2010年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 62】 by 岡村恭子
VOL.62 生活をデザインするということ
torsdag den. 9 september2010
コペンハーゲンデザインウィーク [ CODE 10 ]
昨年から始まったデザインウィークです。さすがに北欧デザインのお膝元
とあって、家具を中心に各会場で様々なエグジビションが開催されました。
こういう機会に、普段何気なく使っている「デザイン」という言葉に
改めてスポットライトを当ててみるのも一興かな?と思います。
まずは会場から、エコロジーをテーマにしたコーナーで見かけた面白いものを
ご紹介しましょう。
{写真1}素敵な椅子と思ったら、これは庭仕事の時に使っている
「ネコグルマ」(←正式名称は不明)ではありませんか!
たしかに座ろうと思えば座れますね。
丁度これからの季節、落ち葉掃きの時に我が家でも大活躍の
ネコグルマが、可動式の椅子に変身です。
{写真2}それからこれは?!…洗濯バサミのUSBスティック
{写真3}そして、こちらは大きな紙袋を使用したソファです。
作品の横に小さく「座らないでください」という注意書き
がご愛嬌です。
写真の作品はどれも現実味に欠けるアイデアですが、日常何気なく
使っているモノからの発想という所が、主婦である私の興味をそそりました。
地球の資源を大切に、と言われても漠然としてピンと来ないけれど、
展示されていたネコグルマ達の「 こんな考え方もありだよね!」という
メッセージの発信は、等身大で環境を考えるヒントにもなりそうです。
すっかりエコロジーな気分になって会場を後にした私は
もしかしたら、エコロジカルな暮らしを目指すということは、
無駄の無いシンプルな生活空間をデザインするということに繋がりそうな
気もしてきたのでした。
少し前になりますが、夏の休暇でやって来た友人が帰国間際のお土産探しを
するというので一日お付き合いです。ここがロイヤルコペンハーゲン、
裏通りを通ってここがかの有名なお茶屋さん、少し行った所に
チョコレート屋さん…と、一通り回って、気がついたら両手いっぱいの
お土産になっています。大満足したところでカフェで一休み。
通りを行く人を眺めながら、彼が言いました。
「こんな感じがいいよね。ゆったりしているというか。この国の人たちは
どうして、週末でもないのに昼間から何もせずにのんびりできるんだろう?」
東京と中国を拠点に一年中忙しくしているだけに、のんびりとした北欧の
暮らしぶりが印象深いのだろうと思います。
ゆとりある生活=時間的ゆとり=お金では買えない=自分次第!
というのが彼の結論でした。
限られた生活空間と自分に与えられた時間の中で、
さて、本日の一日をどのようにデザインしましょうか?
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
{写真1}ネコグルマの椅子
{写真2}洗濯バサミの活用法
{写真3}再生紙製の"座ること厳禁"ソファ
会場にはこんなゆったりしたソファも有りました。
ここは座っても大丈夫!