2011年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 96】 by 岡村恭子
VOL.96 コペンハーゲン洪水騒動
torsdag den. 7 juli 2011
暑中お見舞い申し上げます。
ひと月ほど家を留守にしていた間に庭はすっかり夏模様になりました。
葉桜になってしまった桜の木の下で、
「今年はサクランボが大豊作だった」という家人の言葉に、
赤い実が撓わになった様子を想像しながら…
暮れそうで暮れない明るい西の空を見上げて…
つい少し前まであの空の上にいたなんて嘘みたい!
… そう思った途端にコペンハーゲンの日常に戻りました。
ちょっとドラえもんの『どこでもドア』的ワープ感覚というのかしら?
日常に戻った所で、夏の庭の様子をお伝えしようと張り切っていた
矢先に思いも寄らぬ洪水騒動です。
私が帰宅して3日後の土曜日のことでした。
その日は夕方から気温が急上昇し、異常なほど蒸し暑くなりました。
遠くで雷の音も聞こえてきて… どうもおかしな様子です。
台風が来るんじゃないか?と冗談半分で言っているうちに、
大粒の雨が降ってきました。雨足はどんどん早くなり、
屋根を叩き付けるようにして、天井が抜けそうな勢いです。
合間に稲光&落雷…尋常では有りません!その内に水道管から
ゴボゴボ、ゴボゴボ、という嫌な音がしてきました。 雨水が排水口を逆流し
始めたのです。このまま降り続ければ行き場の無い水が溢れてきます!
地下室(170㎡もある)に家人が走ります。私と娘も長靴を履いて
追いかけます。でも、無意味な”水塞き止め作業”を頑張ったのは最初の30分程。
途中で諦めました。
明かり取りの窓(6カ所)からナイアガラの滝状態で大量の水が流れ込んで
来たのです。もうこうなったら雨がやむのを待つしかありません。
結局、2時間に150ミリという記録的な雨量だったそうで、(落雷も5000発!)
たちまちコペンハーゲン中が冠水してしまいました。
我が家は床面積が広かったお陰で20センチほどの浸水で済みましたが、
土地が低かった所などは地下の天井まで浸かったり、またアパートの上階でも
排水溝から水が吹き出したりしたそうです。
しかし、この程度の自然災害で文句など決して言えません。
大掃除の手を休め、気分転換に雨後の庭に出てみました。
ジャガ芋が育っています。ラベンダーが甘く香ります。水分を充分補給して
緑が生き生きとしています。
お日様は有り難い。 でも雨だってとても大切。
自然を受け入れ、寄り添って生きて行く術を学んで行かなければ…と、
あらためて痛感しました。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
今年のサクランボの実った時の様子を娘が撮っておいてくれました。
ラベンダーが甘い香りを放っています。
壁に下げたゼラニウムと白い紫陽花が夏の庭に彩りを添えています。
ジャガ芋です。収穫したらお知らせします。