2019年10月~12月
【きょうのクロスステッチ Vol. 502】 by 岡村恭子
VOL.502 北欧の暮らし:屋根裏のニッセが目を覚ましたら
さあ、クリスマスシーズンの始まりです。
søndag den.24 november 2019
きょうのクロスステッチ 連載500回記念に
感想文をお寄せくださった皆様ありがとうございました!
延江さんからファイルが届き、まあ、こんなに沢山の方々から!と、
とても嬉しく思いました。
これからゆっくり拝読、お返事を認めたいと思います。
今日も朝から重たい雲がたれ込めています。
本当に雨の降らない日はないというくらい、毎日雨降りです。
月末が来るのを待たずして、60年ぶりに11月の降雨量記録を塗り替え、
この先も雨は続く見込みで、嬉しくない記録の更新中です。
それでも、クリスマスシーズンは始まっています。
デンマーク語でクリスマスのことを “ JUL ” ユールと言います。
古いバイキング伝説に由来しているそうで、
キリスト生誕を祝うクリスマスが伝来する以前から、
一年中で一番暗い時期を楽しく過ごすお祭りだったそうです。
この国では、サンタクロースだって “ Julemand ” ユールマンと、
まるでスーパーマンの友達のような名前に変身してしまうし、
人々は笑顔で “ God Jule ” ゴー ユール とご挨拶、
今頃から、あちらこちらでユールという言葉が行き交います。
デンマークでは、屋根裏に赤い帽子を被ったいたずら好きな妖精
“ Julenissen ” ユールニッセが住んでいるという言い伝えがあります。
普段は眠っているのに、クリスマスが近づくと目を覚まして、
いたずらを始める。ほら、木枯らしが窓を叩く音も、屋根を打つ雨音も、
実はユールニッセがイタズラしている音…。
子供達はそんな話に耳を傾けながら眠りにつきます。
この国の子供達にはサンタクロースよりもユールニッセの方が
ずっと身近な存在なのかもしれません。
刺繍のクリスマスモチーフでも登場する赤い帽子の妖精達は、
北欧のクリスマスになくてはならないキャラクターなのです。
職場や学校では “ Julefrokost ” ユールフォーコストという名の
クリスマスランチで “ hyggelig ” ヒュックリなひと時を過ごします。
みんなでお菓子づくりに挑戦したり、お料理に腕を振るったり、
仲良しとクリスマスのゲームに興じたり、オーナメントを作って
窓辺に飾ったり…、それぞれ工夫を凝らして美味しく楽しく過ごすのです。
たとえ外は冷たい雨だって、家の中は暖かい笑顔に包まれる…。
そんな、まるで絵本の世界のような光景が見られるのも今頃ならでは。
こうして、クリスマス本番まで、毎日何かしら楽しみをみつけては
たっぷり時間をかけて満喫します。
そんなヒュックリな時期ではありますが、
今週から3週間ほどお休みをさせていただきます。
クリスマス前には戻ってきて、また楽しい話題をお伝えしたいと
思っていますので、どうぞお楽しみに!
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
雨の街角スナップ
どこもかしこも濡れそぼり、
雪景色のcokeの広告も雨に煙って…。
La Glace にて
店内はこってりと甘い香りに包まれて、いるだけで幸せに。
この日はジャムとクッキーを買いました。
ユールニッセがたーくさん!
大鍋にクリスマスのホットドリンク: ユールグルック。
リンゴにナッツにレーズンをたっぷり入れて、ユールフォーコストの準備万端です。