2009年6月
フレメ会報誌より
手元にあるフレメの会報誌のバックナンバーより
記事の一部を紹介します。
「手仕事から学ぶのはテクニックなどだけでなく、勤勉さ、丁寧さ、
正確さ、根気強さ、つましさ、秩序、上手に仕上げた時に感じる喜び、
そして自分の仕事に対する意欲である。」
1889年、Emilie Westによるデンマークで初めての
「手仕事の教科書」に書かれていた言葉だそうです。
芸を磨くことが精神性の向上につながる・・・
日本の「芸道」のような感じですね。
直接的にはドイツから伝わったそのメソッドの背景には
スイスの教育者ペスタロッチの理念があったそうです。
産業革命で貨幣経済が発達し、農村社会の貧困から家庭の崩壊が
起こっていた時代にペスタロッチは家庭教育の大切さを説き、
言葉で学ぶ知識だけでなく、手仕事・労働などを通じてなされる
人格形成も教育の一部であるとしました。
Emilie Westは、その理念を学校教育に生かすために
手仕事の教育を体系化し、それは後の時代にも基礎として
受け継がれていったそうです。(T.I)
文化としての手工芸活動の奨励を目的とした協会は、
現在も年に3回会報誌を発行しています。
同誌より
クロスステッチやドロンワークなど色々なステッチをした布を、
学年が終わる時などに最終的につなげたもの(国立博物館収蔵)