2019年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 476】 by 岡村恭子
VOL.476 デンマークの暮らし
さあ、美味しい空気を吸って頑張ろう?!
sondag den. 12 maj 2019
つい2.3日前まで柔らかな新芽を風にそよがせていた垣根も
今朝はゆったりと大きな青葉で覆われて夏の姿になりました。
朝は5時頃から、夜は9時を過ぎても外が明るくて、
夕食後の散策をする人の声が庭伝いに聞こえてきます。
これから夏至に向かい屋外のイベントが目白押しです。
ハイシーズンを迎えた街はたくさんの観光客で賑わい、
おまけに、国会周辺は総選挙を控えて慌ただしく、
ご近所さんはBBQで盛り上がる。。。
あたかも冬眠していた動物が一度に活動期に入ったように、
街全体が新鮮なエネルギーに満ち溢れています。
中には夏休みに入る前にノルマをこなしてしまおう!という
魂胆も垣間見える、そんな “ 頑張り時 “ の週末、
今日(土曜日)は選挙プラカード張り出しスタート日です。
良い場所確保に各党ヨーイドン!まるで、お花見の場所取りみたいに
早い者勝ちです。電柱、橋の欄干、たちまち候補者の顔で埋まって
しまう様子がニュースになっていました。
現在、第1党の中道右派(ベンスター党)は議席過半数維持のため、
野党と連携せざるを得ない、という何処かの国と同じ状況で、
政策が思うように進んでいません。
代わって支持率上昇しているのが、穏健左派のソーシャルデモクラシー党、
福祉や教育医療に加えて、地球温暖化を食い止めよう!という
キャンペーンが人気を支えているようです。
思えば1980年初頭、デンマークの市民運動がきっかけとなって
スウェーデンの原子力発電所を操業停止に追いやった。
その直後にチェリノブイユの大事故が起きたのでした。
この国が脱原発をスローガンに、自然再生エネルギーの開発最先端の国に
なっているのには、そんな経緯も大いに影響しているし、
環境問題が国民の大きな関心事というのも頷けます。
いつだったか、コペンハーゲンに遊びにきた友人が、
「緑に囲まれた広い庭で深呼吸していると、その家の主人がきて
さあ、きれいな空気を吸いに行こう!…?… すでに美味しい空気を
たくさん吸って胸いっぱい!だった僕を、
それこそ身体中が緑に染まるような新緑の森に案内してくれた。
どうやら彼には庭くらいではオゾンが充分じゃなかったらしい。」
可笑しそうに話しながらも感動した様子の彼に、
あははー、それで、ごちそうさまーって言ったの?と聞きながら、
そういえば、“ 美味しい水 “ には敏感なのに、
空気に対しては案外無関心かもしれないと思ったのでした。
デンマーク在住エンジニアによる空気についてのお話↓
https://ideasforgood.jp/2019/04/29/denmark_makita_designair/
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
明るい陽光の下で、街路樹の新緑が眩しい。
コペンハーゲンはどこも自転車がいっぱい!
新しくできたフードコートのベランダからチボリが望めます。
ショッピングの寄り道コースとしてオススメです。
我が家の町内です。歩いていると甘いライラックの香りが。。。
今日の庭から。
花粉も収まって良い季節になりました。
充分じゃないかもしれないけど、良い空気に包まれている気がします。
花屋さんで見かけたピンクのバラと白い紫陽花をベランダにおいて。。