2011年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 108】 by 岡村恭子
VOL.108 ポカポカ陽気!
torsdag den. 29 septembar 2011
毎年今頃になると暖房を入れようかどうしようか?と悩みます。
スイッチを入れれば簡単に地域暖房が起動して、家中がポカポカに
なるのですから悩む事はないのですが、そうした途端に冬が身近に迫り来る
ような、そんな気がしてしまう。それに我が家もこれからは
出来る限り省エネを実践してゆこうと決めたのですから、少々寒くても
じっとせずに運動して、それから、えーっと…そうだ、暖炉を活用しよう!
というわけで、朝晩冷え込むようになったある日、今シーズン初の暖炉を
焚きました。
我が家には2つも暖炉が有ります。
両方とも家の隅っこにあるので目立たず、普段はすっかり忘れていますから、
いざ、久しぶりの暖炉だというだけで何だか忙しい。
まず地下で乾燥させている薪を暖炉まで運んで来なくてはなりません。
階段を往ったり来たりしているだけで一汗かき、省エネ実践の第一歩としては
なかなか良いスタートです。
薪の材料はすべて庭木です。良く乾燥したものから順に使って行きます。
ここでも環境問題クリアです。
室内全体がゆっくりと暖められて、火の側にいるだけでヌクヌク、心身ともに
ほぐれて行きます。家族が火の周りに集い薪の爆ぜる音を聞きながらのんびりと
ひとときを過ごすのも良いものです。
こんなに良い事ずくめの暖炉にも実は欠点があります。火を落とすタイミングと
空気孔を閉めるタイミングが難しいのです。
当然のことながら薪は火が無いと燃えないし、火は酸素が無いと燃えないので
暖炉を焚く時は煙突への空気孔を開きます。そして薪が燃え尽きそうになった
頃を見計らって閉じなければなりません。さもないとせっかく暖まった空気が
逃げてしまいます。簡単なようですがこれが難しい。
薪をくべるタイミングを間違えるといつまでも赤々と燃えて、まるで夜中に
ぐずる赤ちゃんのようです。
熾き火になって静かに灰になる頃まで暖炉の側から離れられなくなってしまう。
映画なら主人がロッキングチェアで寛ぐ側で火の番をする執事がいますが、
さしずめ我が家では私がその執事役という感じです。
結局、その翌日には地域暖房のスイッチを入れてしまったのですが、
するとどうでしょう?その途端にまるで初夏のようポカポカ陽気になったのです。
もうすぐ10月になるというのに日中の気温が20℃近くに跳ね上がりました。
寒かった暑かったりと、このところお天気に振り回されていますが、
こんな良いお天気なら大歓迎です。
私は暖炉どころか地域暖房のスイッチを再び切り、窓を開け放ちました。
週末は今年最後の日光浴日和になりそうです。
岡村 恭子
http://copensmile.exblog.jp/
暖炉の右上のツマミが空気孔です。
リンゴも赤く色づいて、庭は秋の色に染まり始めました。