2019年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 486】 by 岡村恭子
VOL.486 私の夏休み
自己流 水彩画入門編
søndag den. 4 august 2019
ステッチハウスのページを覗く度に
どうしたら植物や風景など、写実的なモチーフを刺繍で描けるのか?と、
感心します。完成した作品はまるで絵のようだけれど(当然ながら)
近づいてみれば✖✖と糸でひと針ひと針、丁寧に刺している。
刺繍の好きな方にとっては絵筆代わりの糸と針なのでしょうが、
それには先ず、“器用な指先” が必須条件に違いない!
自他共に認める不器用な私には、刺繍を嗜むなど望むべくもないのですが、
それでも、この夏休み、何か趣味の真似事をしてみたいと思い立ちました。
ポイント1、家事の合間に簡単にできること。
ポイント2、結果がすぐに見られること。
その他、道具も大げさじゃダメだし、片付けが簡単なこと。
そんなワガママを並べていたら、「これなんか、どう?」と家人が
開いてみせてくれたのが水彩画教室のサイトでした。
ずいぶんたくさんアップされています。
どのページも如何にも簡単そうに、そして気持ちよさそうにスラスラと、
大抵は下書き無しで彩色、たちまち作品が完成して行く。
絵の具を水に滲ませたり、その上からさらに色を重ねたり、と、
その辺も結構適当に見えます。
実際には考え抜いて彩色しているのだし、上手な人が描いているのを
さらに編集して早回しにしているのですから、素人がその気になったら
大間違いなのに、一見、とても簡単そう。真似事なら楽しめそう。
思い立ったら吉日!…の3拍子が揃いました。
さっそく、地下の物置きから娘が子供の頃使っていた絵の具箱を運び出し、
水彩画に挑戦です。
庭に椅子を持ち出すと、折しも見頃の紫陽花の前に陣取りました。
しばし観察です。そうして気づいたのは、普段なんとぼんやりとしか、
モノをみていないんだろう、ということです。毎日眺めてはいるけれど、
観察などしていない。花びらのカタチ、色、重なり合う様子 などなど、
クリエーションに大切なのは想像力と観察力。そんな言葉を思い出して、
“ぼんやりな日常” あらため、久しぶりにじっくりと植物観察しながら、
ふと空を見上げると、ギラギラとしていた真夏の日差しは遠ざかり、
涼しげに薄まった青空に筋雲が流れています。
次はあんな空も描きたい!… でも、まず紫陽花を仕上げなくては。
うすく輪郭を描いた下書きに色をつけて行きます。
水彩画入門編「紫陽花の描き方」の動画を開き、
ドキドキするね、と独りごちながら。
まず紙を水でさっと濡らして、明るい色から少しずつね。。
こうして…、ああして…、あら? お手本のようにならない。
紙が水で波打ってきてしまう。色が滲み過ぎてしまう。
どうにも思うようにならない。
何枚描いてもお手本の紫陽花のようにきれいに描けません。
見かねた家人が、これなら簡単だろうと水彩用鉛筆を買ってきましたが、
果たして道具で解決できるものなのか?
「大切なのは観察力」というフレーズが頭の中をくるくる回りながら、
家事の合間のお楽しみ。私の自己流水彩画教室は続きます。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
水彩画用紙と鉛筆。この表紙の絵のように描きたい!
しかし、実際はこんな紫陽花になってしまいます。
娘(11歳 当時)が描いた庭とピカソの言葉。
「大人になるにつれて忘れてしまう。子供の頃はみんなアーティストだってことを。」
今日の庭から。
シュウメイ菊が咲き始めると、秋もすぐそこまで。。
去年の夏のダリアをうっかり、そのままにしていたら見事に咲いてくれました。
これで球根を室内で保存越冬の必要なしと判明。