国民に身近な存在で、普段はほとんど一般人と変わりない
暮らしぶりなのです。
さらに、2016年の王室に関する法の改正に伴い(経費節減の為)
王位継承者以外は、満18才以降の経済的な特別枠
(必要とみなされる歳費以外のいわゆる不労所得)が廃止されたことで、
高校卒業後は真剣に将来の進むべき道を模索しなければならなくなりました。
そう、一般国民同様に。
そしてその法改正後、最初の洗礼を受けることになったのが
プリンス : ニコライなのです。昨年、高校を卒業、そのまま大学進学という
大方の想像に反して、なんと!ファッションモデルになった。
この意外な選択肢にも国民は騒ぎ立てず、社会に一歩踏み出した若者として、
さて、いつまで続くか?ニコライ君?!と静かに見守っているという印象です。
もしかすると、デンマーク王室のプリンスが東京ファッションウィークで
ランウェイする日も近いかも知れませんね。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
(gettyimages Ole Jensen 撮影)
プリンスニコライの18歳の誕生に。 パーテイー会場のロイヤルシップにて。
ニコライを挟んで向かって左側に父ヨーキムと再婚相手のマリーエ&二人の子供、
右に母親アレクサンドラと弟のフェリックス。
街角スナップ。お花屋さんの店先も春らしくなってきました。
風が冷たくても子供達は元気です。通りかかった広場では
今年最初のフリーマーケットが店開き。
大きくなりすぎた柊を一回り小さくして清々。結構ゴミが出ます。