2015年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 276】 by 岡村恭子
VOL.276 Fastelavn : みんなで冬を追い出そう!
torsdag den. 12 februar 2015
ここ数日気温が上がり雪解けの黒い土から黄色いエランティス、
真っ白いスノウボールに混ざって、クロッカスやムスカリの葉っぱ達が
元気に背伸びを始めました。
冬の間ジッと冷たい土中で芽吹き時を待っていた植物達の忍耐強さ、
太陽の恩恵を受けようと陽射しに向かって成長してゆく逞しさに
エライね!と思わず声をかけてあげたくなります。
少しずつグラデーションで移り行く日本の四季とは異なり、
北欧の季節は極端で明暗くっきり、急速に暗くなって行く秋から冬とは
正反対にこれからはグングン!という感じで明るくなってゆきます。
何年経ってもこのコントラストに一喜一憂、もちろん今は喜びの毎日です。
ステッチハウスのページも春の装いですね。
愛らしいヒヨコを始めイースターのモチーフを見ているだけで明るい
気分になります。お菓子屋さんにも卵形のチョコレートなどイースター限定
のお菓子が並びはじめました。でもね、今年のイースターは4月の第一週目、
まだもう少し先なのです。(3月21日以降の満月の日の次の日曜日前後
なので毎年日にちが異なるのです。)
明るくなったといってもまだ2月、暖かくなったといっても3℃4℃…、
まだまだ寒い!今週は学校が冬休み。そして今度の日曜日は子供達が楽しみに
しているFastelavn : ファストラゥンです。
イースターがキリストの復活を祝うホリデーならファストゥラウンは懺悔の日
というのが起源らしいのですが、そこに北欧の伝統行事が混ざり合って
今では冬を追い出すお祭りです。昔は樽の中に押し込んだ猫を樽を叩き割って
追い出したそうですが、今は猫の代わりに割った樽からお菓子がこぼれ落ちると
いう仕掛けです。この日、子供達は仮装して一日楽しく過ごします。
歌を歌い家々を回り、お小遣いやお菓子を集めます。アメリカのハロウィーンに
似ていますが、ハロウィーンのように人を怖がらせたりせず、
素朴で可愛らしい所が子供らしくて好ましいのです。
カナ猫の姿が見えなくなってから一年が過ぎました。
今でも庭を眺めている時などに、ふと彼女の姿が見えるような気がして
一瞬視線がその辺りを彷徨ったりします。
ファストゥラウンだし、早春の庭で寛ぐカナ猫を思い出しながら
猫型クッキーを焼きました。今回はミューズリーを混ぜ込んでみたので
焼き上がりは「まだら猫」になってしまいました。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
フェストゥラウンで樽を割りに興じる子供達。(2013年より。今年はどんなかな?)
ネコ型クッキーです。楊枝で目を入れると表情も豊かに。
焼き上がっらリボンでおめかしです。お菓子作りはプロセスも楽しい!