loerdag den. 19 juni 2010

フレメカレンダーの５０年　フレメ協会誌より　（一部省略）

フレメのカレンダーは今年５０周年を迎え、それを記念した特別展が
Rudersdal MuseerのMothsgaardenで開かれています。

カレンダーには、昔からイラストなどが添えられてきました。ヨーロッパ
中世の手描きの記録簿やフランスの女性の生活暦などには美しい装飾が
ありました。1960年にフレメは、それらをヒントにカレンダーを作ることに
しました。1997年のカレンダーを除いて、スパイラルの背表紙なので
日付の部分を切りとった後には図案集として使えるように考えられました。

当時協会長だったGertie Wandelは、カレンダーがたくさんの人に喜ば
れるものになると確信し、その予想通りにとてもポピュラーなものと
なりコレクションする人も多くなりました。

それぞれのカレンダーは、フレメの専属のデザイナーや様々な分野の
デザイナーによってテーマに合わせてデザインされてきました。

最初のデザイナーは1960年「動物」のGerda Bengtssonです。
赤一色でステッチされ、とても好評で増刷されました。

1961年「サンプラー集」では18、19世紀の名もない人々によるデザイン
からAgnete Wuldem-MadsenとIda Wincklerが選別をしてオリジナルの色
を使ったサンプラー集に仕上げました。夏には売り切れてしまったので、
バースデーや記念日を書きこむカレンダーとして増刷されました。
Agnete Wuldem-MadsenとIda Wincklerは、デンマーク各地域の民族衣装を
テーマとした1963年「デンマークの民族衣装」や、北シェラン島に伝わる
椅子やタオルなどの装飾テキスタイルの古いモチーフを赤と青でデザイン
した1965年「サンプラー集」を手掛けています。

Ida Wincklerは工芸学校でデザインや刺繍を学んだ後、1931年からフレメで
働きました。後に古い建物や伝統的なものを多くデザインしています。

1971年「アマーの刺繍」では素晴らしい尾羽のクジャクや人魚、ライオンや
グリフィンなどがデサインされ、面全体を埋める細かいステッチになっています。
オリジナルはロングアームドクロスステッチですが、通常のクロスステッチで
刺すこともできます。

1987年「デンマークの家並み」をデザインした時は、デンマーク中をモチーフを
探して歩き、伝統的な木造の民家やコロニーハウス、農家、北ユトランドの
ミュージアムなどのモダンな建物などをデザインしました。

Gerda Bengtssonは1962年「デンマークの四季」では四季折々の人々の生活の
様子を描きました。2月には懺悔節の子供たちの様子、5月には芽吹いたばかりの
ブナの森とサイクリングする人々、6月にはコンゲンスニュー広場で卒業のお祝い
をする学生、7月はチボリ、9月はキノコ採り、11月は強風に吹かれている人々、
12月はクリスマスの様子です。

刺繍には花のモチーフが欠かせません。フレメでももちろん、そうです。
その代表作品はGerda Bengtssonによるものが多いでしょう。彼女はフィンランドで
織を学び、工芸アカデミー、そしてパリのCluny ミュージアムで学びました。
1941年から1995年までフレメの刺繍のセクションで働きました。

Gerda Bengtssonは水彩画をとても美しく描き、シンプルでかつ写実的な刺繍に
仕上げました。彼女の刺繍デザインは花や植物の種類が詳細に分かります。
モチーフと素材の組み合わせが作り出すハーモニーも考慮していて、とても
軽やかで優雅な印象を与えます。１３のカレンダーのうち１０のカレンダーが、
自生する植物や庭などで育てられる多彩な植物をモチーフにしています。
1964年「花のある窓辺」、1972年、1985年は「バラ」、1975年「ハーブ」、
1977年「薬草」、1979年「染料用植物」、1981年「フルーツ」、1983年「樹木の花」
などです。(その2　2010年9月19日掲載　 T.I）

フレメ協会長
Lise　Lind　Jensen