2015年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 292】 by 岡村恭子
VOL.292 総選挙と新キャベツのお話
torsdag den. 4 juni 2015
6月になったら暑くなる!という天気予報でしたが今の所パッとしません。
どうしてこうも当たらないのだろう?と思うけれど、
週末には20℃以上の夏日になるという予報を「今度こそ!」と信じましょう。
ところで、デンマークは総選挙を間近に控えて選挙戦まっただ中、
テレビ討論会では連日各党の代表が夫々の政見を語り、お互いを牽制し合い、
丁々発止のやり取りが繰り広げられています。
人口560万人の小さな国ということもあって普段から政治に対する関心も高く、
選挙は国民みんなの一大イベントという感じで盛り上がります。
今、日本で是非が問われている18才からの選挙権問題も、ここデンマークでは
1978年に国民投票で18才選挙権取得と制定されて既に37年、
中学生くらいから政治に対しての興味と感心も高まり選挙権を得る頃には
いっぱしの考えを持てるようになるようです。
そんな姿を見ていると、やっぱりまずは子供の頃から自分の考えをしっかりと
育める環境を整える事が肝心だと思うのですが、如何でしょうか?
デンマークの選挙は立候補者の選挙費用も一律平等。
プラカードと風船やビラ作成、あとはボランティアの応援、以上!
お金をかけずに楽しく選挙戦を戦う。デニッシュデモクラシーの精神は
クリーンでオープン。風通しの良い政治は端で見ていても気持ちが良いです。
選挙から話が飛びますが、主婦にとっては毎日の献立を考えるのも
政治に関心を持つのと同じくらいに大切です。
近所で入手出来る材料で工夫することをモットーに30数年。
プックリ太ったジャンボ茄子も水分たっぷりの大きなキュウリもお料理次第で
七変化、重宝しています。最近は続々と新種が登場して北欧の人々の食生活も
30年前とは比べようも無いくらい本当に豊かになりました。
そんな中で、只今私が『キャベツ革命』と喜んでいるのがサラダ用キャベツの登場です。
デンマークでキャベツと言えば分厚い葉の煮込み用と相場が決まっていて、
そのまま食べると歯が立たない。毎年初夏の一瞬だけ出回る春キャベツを
それはそれは首を長くして待っていました。その証拠に? 去年も新キャベツを
楽しみしている心境を綴っています。( バックナンバーをお読み下さい。)
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1050.html
でもね、もうその必要がなくなったのです。
先っぽが尖った、その名もSpidskal =尖がりキャベツ。見た目は少し違うけれど、
味は日本のキャベツと全く同じです。千切りにして豚カツに添えれば立派な
豚カツ定食の完成。これはステキな主婦の大発見!と大いに気を良くしていたら、
娘から このキャベツを使ったコールスローがカフェで流行っていると聞き、
なーんだ、みんなも知っていたのね…当然そうだろうと分かっていてもちょっぴり
先を越されたようで悔しいような…で、苦笑い。
八百屋さんで野菜の発見はまだまだ続きそうです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
プックリ太ったジャンボ茄子、大きなキュウリ、尖りキャベツに3色ピーマン
八百屋さんの店先に並んだ緑と黄色のズッキーニ。
オリーブオイルで焼いて粗塩パラッとしたら美味しいタパ一品の完成。
今日の庭から。
西洋オダマキ、ルピナスが次々と咲き始めています。