2013年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 186】 by 岡村恭子
VOL.186 日本の伝統文化に学んだデニッシュデザイン
torsdag den. 25 april 2013
PCの中に保存されている桜の写真を見ると、去年は4月24日に
既に5分咲きという感じです。それに引き換え今年は未だに小さな蕾状態。
それだけ冬の寒さが厳しかったということかな?
そう言えば毎日「さむい!」とぼやいていたような気もしますが、
暖かくなった途端にそんな事はすっかり忘れて、カラリと晴れた午後などは
「夏みたい!」とはしゃいでいるのですから、喉元過ぎれば何とやら…です。
花壇のチューリップがようやく咲き始めました。どの花もきれいだけれど、
やっぱり桜の開花が一番の楽しみです。
日本のような特別な『お花見』は無いものの、デンマークの人も季節の花を
身近に感じる暮らしが大好きです。日本とデンマークは距離こそ遠いけれど
自然を愛する穏やかな国民性や、人に親切なところ、素朴で飾らないところなど、
似ている部分がたくさん有るような気がします。
家具や食器など暮らしの中のデザインにも共通の美意識を感じる事が
度々有りますし、シンプルで機能的なデニッシュデザインのファンは
日本にたくさんいます。ところが、 その憧れの “ デニッシュデザイン “ の
多くが、実は日本文化の影響から生まれたというのは余り知られていないようです。
それも昨日今日に始まった話ではなく、かれこれ150年前からというから
半端ではありません。日本の木造建築、陶芸、着物に代表されるテキスタイル、
竹細工などの手工芸品に至るまで、日本の伝統工芸の世界が遠い北欧の、
それもデンマークという小さな国の人々の心に共鳴し、影響を与えてきたと思うと、
あらためて感動します。
この度、デンマークのアートとデザインが如何に日本文化の影響を受けて
来たかを学術的な観点から検証した本が出版されました。
その立派な本に娘、彩が企画プロデュースしたラグ “ SÆSON “ も選ばれて
写真が掲載さているのです。デンマークを代表するテキスタイルデザイナー
Krestine Kjærholmさんの作品のひとつとして取り上げられたのですが、
日本とデンマークを繋いで行こうと始めたayanomimi社の記念すべき最初の
オリジナル作品が、このような本に採用されたことは、とても意味のある事だと
思います。これからも大好きな二つの国を結ぶ仕事をして行くようにと願っています。
http://www.ayanomimi.com/
http://www.ayanomimi.blogspot.dk/
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
今年最初の芝刈りをしました。画面上の方で山になっているのが見えますか?
庭先も少しずつ彩りが賑やかになって来ました。
24㎝×27㎝のハードカバー。どっしりとした一冊です。
向かって左のラグがSÆSONです。