2015年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 279】 by 岡村恭子
VOL.279 春の観光 ラウンドタワー
torsdag den. 5 marts 2015
例えばパリにエッフェル塔、ニューヨークにエンパイアステートビル、
そして東京にはスカイツリーが有る様ように、コペンハーゲンにだって
市街地を見下ろせるタワーが有ります。レンガで出来た筒型の塔は、
その名もラウンドタワー。コペンハーゲンの観光スポットです。でも…
スカイツリーの展望デッキは地上350mと天空の感があるのに比べ、
方やラウンドタワーはたったの35m弱、丁度10分の1の高さ(低さ)
しかありません。これで、街を見渡せるのか?と思うかも知れないけれど、
大丈夫。コペンハーゲンの旧市街地は保存地区なので高層ビルは皆無です。
ラウンドタワーは1600年代に時の王様クリスチャン4世が建てた
ヨーロッパで最も古い天文台のひとつ。丁度同じ頃に天体望遠鏡も
登場したというから、新しもの好きな王様の間で天体観測ブームだった
かもしれませんね。他にも国会議事堂や毎年今頃になると延江さんが楽しみに
している “ クロッカスの庭“ のローゼンボー城なども、クリスチャン4世の
時代に建てられた、まさに繁栄の時代を築いた名君主の誉れ高い王様なのです。
さあ、そんなマメ知識を得た所で、観光客に紛れて私達も登ってみましょう。
もちろん?!エレベーターなど有りません。展望デッキまで徒歩です。
円筒形に沿った緩やかな螺旋スロープが上へ上へと続いています。
白く塗られたレンガ壁にくりぬかれた窓から外光が差し込み、カーブを描いた
天井を明るく照らします。それがとてもきれいです。
王様は馬車を仕立てて、このスロープを一気に駆け登ったそうですが、
現在はかけっこをしながら登る子供達の歓声が響く中をテクテク…。
途中にガラス張りのドアが現れます。 かつて図書館だったスペースが広々とした
展示会場になっています。一年を通して様々な展示会が開催されているので
運が良いと美術鑑賞の気分を味わえるのもラウンドタワーの魅力です。
スロープの後に続く螺旋階段を登り切れば、ようやく展望デッキ到着です。
展望台からはコペンハーゲン市が一望、 天気がよければ赤煉瓦の屋根の
連なる向こうにニューハウンの先の運河まで見渡せます。
眼下には沢山の人が行き交うショッピングストリート。買い物に疲れた時などに
街の景色を眺めながら休憩…というのも良いけれど、その前にスロープと階段が
あると思うとちょっと…ですね。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
ラウンドタワー全景。
市街地が一望できる展望台。これからの季節は連日沢山の観光客で賑わいます。