2019年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 472】 by 岡村恭子
VOL.472 南マラガの旅 1
マラガで お誕生日おめでとう
søndag den. 14 april 2019
「ただいまー。」
ほんの数日留守にしただけなのに、帰宅した途端に
ホッと安堵するなんて我ながら情けない、と思いつつ、
トランクの中に詰めてきたワインやシェリーなどの無事を確認して
更なる安堵をした翌朝、キッチンで珈琲を沸かしながら、
今日もあの町の人たちは朝から元気に働いて、大きな声を掛け合って、
食べて飲んで、シエスタして、私の好きなラリオス通りも賑わっている
だろうなあ…何もかもがいつも通りに。。。
そんな情景を思い浮かべていたら、帰宅してホッとしたのもつかの間、
昨日までいた、あの港町がとても恋しい。不思議な気持ちです。
今年の家人の誕生日はちょっと特別に。
10年前にも行った南スペインで祝おう!と思い立ったのは、
まだ真冬の寒くて暗い頃でした。
本人に内緒で密かにプランを立てながら、明るい陽光に輝く
南国の観光ページを開く、心は早くもアンダルシアへと
飛んで行きます。あれも食べたい、あそこも行きたい!と
ワクワクして来ます。しばらくして、本人にも計画が伝わると
それからは遠慮なく、スペイン行きの話で盛り上がり、
ようやく出発の日を迎えたのでした。
(旅行は計画をしている時から始まっていると実感しました。)
コペンハーゲンから飛行機でわずか4時間、スペインの南端にある
港町マラガに到着します。
街の左側に地中海が広がり、右を向けばジブラルタル海峡が太いベルトの
ようにヨーロッパとアフリカ大陸を隔てています。
海岸線一帯は一年中太陽が降り注ぐ、その名も「コスタ デル ソル」
南欧ならではの白い建物が並ぶ美しい海辺の観光地で、日光不足の
北欧の人たちの避寒地としても人気の高いリゾート地です。
4月9日の誕生日当日。
前日予約しておいた(10年前に誕生日を祝ったのと同じ)お店に行くと、
何と当時働いていたセニョールがいるではありませんか!
「覚えていますとも!よく来てくださった!」と大喜び。
奥から他のメンバーも出て来て盛り上がり、お店から誕生日祝いの
シェリーが振る舞われて、みんなで乾杯!みんなが笑顔!
言葉なんて通じなくても気持ちは通じる!
ムーチョグラーシャス! ブエノス ノーチェス ! アスタ ルエゴ!
ほんとにありがとう!おやすみなさい。さようなら、また会いましょう!
知っている限りのスペイン語で別れを惜しんだのでした。
たかが4時間で行ける場所なのだから、もっと気軽に行けば良いと
思うかもしれないけれど、自他共に出不精を認める家人が、
よいしょっと腰を上げてくれた!その旅先で出会った人や出来事などを、
二人で少しずつ長い時をかけて懐かしむのも、旅の楽しみ方ではないかな、
と思っています。
それにしても10年ひと昔。
次の10年までは待てないかもしれない…
もう少しフットワーク軽くしなければなるまい、とも思います。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
全て南スペインのマラガでのスナップ。
レンガの古い建物、くねくね曲がった路地に、気軽に飲んで食べられるカフェ、
やバルが軒を連ねています。
誕生日を祝ったレストラン Ro Gueno は今年で52周年になる老舗です。
イカ、タコ、イワシやアサリなど日本人にも馴染みのある海の幸が豊富です。
赤いドリンクはティント デ ベラーノと言います。サングリアに似ています。