2012年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 144】 by 岡村恭子
VOL.144 夏至 : 明るい季節礼賛。
torsdag den. 21 juni 2012
6月21日は夏至、北欧は今まさに明るい季節のピークを迎えています。
明るいというだけで、どうしてこんなに嬉しいのでしょう?
夕食後、ベンチでお茶を飲みながら庭で過ごすひと時は格別です。
昨日まで蕾だった芍薬が花びらをゆったりと広げ始めました。
畑のジャガ芋の葉も大きく丈夫に育って収穫間近を知らせています。
春先に短く切り揃えたラベンダーも沢山蕾を付けました。
そして、何よりも楽しみなのがサクランボです。
今年は花が終わった後もお天気が続いたので実の付き具合も良いようです。
収穫までもう少しの辛抱です。ところが、毎年この時期になると早朝から
沢山の鳥達がサクランボをついばみにやって来るのが悩みの種なのです。
とにかく、みんなお行儀が悪い!くちばしで突き、小枝を揺すり、へし折り、
少し齧っては芝生の上に遠慮なく落として行きます。掃いているそばから
食べかけた実を落されては、まるでバカにされているようです。
もう少しお行儀良く食べなさい!と、 頭上に向かって言っても効果無し。
夕食後のお茶もそこそこに彼等の食べ散らかしの掃除を始めてしまいました。
それにしても明るいこと! PM 9:00。お日様はまだ西の空で笑っています。
夜の庭掃除が出来るのも夏至のお陰と感謝しましょう。
赤く熟したサクランボを収穫するまであと少し、どうか “ ギャング “ 達に
全部食べられてしまいませんように…。
23日の夏至祭では海岸や公園で大きな焚き火を囲み、魔女に見立てた人形を
焼き払って明るい季節を喜びます。
デンマークは完全に白夜にはなりませんが、それでも日の出から日没まで
18時間。日没後も反射で夜空がいつまでも青く明るいのです。
そして、数時間後には東から朝日が昇って来ますから、例えパーティーなどで
遅く帰っても『いつも昼間!』状態です。(冬至はその間逆になってしまいます。)
丁度一ヶ月前には日本でも金環日食の観測で盛り上がったと聞きました。
太陽の周りを地球が回り、その地球の周りを常にお月さまがクルクル
回っている…。この果てしない 宇宙で、何千億年仲良くして来たのだと思うと、
太陽も月も掛替えのない家族の様に思えてきますね。
そんな夏至も間近に控えた先週末、ステッチハウスのお二人と、そして
丁度北欧にいらしていたK.K.さんをお招きして楽しいひと時を過ごしました。
東京でのワークショップ&展示会の様子をお聞きしながらアルバムを拝見!
素晴らしい作品群、みなさまの笑顔…、楽しく盛り上がった様子が手に
取るようでした。ステッチハウスを中心に北欧刺繍の世界が更に広がりを
見せてくれそうな予感がしています。瞬く間に時間は過ぎて夜も更けて、
北欧の夏の風景の中にとけ込む3人の後ろ姿をお見送りしながら、
そのまま刺繍に出来たら素敵だな、と思いました。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
http://copensmile.exblog.jp/
鳥達に全部食べられてしまいません様に…。
開き始めた芍薬、花が重たいので支えるのが大変です。
花壇には夏の草花が咲き、植え込みも緑がいっそう濃くなってきました。