2009年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol.5】 by 岡村恭子
VOL.5 6月は右肩上がり
経済のお話ではないのです。今頃のデンマーク…いや、多分
北欧の人々の気分のお話しです。
梅雨の無い北欧は夏至に向かう今頃が一年中で一番明るく、
生き生きとした季節です。日増しに気温も上昇し、日照時間が
長くなって行くのがわかります。昨日より今日、今日より明日…
まだまだ明るくなってゆく!と思っただけで気分は“右肩上がり”です。
どうしても口元が笑ってしまう。
無理も無いのです。いくら地球の温暖化が進み、暖冬になったと言っても、
地軸が変動しない限り日照時間は永遠と不変です。
だから、秋から冬にかけてはとても暗い。その暗くて長いトンネルを
ようやく抜けて出たという開放感が、人々をこんなに明るくするのでしょう。
まさにそんな週末に、私は窓枠のペンキ塗りを始めてしまいました。
何もこのような素晴らしいお天気の週末に働く事は無い。
大人しく日光浴をすれば良いものを…と言う家人の声を無視し、
そればかりか、そう言っていた人までも引き込んでペンキ塗り開始です。
しかし、いざ始めると大好きな“ペンキを塗る”前の下仕事があります。
ペーパーでこすり、剥がし、ホコリを掃き、汚れを拭かなければなりません。
そうこうしている内に空腹になり、キッチンでサンドイッチを作ったりしていると、
またたく間に時間が過ぎて行きます。
おまけにカリカリに乾いた太陽を浴びながら、作業をしていたら、急に
カーテンも片っ端から洗いたくなりました。
そんなわけで、気温25℃快晴の一日、私はひとりテンテコマイです。
こんな酔狂な人はデンマーク中でも私だけだろうと思って、
ふと見上げたら、なんとご近所にもう一人仲間がいました。それも
屋根のテッペンに!この暑いのに煙突のペンキ塗りとは
私より100倍上手だと、見物して肝心の作業は更に滞り気味です。
それでも、夕食後、残りのひと仕事を再開して、ようやく窓枠が
きれいになり、洗いたてのカーテンをかけて、作業終了pm 9:30。
日照時間が長いということはなんと素敵なことでしょう。
岡村 恭子
http://www.copenhagensmile.com
足場は大丈夫なのだろうか?野次馬はハラハラ見物。
完成した煙突はきれいなテラコッタ色になりました。
庭ではハチも忙しそうでした。(ルピナスの花)
チャイブの花が咲きました。ボンボリのようです。