2011年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 107】 by 岡村恭子
VOL.107 秋のコペンハーゲンは自転車で
torsdag den. 22 septembar 2011
日中の気温が15℃、デンマークは 一足先に本格的な秋を迎えています。
木漏れ日に紅葉した葉が舞う、そんな秋たけなわの先週木曜日、
総選挙の投票が行われ、中道左派の党首Helle Schmidt女史が首相に就任、
デンマーク初の女性首相の誕生となりました。男女平等先進国なのに今迄女性の
首相が出なかったのは意外な気がします。女性国会議員が40%を占めていると
聞けば尚更、ようやく…という印象です。今回の選挙で選ばれた議員の平均年齢は
44、3才、最年少は何と20才です。若い!
選挙の際の運動資金は一律で配分され、予算内で活動しなければならないので、
候補者のプラカードを作った残りで風船を配るくらいしか出来ないのですが、
考えてみるとそれで充分ですね。
政治家だからといって特別扱いは無く、自転車で国会に出勤する議員も
珍しく有りません。国会議員は国民の意見をまとめ、実行して行く担当者という
感じでしょうか。政治が身近なので自分の投じた一票の意味を実感できる。
有権者にとって『選挙も愉し!』なのでしょう。選挙の度に政治が身近で本当に
羨ましいなあ、と思います。
大盛り上がりの選挙戦がようやく終わってホッとしたところで、
さて今度はコペンハーゲンで国際自転車ロードレース開催だそうです。
今の所、選挙戦のような盛り上がりは見えないものの、主催者側は
気分”ツールドフランス”です。 とにもかくにも交通規制というわけで、
一般車両は旧市街地を通り抜けるのに一苦労。路面バスもコースが変更になったり、
今週いっぱいは不自由を強いられそうです。
週末の市庁舎前広場はレース観戦の人で賑わいそうですが、
レースの他にも自転車に関するイベントが開かれる、というので調べたら、
自転車部品の蚤の市や自転車リペア教室など、いかにもデンマークらしい
微笑ましい内容です。私にはレースよりもそちらの方が楽しそうなので
お天気がよかったら出かけてみようかな?と思っています。
2年前のCOP15世界環境サミットの主催国になって以来、
国政としてもこれ迄以上に自転車社会を推進中で、自転車専用道路、
駐輪所などのインフラ整備はもちろん、レンタサイクルシステムも充実しています。
大きな荷物を運ぶ時には荷台付きの自転車を借りれるし、観光に訪れた人々も
シティーバイクを気軽に利用出来るよう工夫されています。
目指すは”車社会”ならぬ”自転車社会”。一国の大臣が自転車で風を切って
国会議事堂に出勤するデンマークならではの環境対策ですね。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com/
近所の公園は秋たけなわです。
桃色、赤、黄…直径2センチほどの可愛らしい木の実が鈴なりです。
街路樹にも橙色の実が撓わになっています。