2011年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 103】 by 岡村恭子
VOL.103 頭上注意!のコペンハーゲン
torsdag den. 25 august 2011
地下鉄工事に歩道の整備、インフラ整備に洪水の後始末。
只今コペンハーゲンの旧市街地は何処もかしこも工事中で凸凹の穴だらです。
穴だらけの割には工事現場で働く人の姿は少なく、夏の観光シーズンだと
いうのに焦る様子も有りません。
工事中で道幅が狭くなった所をバスが通り、その脇を通り抜けようとする
車と自転車で渋滞し、それでなくても狭い道路が更に狭く感じられます。
歩いている時には凸凹をよけて転ばぬように、つまずかないように、と忙しい。
そんな時に人は空を見上げたりなどしません。
つい先日のことでした。
友人と連れ立って散歩がてら美術館に行こうと、Design Museumに
向かっている時のことです。
高級家具屋さんの並ぶ通りのウインドウショッピングを楽しんでいた私達の
正に眼前に突然何か物体が落下してきたのです。
…と同時にガッシャン!とつぶれされたような破壊音。
ビックリしてその場に立ち尽くしました。
初老の紳士が「危ないじゃないか!」と見上げて腕を振り上げ一喝すると、
私達の方に向かって申し訳無さそうに「もう何も大丈夫。」と英語で言い、
( 私達を観光客と思ったのでしょう。)その場を去ってしまいました。
落下物は直径20センチ程の植木鉢でした。
道路には割れた植木鉢と白い花と茶色の土が散乱して、何だか怖い現場を
目撃したような気持ちになってしまいました。あと一歩のところで私達の
頭上に落ちて来たのだと思ったら、たかが植木鉢とは言え良い気持ちはしません。
住人が降りて来て詫びるべきだと思いましたが、アパートを見上げても
どの窓も固く閉まっています。
クワバラクワバラ…これからは上を向いて歩こう!…早々にその場を後にし
たのでした。
家人はとても心配性です。
車の運転が嫌いなのも不可抗力で起こりうる事故を想定して、
くたびれてしまうのだそうです。考え過ぎだと思っていましたが、
今回の植木鉢落下ハプニングで彼の言う事も一理あるな、と思いました。
帰宅早々事の次第を報告すると無事で良かった、と言いながら笑っています。
頭に包帯をぐるぐる巻いた私の姿を想像したら可笑しくなったのでしょう。
笑い話で済んだことに感謝したところで、キッチンのカレンダーに目をやれば
夏のクライマックス8月もあと数日。
芝生に落ち葉が目立つようになりました。北欧の暦は秋へ舵を切ろうとしています。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
今年3月に撮影したストロエの舗装改修工事お知らせパネル。
舗装の完成まではまだまだ時間がかかりそうです。
散歩の際にはくれぐれも頭上注意!怠り無く。
ミステリー。植木鉢落下犯人は窓から見ていた?!
(写真はDesign Museumのインスタレーション。)
芝生には紅葉し始めた桜の葉が…。