2011年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 106】 by 岡村恭子
VOL.106 ボン マルシェ
torsdag den. 15 septembar 2011
ダウンタウンの中心Nørreport 駅にほど近いところに
イスラエル広場という、ちょっとエキゾチックな名前の広場が有ります。
春から秋にかけて毎週土曜日にここで開かれる蚤の市は 観光スポット、
自称 ” 掘り出し物を探す名人”の私もよく足を運びます。そして
その時に必ず立寄るのが広場の脇に軒を連ね青空市場です。
新鮮な果物や野菜に季節の花が無造作に山積みされた風景は如何にも
北欧の下町情緒たっぷりで、通りかかったら手ぶらでは帰れません。
ただ屋外のため冬は寒い、暗い、お店番は辛い、の3拍子です。
そんな中、コペンハーゲンの地域開発の一環としてイスラエル広場が
リニューアルされることになり、この度メインの市場が一新、
インドアマルシェになってグランドオープンしました。
これからは暖かい屋内で一年中美味しい食材が買えるというわけです。
どんな様子かな?興味津々…さっそく出かけてみました。
ガラス張りのパビリオンが2棟、広場を挟むように建っています。
今までの素朴な広場から想像出来ないモダンな姿に大変身です。
お天気に恵まれた週末という事も手伝って大変な人出でした。
一体どこからこんなにたくさんの人が集まったて来たの?と
物見高い我が身をすっかり棚に上げ、建物から溢れる人人人…に
ビックリしながら、あれこれ見て回りました。
簡単な食事を楽しめるカウンターや、地ビールの試飲コーナーもあり、
そういう所に行列ができているところなどは東京のデパートの
物産展に来たようなノリです。
どのお店もお洒落な雰囲気で如何にも美味しそうに演出していますが、
日本のデパートの壮観とも言える食料品売り場を知っている身には感動も薄く、
素朴な青空市場の方が良かったなあ…、と私は早くも懐古的な気分です。
いつでも色とりどりの野菜や果物が山盛りの市場では
たった一つのリンゴでも笑顔で景気よく紙袋に入れてくれます。
気のせいかそんなお店で買ったものはスーパーマーケットで求めたのとは
ひと味もふた味も違い、とても美味しく感じられるのです。
やっぱりあの雰囲気は捨てがたい魅力です。青空市場を愛していた地元の
人達も私と同じように思っているのではないかしら?
そんなことを思いながら人込みをかき分けるようにガラスの建物から出て、
裏の公園沿いに並ぶ蚤の市を散策することにしました。
マーケットのにぎわいが嘘のように静かでのんびりとしています。
どれどれ、掘り出し物は有るかしら?…
石畳に枯れ葉が舞い始めています。この蚤の市ももうすぐシーズンオフ、
これから少しずつ室内で過ごす時間が長くなってゆきます。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
オーガニックな食材が目を引きます。
魚屋さんが2軒迎え合わせで店開き。賑やかに競り合っていました。
疲れたので一休み。ちょっぴりスペインのタパ気分です。