2019年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 474】 by 岡村恭子
VOL.474 ハッピーバースデー エリック!
『ジャガイモ畑』の誕生パーティー
sondag den. 28 april 2019
新しい元号『令和』の幕開けまでカウントダウンとなりました。
いつもと変わらない日常なのに(おまけにデンマーク暮らしなのに!)
なぜか気持ちが改まり、日本の長い歴史と文化について改めて
思い思い過ごしている今日この頃、
若い世代が令和の時代にどんな歴史を刻んでゆくのだろうか?と
期待し、楽しみでもあります。
さて、先日はエリックの誕生日パーティーに招ばれて行ってきました。
早いもので、家人がデンマークに来て、彼と一緒にデザインオフィスを
スタートしてから40年が過ぎようとしています。
せっかちとのんびり、直球と変化球、ハードとソフト。おまけに
日本語とデンマーク語!という具合で、性格も育った環境も違う二人
ですが、もしかして、だからこその絶妙のバランスで、今日まで
やってこられたような気がします。
その辺の秘訣を聞き出したら、共同経営の成功のカギが見つかるかも
しれない。。。自他共に認める名コンビです。
その二人は、また 誕生日がたった9日違いの同い年なのです。
エリックの住まいは旧市街地にある集合住宅地、
小さく区切られ窮屈そうに並んだブロックの一角にあります。
住宅に挟まれた路地は折から新緑と春の花で彩られ、
庭や玄関ドア、窓枠など家ごとに工夫し、丁寧に手入れして暮らして
いるのが見て取れます。
実はここ、デンマーク人の『住みたい街ランキング』で常に上位の
人気の地区 通称 “ Kartoffel-række : ジャガイモ畑 “ 。
「どこに住んでいるの?」と聞かれて、
「Kartoffel-række : ジャガイモ畑!」と答えるのは、
例えば、代官山ヒルサイドテラスと答えるようなもので、
「まあ、おしゃれ~」となります。
当初は低所得者用に建設された極狭住宅だったのが、旧市街と、
北に広がるアッパータウンの中間に位置しているという立地の良さ、
交通に便利で周辺を緑に囲まれているなど、好条件に恵まれて
人気を呼び、今では住みたくても入手困難な憧れの住宅地となりました。
さて、その日の主役が、ほろ酔いで嬉しそうに家人と談笑している姿には、
気心知れた二人ならではの暖かい雰囲気が漂い、傍の私は、
つくづく、広い世界で二人が巡り合ったのは奇跡のよう。
人生は、だから楽しい。それにしても。。。
こうして、今日もデンマークの片隅にいる自分が とても とても
・不・思・議 ・ うん? 酔ったかな?……?
ハッピーバースデー!エリック!
と、そのような、気分に浸れた素敵なパーティーでした。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
ジャガイモ畑の一棟ずつ、とんがり屋根の3階建て、
狭い路地は住人たちが工夫して整備、昔ながらの近所付き合いも魅力とか。
エリックの三人の孫、クラーラ、ヨハン、そして末っ子のベアちゃん。
食事の写真は遠慮しましたが見た目も美しいフルコースでした。
キッチンでエリックとコックさん、デザートの手伝いをするクラーラ、ヨハン。
最後の一枚はちょっと不思議な味のミントティー入りのウェルカムドリンク。