2012年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 142】 by 岡村恭子
VOL.142 風車の回るエコタウン:コペンハーゲン
torsdag den. 7 juni 2012
雑誌の省エネについての記事で、ドイツ在住の日本人ジャーナリストが
ドイツの電気代は高い。ドイツ以上に高い国はデンマークくらいだろう、と
書いているのを読んで、” なーるほど… “ と妙に納得しました。
確かに電気、ガス、水道、そして地域暖房といった料金にも間接税が25%
かかりますから実際の使用料金より随分割り増しな感じだし、所得税は
平均で45%ですから、一見税金の為に働いているような感じです。
でも、行き届いた福祉が可能なのも納税のおかげ。
豊かな暮らしを維持する為の必要経費だという基本理念が国民に浸透しています。
エネルギー問題に関しても 決して原子力発電に頼ろうとせず 、
長年にわたり自然再生エネルギーの開発と活用を推進してきました。
中でも、世界に先駆けて開発した風力発電に関しては自信満々!です。
2009年、コペンハーゲン市は風力発電によるクリーンエネルギー主都を
宣言し、現在その計画が着々と進行中です。
2025年までに新たに120基のウィンドタービンがコペンハーゲンの
海岸線、工業団地地域、海上に設置される予定です。
既に基本的な調査は終了し、この夏からいよいよ具体的なプロジェクトが
動き出します。まず手始めに2013年までに新たに13基を設置する予定で、
設定場所も決定、自然再生エネルギーのシンボルとして環境を考慮した、
美しい景観が生まれるとアピールしています。
そんな中、電力会社から届いたリーフレットのキャッチコピーに目が止まりました。
ナニナニ…『市民のウィンドタービン : その権利を買おう』!?。
どういう事かというと、要するにプロジェクトで建設される120基のウィンド
タービンの一口 株主を募集します、ということのようです。
莫大な費用の調達を市民に訴えているような感じも否めませんが、
120基のウィンドタービンの共同保有者になった気分が味わえそうで、
ちょっと面白そうですね。
ウィンドタービン6基で約15、000件の住宅の電力を賄えるそうです。
120基が完成すれば300,000件分の電力供給が可能になります。
最大のネックは広大な用地が必要だということですが、その点でも
平坦で海岸線の多いコペンハーゲンには打ってつけと言えます。
北海とバルト海は常に強風が吹いているけれど、その割に台風の通過率は低い。
正に風力発電に打ってつけの環境と言えそうです。
膨大な開発費が電力料金に跳ね返って来そうですが、環境を守る為にはそれも
致し方ない。主婦としましては電気を上手に使用&賢く節電!を目指します。
自然再生エネルギーはその土地の風土や条件に合ったものを利用するのが
理想的だと思います。デンマークは風力ですが、火山や温泉の多い日本列島は
地熱発電や熱湯発電で世界をリード出来る、と思うのは考えが甘いでしょうか?
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
http://copensmile.exblog.jp/
庭のルピナスを切り花にして…。
こぼれ種から増え続けた西洋オダマキが今を盛りに咲き乱れています。
海岸線に並ぶウィンドタービン。コペンハーゲンでは見慣れた風景です。
これが『貴方も一口株主になりませんか?』と言う内容のリーフレット。