2019年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 492】 by 岡村恭子
VOL.492 デンマークの暮らし
美味しいお米のためならば・・・の巻
søndag den.15 september 2019
一雨ごとに秋が深まってきています。
暖房のスイッチを入れました。
涼しくなるとご飯が美味しい。
ご飯といえば、「デンマークではお米はどうしているの?」
そう聞かれる度に、近所のスーパーマーケットのお米で上等!
あとは腕次第よ、などと答えてきました。それは
美味しいお米を求めて苦労しているという人の‘’自慢話‘’に対する、
私のちっぽけな‘’逆自慢‘’でもありました。
事実、長ごめ、丸ごめ、黒米、ジャスミン米など種類も豊富で安価です。
リゾットにしたり、炒めたり、と食べ方によってはとっても美味しい。
その中で一番日本のお米に近いかな?と思える丸米タイプを使って
ご飯を炊いてきたのですが、最近、そのお米が美味しくなくなって
しまったのです。品質が変化したのか、はたまた食べる人間の味覚が
変化したのか?炊きあがってもポロポロとした硬さが残っているような気がする。
作る際に上手くまとまらない感じ。
ご飯が美味しくないと食も進みません。
とうとう私も美味しいお米を買いに
足を伸ばすようになりました。
そろそろお米の在庫がなくなってきたね。
今日は秋晴れの土曜日です。
二つ返事の家人と散歩がてら出かけることにしました。
この国では電話一本で配達してくれるサービスは皆無です。
最近は大手スーパーなどがオンラインショップを始めたけれど、
日本の行き届いた宅配システムには遠く及ばず、
ましてや、今からお米を買いに行こうとしている中国人の小さなお店には
サービスという言葉がありません。
美味しいご飯を食べるためには少しばかり努力が必要なのです。
市庁舎広場から裏道をジグザクと聖母マリア教会から
コペンハーゲン大学図書館のある通りへと向かいます。
その辺りは分厚い学術書専門店や古本屋さんなどが並び、
心なしか道行く人の様子まで物静かに感じられる…。
目と鼻の先のストロイエの雑多な賑わいが嘘のようです。
ここ数年でめっきり本屋さんが少なくなってしまったのは寂しいけれど、
やっぱりこの一帯はコペンハーゲンのカルチェラタン、
私のお気に入りの界隈です。のんびり散歩する人々に混ざって
歩いていると…「おやっ!」古本屋さんの脇に書かれた
Loppe markedet(=フリーマーケット )という張り紙に目が止まりました。
迷わずポートをくぐってみると…、
晩夏の草花が咲き乱れる植え込み、花のトンネルの向こうには
緑の芝生が広がっていました。住人たちが思い思いの品物を持ち出して
まるで店屋さんごっこ。珈琲をのみながら楽しげに談笑しています。
表通りからは想像できない、突然の ‘’原っぱ‘’ の出現に驚きの声を上げながら、
思いがけず掘り出し物を見つけてしまった。
お米を買う前にかさばってしまうけれど、でも、だから散歩は楽しいのです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
ポートをくぐると、そこは秘密の花園?!
晩夏の草花のトンネルの向こうに芝生の広場が…。
子供たちも店開き。私もシナモンロール(1個10kr.)を購入。
この日の掘り出し物はジュースプレッサー(Braun社製)!
Torvehallen(マーケット)にて。
お花やさんの店先に色とりどりのダリアが並ぶと秋本番です。