2012年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 123】 by 岡村恭子
VOL.123 寒の戻りのコペンハーゲン
torsdag den. 26 januar 2012
真新しいカレンダーの一枚目も、瞬く間に最後の週末になりました。
冬至の頃に比べると日照時間が一時間以上も長くなり、キッチンに
差し込む朝の陽光も明るく感じられるようになりました。
お天気の良い日には小鳥達のさえずりも聞こえ始めています。
春を待ちこがれる気持ちがふつふつとわき上がって来て、
ほんの小さな兆しにも心ときめきます。
実際にはまだまだ遠い春…なのに、気持ちだけはひと足早く
明るい季節を迎える準備に入ろうとしています。
そんな矢先の今頃になって、あらら…気温が急降下。
一気に日中でも氷点下の真冬日となってしまいました。
いつもなら寒い寒いと文句を言う所ですが、クリスマス前から続いていた
異常暖冬から、ようやく本来の ” 北欧らしい冬 “ に戻ったわけですから、
そう思えば、外に出た途端に凍り付いてしまいそうな冷たい大気も、
身が引き締まるようでかえって気持ち良く感じられます。
庭もフローズンです。芝生を踏むとパリパリ音を立てます。植物達も
突然の寒波に面食らっているだろうなあ…でも、この時期に害虫の卵が
自然駆除されるのですから、厳しい寒さをサバイバルする事は必要不可欠、
草木が元気に育つ為にも大いに意味が有るのです。
以前にも書きましたが、北欧に暮らしていると四季の移り変わりを
気温よりも日照時間で感じます。どんなに寒くてもこれから明るい季節に
向かって行くのだと思っただけで元気になれるのです。
寒波襲来の直前の先週末は街角のお花屋さんも少し早い春を求める人で
賑わいを見せ始めていました。今なら早咲きのチューリップです。
堆く盛り上げられた色とりどりのチューリップはヨーロッパの早春を彩るのに
相応しい花の代表格といえそうです。そう言えば、私は日本から来た友人に
観光スポットを聞かれる度に、『街角のお花屋さん』と答えています。
大抵の広場にはカフェとお花屋さんが有りますから、ショッピングの合間に
カフェで一休みしながら、季節の花で彩られた店先を眺めているだけでも
楽しく見飽きません。
昨日は我が家にもそんな街のお花屋さんから早春のブーケがやってきました。
薔薇やガーベラでおめかしのちょっぴり豪華なブーケと、紅白のかわいい
チューリップの花束です。
記念日には花を贈る、というデンマークの麗しい生活習慣が我が家でもすっかり
定着しました。家族の間でも気軽に花束をプレゼントし合う。
とても喜ばしい事だと思っています。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
http://copensmile.exblog.jp/
街角のお花屋さんです。
氷点下の真冬日にはテントを張ってストーブ焚いてお店番です。
結婚記念日に娘が紅白のチューリップのブーケをプレゼントしてくれました。