2012年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 127】 by 岡村恭子
VOL.127 家庭の味 B級グルメ
torsdag den. 23 februar 2012
ストックホルムから友達が遊びに来てくれました。数年ぶりの再会です。
彼女は本業の傍ら、アートやデザインを軸にして世界を結びつける
NPO活動をしています。アフリカの民芸をクローズアップして北欧の
ガラス作家とのコラボレーションを企画したりしています。
彼女が現地アフリカの状況を熱く語るのを聞いていると、何もせずに居る
我が身がなんだか恥ずかしくなります。せめて、彼女が我が家に来た時には
美味しいご飯を食べてもらいましょう。何が良いかなあ?…
いつになく思案しました。と言うのも、今回はお友達と一緒で、おまけに
我が家に来る前日は某有名レストランで食事をすると聞いていたのです。
予約してから2年待ちという” 超 “ がつく人気高級レストランです。
決してグルメではなく好奇心!…そういう所もいかにも彼女らしいの
ですが、さて、そのような一流レストランで食事をした翌日の我が家です。
そのギャップは如何に?
お料理対決番組ならミッシェランレストランVS家庭料理という所です。
結局、その日私が腕によりをかけて用意したのは…とても普通の
でも、真心だけはたーくさん込めて丸めたコロッケ。他にニシンのマリネや
麻婆豆腐などなど、いつもと変わらぬ我が家風お惣菜を料理しながら、
つくづく日本の家庭料理は和洋中折衷のフュージョンスタイル、
応用が利いていると感心します。それに比べると、デンマーク料理は
工夫が足りないね、などと独り言です。
市販されているカレールーやインスタントラーメンの例を挙げるまでもなく、
日本人の味覚と工夫で世界中の食材が進化し続けて来たのですから、
そういう意味では世界に誇る総グルメ国民だと思います。
さて、その夜は揚げたてのコロッケに歓声が上がり、賑やかに食べ且つ飲み、
テーブルを囲んで夜の更けるまでおしゃべりに花が咲きました。
普段忙しくしている彼女達が久しぶりの家庭料理に喜んでくれて本当に良かった!
熱々の揚げたてコロッケ、大正解だったようです。
何も贅沢な材料を使わなくても美味しいご馳走はいくらでも作れます。
例えば、小腹が空いて「ちょっと何か食べたいな」という時、我が家では
「B級グルメ メニュー」が登場します。
家人の得意なのはお好み焼きにソースや焼きそば、デンマークの分厚い葉の
キャベツを丁寧に切って作ります。焼きそばにはスパゲッティーを代用、
我が家では冷やし中華もスパゲティーで作ります。
“ 冷製パスタ シノワーズ “ …なんてね。見方を変えればなかなかお洒落でしょう?
無理せず、身の丈に合った食材の中から “ 美味しい!” を発見するのも
毎日の暮らしの楽しみ方だと思います。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
http://copensmile.exblog.jp/
我が家風醤油ハンバーガー。ビーフ100%のひき肉を丸めて叩いて塩胡椒。
バターたっぷりで炒めたオニオンと一緒に勢い良く焼いて仕上げにお醤油を
ジュウッ!で完成。
デンマーク名物のホットドック。B級グルメの代表選手です。
Vol.68で紹介したビクスマッド。これも小腹が空いた時に便利な簡単メニューのひとつです。