2015年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 283】 by 岡村恭子
VOL.283 4月になりました。
torsdag den. 2 april 2015
早い早い!時の経つのが早すぎます。
つい先日架け替えたばかりと思っていた今年のカレンダーも既に
4ページ目になりました。そして、皆さまお待ちかねのオープンステッチ
ハウスまであと3週間です!今回のワークショップもとても楽しそう。
参加したいけれど時間が無くて…という方も是非この機会にステッチハウスの
店長さん=延江さんとおしゃべりをしにお出かけ下さい。
きっと楽しくて仲良しになってしまうに違いありません。
今年も沢山の方が集いステッチ仲間の輪が広がりますようにと願っています。
そうそう、イベントが開催される品川駅周辺には美味しいパン屋さんが
沢山あるということを最近知りました。駅改札内のフードコートだけでも
4、5軒。ステーションビルにはN.Y.スタイルのシティーベーカリーも
あります。刺繍三昧で楽しんだイベントの帰り道、お留守番の家族に
美味しいパンのお土産を買って帰る、というアイデアは如何でしょうか?
さて、こちらデンマークは只今イースターホリデー真っ最中です。
夏時間スタートとあいまって虫も騒ぎだす季節到来!と言いたいのですが、
この所お天気がパッとしません。気温も低く今だに襟巻き手袋の防寒スタイル。
外出時には傘も必携です。せっかくの大型連休にちょっとガッカリですが、
でも、デンマークの人は少々の悪天候ぐらいではめげません。
自分なりの楽しみ方を心得ている様子です。サマーハウスのメンテナンスを
始める人、春スキーに出かける人、里帰りする人、コペンハーゲン観光に
やって来る人…冬ごもりから解放されてとにかく外に出たい!
そういう気分満載で思い思いの連休を楽しみます。…と書いている今も
外は冷たい雨と風です。
こんなお天気では我が家の “ イースター恒例ガーデンメンテナンス “ ができない、
とこぼしていたら、ニュースで悪天候の中オートキャンプ場がシーズンオープンし、
喜んでいる老夫婦が映し出されました。横殴りのミゾレの中、二人仲良く設置し
終えたばかりのビニールハウス(…というのでしょうか?)で珈琲を入れて寛ぎ、
満足そうです。
そんな二人を見ていて「相応しい服装をしていれば悪いお天気など存在しない」
という北欧人の格言を思い出しました。
たしかに!
私も “ 雨にも負けず、風にも負けず!” の防寒防水スタイルで庭仕事始めようかな?
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
庭のレンギョウの枝を水に差したら一晩で蕾が開きました。
枝に卵を飾ったらとてもイースターらしくしなりました。
庭の草花達は少しの寒さなんかに負けていません。芝生は春の愛らしい花盛りです。
ルピナスがこんなに成長して…と、驚きました。いつもより早いような気がします。
【きょうのクロスステッチ Vol. 285】 by 岡村恭子
VOL.285 リサイクルショップに行こう!
torsdag den. 16 april 2015
庭が刻一刻と春の色合いに染まり始めましています。
チューリップが咲き始めてその周囲をムスカリの青紫色が縁取り、
木立の合間からレンギョウの黄色が彩りを添えています。
植物がお陽さまの力を得て、ああ気持ちよい!と伸びをしているみたい。
グングンという感じで成長しています。その勢いの良い事!
日照時間の変化が極端な北欧では春爛漫の4月は又初夏へのプロローグでも
あります。日増しに明るくなる夏に向かって植物達は短期決戦!
成長目覚ましく、枯れ枝が新緑をまとい始めたと思う間もなく葉を
大きく成長させて、瞬く間に深い緑の葉の衣に覆われるのです。
そんな風に日々変化して行く庭をアレコレとかまうのも今頃の楽しみですが、
古い家に暮らしているとそうそうのんびりしてばかりもいられません。
去年の春は地下のペンキ塗り…今年は何処から手を付けよう?というくらい、
庭同様に家のメンテナンスもエンドレスなのです。
そんなある日のこと、家人の仕事のパートナー : エリックから
「建材のリサイクルショップに行こう!」との誘いです。
主に公共建物の解体で出た廃材を分別し再利用出来そうなモノを扱っている
とか、古い住宅のリフォームなどに活用できるモノがたくさん有る、と聞けば
まさに我が家に必要なモノが有りそうです。面白そうなので私も一緒に出かける
ことにしました。場所はコペンハーゲン空港近く。
広い敷地内は想像していたよりずっときれいに整理されていて、
柱、床材、窓枠、ドア、レンガ、瓦などありとあらゆる建材が整然と
見やすい様に並べられています。他にも業務用冷蔵庫や調理台、
何処に有ったんだろうと思うような大きな石の杭や噴水などもあります。
丁寧に彫刻を施したドアやステンドグラスなどは正に工芸品で捨てるには
もったいない。何処かで再利用されると良いなあ、しかし我が家では
使う場所が無いなあ…とボンヤリ眺めている所へ家人が何か抱えてやって
来ました。手にしていたのは小振りの洗面台です。まあ、ちょうど良い大きさ!…
実は来客用のシャワールームの洗面台が痛んで来たので何とかせねば…と、
気していた所だったのです。思いも寄らぬ掘り出し物に気を良くしたところで、
この春の我が家のメンテナンスは洗面台の交換工事と決定したのでした。
さあ、果たして上々の首尾で事が運ぶのでしょうか?
乞うご期待?!
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
音楽室用の黒板は生徒の落書きが良い感じです。家人とエリックも何やら物色中?!
廃材でコーディネートされたショールーム。 丸いランプもレリーフも全て解体工事で出たもの。
今朝の庭から… チューリップ、ムスカリ、遠くにレンギョウ。白い花はプラムです。
【きょうのクロスステッチ Vol. 286】 by 岡村恭子
VOL.286 新緑のオープンステッチハウス&春爛漫のコペンハーゲン
torsdag den. 23 april 2015
いよいよ「2015年春 : オープンステッチハウス」が始まりました。
VixSesさん、Lyckaさんのオリジナリティー溢れるワークショップも
本当に楽しそうですね!「刺繍をもっと身近に」というコンセプト通り
初心者でも気軽に参加したくなるカジュアルなイメージが如何にも
ステッチハウスらしくてステキです。
お客様を迎える店長 : 延江さんのこぼれるような笑顔が見えるようです。
今回も素晴らしい出会いが沢山ありますように…。
オープンステッチハウスの会場、高輪の新緑に負けず?コペンハーゲンも
毎日良いお天気に恵まれて春爛漫です。
一週間前の木曜日(16日)はマーガレテ女王の75才の誕生日でした。
赤い小旗が打ち振られる中、女王様を乗せた馬車が行きます。
お伽話の絵のような光景を少し離れて眺めながら、人々が女王様と
一緒に春を迎えたことを喜こんでいるようだなあ、と思いました。
そうして我が家の庭も只今春の花盛りです。丁度チューリップが満開になり、
桜も今週末に開花宣言できそうです。ライラックにも蕾がつき始めました。
プラムの花もリンゴの花も一度に咲き出しそうです。庭仕事の手を休めて
庭を眺める度に、刻一刻と変化する様子にワクワクします。
日照時間も日増しに延びて朝早から小鳥達がさえずり、それは賑やか。
早く置きなさい!と急かされます。
家々の生け垣や並木も新緑のグラデーションに彩られてとてもきれいです。
見慣れた風景なのに全てが新鮮に感じられる…。長く暗い冬を我慢したから
こそ余計に嬉しい。そんな人々の喜びが街全体を包んでいます。
しかし、同時にこの時期になると…ハックッシュン!…ああ始まった。
そうです。花粉が飛び始めたのです。白樺の花粉かな?いや、松かな?
とにかく毎年悩みのタネはこの花粉症です。だから…ではないのですが、
どうせなら松ぼっくりが弾け飛ぶ前に…と、先日思い切って庭の大きな木を
剪定してひと回り小さくしてもらいました。庭師というよりは登山家という
出で立ちの逞しい職人さんが3人やって来て、太い枝を思い切り良く切って行き、
切ったそばから粉砕機にかけて粉々にして行きます。
最後に周辺の掃除もしてきれいサッパリ。
見ていた私達も散髪したみたいに気分軽やか、今まで日陰になっていた場所に
陽が差して花が沢山咲いてくれるかな?松の花粉も減ってくれるかな?
…と期待している所です。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
アンデルセンの世界から抜け出たような女王様の誕生日パレード。
町内で一番大きな?!松の木にスルスルと登る職人さん。軽業師のようです。
今日の庭から。チューリップ、ムスカリ、アネモネ等々、春の花が次々と咲き始めました。
【きょうのクロスステッチ Vol. 287】 by 岡村恭子
VOL.287 コペンハーゲンのお花見
torsdag den. 30 april 2015
「延江さん、とても楽しそうに沢山のお客様のお相手をして大忙し。
その日のワークショップ : Lyckaさんも盛り上がっていて、
色とりどりの刺繍をディスプレイしたスペースは外から見ても華やかで
とってもステキ!これからも是非続けて欲しい。そうしたら刺繍ファンが
どんどん増えて、刺繍と同じくらいに延江さんのファンも急増しそう!!」
…と、笑いながら娘が報告してくれました。
丁度、仕事で東京に出張中だったのでオープンステッチハウスに
お邪魔したのだそうです。
思えば私がこのページを連載する切っ掛けになったのも彼女達だったという
くらい、延江さんは娘が高校生の頃から “ コペンハーゲンのお姉さん “ 的存在、
その二人が夫々仕事でコペンハーゲンと東京を往復するようになったのですから
「光陰矢の如し」なのです。
さて、先週末はコペンハーゲンのお花見 : Sakura Festivalが開催されました。
この春、東京に行って以来すっかり日本びいきになったエリック家族に誘われて
散歩がてら一緒に出かける事にしました。あいにくの曇り空でしたが
満開の花の下、TOKYOの思い出話に “ 花 “ が咲き、出店のアンパンを頬張って
“ 花より団子 “ …と、 花尽くしの?楽しいひと時を過ごしました。
フェスティバルの会場は人魚姫の像へと続く海浜公園の一角、数十年前に
日本のアンデルセンベーカリーが寄贈した苗木が立派に育って、
今やコペンハーゲンの新名所の感があります。
この日も三々五々集まって来た人で大賑わい、桜の木の下にシートを敷いて
屋台の焼きそばに舌鼓を打つ家族の姿は、日本のお花見そのものです。
エリックの孫娘クラーラちゃんは浅草土産のKimonoを着させてもらって
ご機嫌でした。
それから一週間が過ぎて、今ようやく我が家の桜も満開となりました。
一昨年、2本の太い幹の1本が枯れてしまったので以前のような艶やかさには
欠けるものの、残った一本に今年も沢山の花を咲かせてくれました。
静かに少し傾いた一本の幹に白い花を咲かせる老桜の健気な姿は一層味わい深く、
この春も花を咲かせてくれた事に感謝しながら、しみじみとお花見をしている
昨日今日です。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
桜フェスティバルから。
満開の桜と青い着物がお似合いのクラーラちゃん、ちょっと照れています。
今日の庭から。
白い桜の花が赤いサクランボになるのを楽しみに…。花壇も花盛りです。
【きょうのクロスステッチ Vol. 288】 by 岡村恭子
VOL.288 風薫る5月の庭を楽しむ。
torsdag den. 7 mai 2015
5月になりました。
これから夏至まで日照時間にパラレルして北欧は上昇気分です。
とにかく明るい!夕食のテーブルを囲む時も照明など不要です。
西陽の差し込むダイニングは窓に向かって座ると眩しいので
思わずカーテンを引きながら「贅沢ねえ…」と笑います。
夕食後、庭に出ると何処からともなく人の声とお肉の焼ける良い匂い、
早くもBBQをしている様子です。家人がそろそろウチも始めようか…と、
地下から道具を出す算段を始めました。
PM8:00。明るい光の中で桜が吹雪になって舞い、新緑の衣をまとった
庭木の間からキラリキラリと差し込む陽射しが芝生に”木漏れ日シルエット”
を描きます。美しい映像を見ているようです。やがて白樺の向こうに
陽が沈む頃まで庭で寛ぐ。ただそれだけで心が落ち着きます。
“ Healing “ というのはこういうことね、とひとり納得したりして…
庭先でインスタントな森林浴を楽しんでいます。
春先のまだ寒い頃から長靴を履いて庭仕事をしてきた甲斐がありました。
家人がメンテナンスしてきた芝生は町内で一番きれい!と自画自賛です。
最近は日焼けしないようにツバ広の帽子を目深にかぶって雑草取りの毎日です。
なるべく雨上がりの土の柔らかい時を狙ってするのがコツと心得ます。
こぼれ種から発芽した草花を採取するのも今頃ならではの楽しみです。
バイオレット、ルピナス、シュウメイ菊、それから通称 “ なんちゃってかすみ草 “
(正式名はセラチウム。ガーデニング上手のお友達が教えてくれました。)
大きなものではライラックにヤマブキに垣根用のリグスターetc.…、
育ちそうな株をそっと掘り起こして植木鉢に移したり、めぼしい場所に
植え替えたり…シャベル片手に庭を往ったり来たりしていて日が暮れる。
例えばこれから見頃を迎えるライラックは元々有った大きな木のこぼれ種が
発芽したのを増やして今では10本ほどになりました。
毎年沢山花を咲かせて庭を甘い香りに包んでくれます。
実はこのライラック、成長が早く根元付近にこぼれ種から発芽した新芽がたくさん!
間違った場所から出て来たのは抜いてしまわないといけなののだけれど可哀想で
捨てるに捨てられずに困ってしまう…、そういう「こぼれ種から発芽した草花の交換会」があると小耳に挟んだので今度行ってみようと思っています。
その他にも手持ちの植物を持ち寄って街角緑化をしようという試みも始まりました。
どちらも市街地で手軽に出来る緑化運動だと思います。
世界中でやったら緑が増える!と思いますが、…そんな簡単じゃないのかな?
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
リンゴの花の蕾が膨らんできました。楽しみです。
雑草の間から顔を出していた野生のスミレを鉢に植えてあげました。
今日の庭から。
チューリップに代わり次々と咲き始めた5月の花が庭を彩ります。
【きょうのクロスステッチ Vol. 289】 by 岡村恭子
VOL.289 帰って来たカナ猫&北欧の苺事情
torsdag den. 14 mai 2015
何とまあ、一年3ヶ月振りにのら猫カナちゃんが帰って来ました。
http://copensmile.exblog.jp/24440348/
てっきり天国に逝ってしまったと諦めていた人間の気持ちも知らず、
何の前触れも無く、まったく唐突にカナちゃんの再登場です。
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1094.html
以来、お腹が空くとやって来てご飯と好物のミルクを飲み、庭先で寛いで、
そしてまた何処かに帰って行く…。一年以上もの間音信不通だったことが
嘘のような日々が戻りました。「何処か暖かい場所に旅行に行っていたの
かしら?…ひょっとして案外ご近所にいたのかも知れないね。」
などと冗談まじりに話していますが、それにしても本当に不思議です。
猫に詳しい人に聞いてみたい。否、当人(=カナ猫)に聞いてみたいところです。
とにかく、そんな訳で買い物かごにキャットフードが加わる日が戻って来ました。
カナ猫に朝ご飯を上げてから、自分にも朝のヨーグルトに苺を乗せながら
「まだかなあ〜」と、これはカナ猫のことではなく、季節の果物が出回るのを
首を長くして待ちわびていた、ひと昔前の事を思い出しました。
私がデンマークに来た当時、苺は特別なフルーツでした。
毎年初夏のほんの束の間だけ大きさもカタチも不揃いな苺が店頭に並ぶ、
短い夏の到来と共にほんの束の間登場する小さくて赤い果物を
人々は格別の気持ちで楽しみにしたものです。テレビで初出荷がニュースに
なると思わず笑顔になる、正に “ 旬のモノ “ という言葉がピッタリでした。
それが今では一年中買えるようになったのです。時期によって産地が
異なるのが面白い。冬の間出回るのは主にオランダやベルギー産です。
蝋細工の様に均一できれいだけれど味は酸っぱいだけの代物、
それでもお菓子作りの時などは重宝するし暗い時期には苺の赤い色が気分を
明るくしてもくれます。春から今頃にかけてはスペイン産が主流です。
さすが太陽燦々のお国だけあって味もちゃんと!苺らしいし、地中海の明かるい
太陽を浴びて育ったと思うと余計に美味しく感じられます。
こうして国内産が出荷されるまでヨーロッパ各地の苺が楽しめる様になったの
ですから、本当に便利な世の中になりました。
苺に限らず生鮮食料品は国境を越えて自由に往ったり来たり…。
何かと難しい問題山積のEUでは有りますが、スーパーマーケットの食料品売り場に
行く度に便利を実感できるのもEUの成せる技、主婦としては大いに助かっています。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
朝食のヨーグルトには季節の果物は欠かせません。
リンゴの花です。咲き始めに雨になったので心配ですが。どうか秋にはリンゴが実ります様に…。
皆さまご心配かけました。のら猫カナちゃんが元気に戻って来ました。
今朝の庭から…。 すっかり初夏の装いになりました。
【きょうのクロスステッチ Vol. 290】 by 岡村恭子
VOL.290 何事もお天気次第の今日この頃
torsdag den. 21 mai 2015
晴れてさえいれば “ みんなご機嫌 “ な北欧の5月ですが、
ここ数日は変わり易い天気が続いて ” 少々ご機嫌斜め “ な毎日です。
雲の流れが早くて晴れたと思ったら雨が降る。イギリス海峡の方から
冷たい雨雲が帯状になって流れ込んでいるらしい。
そんなですから街行く人の服装もまちまち、真冬のコート姿の人の横を
T-シャツ一枚で闊歩する若者が通り過ぎます。
日本から訪れた人が寒くて驚くのも今頃の事、これからヨーロッパに
お出かけの際はトランクの中にセーターを一枚加える事をお勧めします。
ところでスウェーデン : ダーラナ地方の旅にお出かけの延江さ〜ん、
そちらのお天気はいかがですかー?
…と、ここ迄書いて一端「お休みなさい。。。」
寝て起きたら、わー、今朝は久しぶりの青空が広がっていますよ。
気分爽快。さっそく庭をひと回り。 見上げれば青空が広がり、
朝露に濡れた芝生がキラキラしています。雨で水分たっぷりの庭の緑が
一層鮮やかです。なんと清々しいこと。
今日は久しぶりに「みんなご機嫌」な一日になりそうです。
日増しに明るくなる5月のコペンハーゲンでは屋外のイベントが目白押しです。
今週末はコペンハーゲンマラソン、そして恒例のサンバカーニバルと、
街中が盛り上がる予定です。天気予報に一喜一憂していたイベントスタッフも、
今朝の青空にホッと胸をなでおろしている事でしょう。
先日、街を歩いていたら広場が子供連れで賑わっているので近づいてみると、
にわか作りの厩で可愛らしいポニーの親子が干し草を食んでいます。
人垣の中には大きな牛が一頭、オジさんが何か説明しながら
その牛の脇腹にボディーペインティング中のようです。牛にお化粧?
そういえば途中でタトゥーの大会にも遭遇したし、本日のコペンハーゲンは
“ お絵描きデー “ なのかも知れないね、と話しながら近づいてみると、
お絵描きでも『牛』の勉強会でもなく『牛肉』の説明会でした。
オジさんは牛のボディーに白線を引きながら、この辺がサーロイン、
塩胡椒して両面を軽く焼けば最高だよ!とか、お尻の辺りを白く囲いながら
ここは固いから煮込み用…と、そんな説明をしているのでした。
「ほら、あそこがおいしいお肉になるんだよ。」なーんて、大人が子供に
話して聞かせている。その脇のテーブルには大きな肉のかたまりがゴロリ。
精肉用の牛と愛玩用のポニー、両方とも人間に身近な動物たちという事なの
でしょうか? かわいそう、とか 残酷 とか、子供達がこれを機に
ベジタリアンになってしまうというような心配は一切無さそうで、
さすが酪農大国デンマークと関心した週末の一コマでした。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
ポニーの親子。厩の前にはちゃんとワラを敷いた運動場がありました。
まさか自分が精肉の材料になるなど知らずにのんびりとしている牛君。
今朝の庭から。ライラックをはじめ、初夏を彩る色とりどりの花。
【きょうのクロスステッチ Vol. 291】 by 岡村恭子
VOL.291 楽しいブランチ&ハンドクラフト談議
torsdag den. 28 mai 2015
いよいよ5月最後の週末、そして夏至まで一ヶ月足らずとなりました。
北欧は一年中で一番明るい季節を迎えています。
どのくらい明るいかというと…
PM 9:00=遅い午後又は早い夕方のように明るい。
PM10:00=暮れかかった薄青空にお月さまがぽっかり浮かんで…、
PM11:00=ようやく濃紺色の夏の夜空になります。
こんなに明るい夜は庭にキャンドルを灯して過ごしたいけれど、
今年はいつまでも気温が上がらず、涼しいのを通り越して “ 寒い!”
T-シャツで過ごせる日になるのをみんなジリジリして待っている
といった今日この頃です。天気予報によると6月1日から真夏日になるとか。
一気に20℃になると自信満々ですが、本当かな? もし的中したら…
それはもうお腹の中でクスッと笑ってしまうくらい、みんな同じ事を
考えているのです。つまり…お日様に向かって日光浴!コレに尽きます。
デンマークに限らず、どうやら北欧の人々にとって日光浴は栄養摂取と
同じくらいに大切なファクターのようで、夏の太陽を浴びて真っ黒に日焼け
することが精神的にも健康の秘訣なのかも知れません。
さて、本日は久しぶりにステッチハウスのお二人と北欧旅行中だった
K-さんもご一緒にブランチ&おしゃべりの楽しいひと時を過ごしました。
テーブルを囲みながらスウェーデン旅行の思い出話に花が咲きます。
エコロジー&サスティナブルと言った言葉がピッタリする素敵な宿と
美味しいスローフードのお話、美しい風景と素朴な人々の事etc.
そして延江さんのレンタカー面白エピソードに大笑い。
もちろん今回訊ねたダーラナ地方のハンドクラフトのお話しも沢山聞かせて
くれました。刺繍、テキスタイルの織やプリント、ダーラナへストなどの
各種木工工芸品などなど、人々の手から手へと大切に受け継がれて来た
伝統工芸の世界を垣間見るようで興味深く、特に冬に編み物デビューした
私としましては、いつの日か手紡ぎの毛糸で“身も心も温まるマフラー “ を
編んでみたいものだ、と夢想するのでした。
デンマークとスウェーデンは王室同士も仲良しなら国民もとても仲良しです。
南スウェーデンとコペンハーゲンは電車で30分の通勤圏内ですし、
両国の人が自由に往き来して今や国境は有って無いようなもの。
同様にハンドクラフトの世界もお互いの伝統を継承しつつも、もっと自由に
交流してゆけば、そこから新たな可能性が生まれてくるのではないかなあ?と
勝手な想像を膨らませた昼下がりのひと時でした。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
おいしいブランチとおしゃべりの楽しいひと時。 http://www.ptt-museum.dk/
帰りがけ延江さんと一緒に立ち寄った市場。二人とも夕食の献立で頭いっぱい!
スイカが並び始めましたよ。天気予報が当たったら買いましょう。
PM 9:00です。明るいでしょう?(2Fのベランダからの眺め)
今日の庭から。
ツツジが満開になりました。(ピンクの花の木は紅花瓢箪木というスイカズラの一種)
サクランボの緑色の赤ちゃんが沢山付き始めました。
【きょうのクロスステッチ Vol. 292】 by 岡村恭子
VOL.292 総選挙と新キャベツのお話
torsdag den. 4 juni 2015
6月になったら暑くなる!という天気予報でしたが今の所パッとしません。
どうしてこうも当たらないのだろう?と思うけれど、
週末には20℃以上の夏日になるという予報を「今度こそ!」と信じましょう。
ところで、デンマークは総選挙を間近に控えて選挙戦まっただ中、
テレビ討論会では連日各党の代表が夫々の政見を語り、お互いを牽制し合い、
丁々発止のやり取りが繰り広げられています。
人口560万人の小さな国ということもあって普段から政治に対する関心も高く、
選挙は国民みんなの一大イベントという感じで盛り上がります。
今、日本で是非が問われている18才からの選挙権問題も、ここデンマークでは
1978年に国民投票で18才選挙権取得と制定されて既に37年、
中学生くらいから政治に対しての興味と感心も高まり選挙権を得る頃には
いっぱしの考えを持てるようになるようです。
そんな姿を見ていると、やっぱりまずは子供の頃から自分の考えをしっかりと
育める環境を整える事が肝心だと思うのですが、如何でしょうか?
デンマークの選挙は立候補者の選挙費用も一律平等。
プラカードと風船やビラ作成、あとはボランティアの応援、以上!
お金をかけずに楽しく選挙戦を戦う。デニッシュデモクラシーの精神は
クリーンでオープン。風通しの良い政治は端で見ていても気持ちが良いです。
選挙から話が飛びますが、主婦にとっては毎日の献立を考えるのも
政治に関心を持つのと同じくらいに大切です。
近所で入手出来る材料で工夫することをモットーに30数年。
プックリ太ったジャンボ茄子も水分たっぷりの大きなキュウリもお料理次第で
七変化、重宝しています。最近は続々と新種が登場して北欧の人々の食生活も
30年前とは比べようも無いくらい本当に豊かになりました。
そんな中で、只今私が『キャベツ革命』と喜んでいるのがサラダ用キャベツの登場です。
デンマークでキャベツと言えば分厚い葉の煮込み用と相場が決まっていて、
そのまま食べると歯が立たない。毎年初夏の一瞬だけ出回る春キャベツを
それはそれは首を長くして待っていました。その証拠に? 去年も新キャベツを
楽しみしている心境を綴っています。( バックナンバーをお読み下さい。)
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1050.html
でもね、もうその必要がなくなったのです。
先っぽが尖った、その名もSpidskal =尖がりキャベツ。見た目は少し違うけれど、
味は日本のキャベツと全く同じです。千切りにして豚カツに添えれば立派な
豚カツ定食の完成。これはステキな主婦の大発見!と大いに気を良くしていたら、
娘から このキャベツを使ったコールスローがカフェで流行っていると聞き、
なーんだ、みんなも知っていたのね…当然そうだろうと分かっていてもちょっぴり
先を越されたようで悔しいような…で、苦笑い。
八百屋さんで野菜の発見はまだまだ続きそうです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
プックリ太ったジャンボ茄子、大きなキュウリ、尖りキャベツに3色ピーマン
八百屋さんの店先に並んだ緑と黄色のズッキーニ。
オリーブオイルで焼いて粗塩パラッとしたら美味しいタパ一品の完成。
今日の庭から。
西洋オダマキ、ルピナスが次々と咲き始めています。
【きょうのクロスステッチ Vol. 293】 by 岡村恭子
VOL.293 今時の ” 旅気分 ”
torsdag den. 11 juni 2015
夏至まであと10日、北欧は明るい季節のピークを迎えています。
毎年の事ながら、夏至が過ぎたらまた少しずつ日が短くなってゆく
と思うと一抹の寂しさを覚えますが、いやいや、まだまだこれからです。
北欧の6月は夏本番、明るい季節を思う存分満喫しなければ!
そんな明るい陽射しの中、
所用があっての帰り道、セントラルステーションの中を通り抜けて
バス停まで近道です。
鉄骨の柱と木造の太い梁。タイルの床と壁、明かり取りの窓には
各都市の紋章が描かれたステンドグラス、外光を受けてチャーミングです。
ずっと以前構内の片隅に設置されたジオラマの鉄道模型を見に幼い娘を
連れて来たのをふと思い出しながら、ここから列車に飛び乗れば大好きな
南スペインまでだって行ける…と思ったら、脇をすり抜けて行く
バックパッカーの若者達が羨ましくなりました。
もしも独り身の自由人だったら、もしも、もしも…と夢想したって仕方が無い。
夕方までには帰らねば…主婦は家路を急ぐのでした。
四季を通じて世界中から沢山の観光客で賑わうコペンハーゲンですが、
これから夏休みにかけては更に大賑わいです。
私はいつもバッグに小さなデジタルカメラを突っ込んでいて、
気が向いた時に写真を撮り、帰宅してからコンピューターに取り込んでいます。
でも、今の人々はそんな悠長じゃない。スマートフォンで撮影したそばから
家族や友達にピューンと送信する。更にインスタグラムやFacebookに
アップすれば世界に向けて発信出来る。
こうなると名所旧跡の写真より、たった今食べた美味しい食事やショッピングなど、
オリジナルの情報を提供したくなるし、そこから新たな興味もわいて来る…。
新しい旅の楽しみ方だと思います。
まだインターネットが普及していかった頃
『地球の歩き方』という海外旅行者必携の本が有りました。
実際に行った人の情報が掲載されているのが特徴で、
おすすめホテルやレストラン、交通機関利用方や各種サービスの有無などが
正直な感想文と一緒に事細かに書いてあり、末尾には簡単辞書もあったりして
かゆい所に手が届いた便利な一冊だったのです。
今ならぜーんぶ、インターネットで簡単に検索できますが、当時としては
実に画期的な旅の手引きだったのです。
旅行者が分厚い本を片手にカメラを首から提げていたのは遠い昔になりました。
延江さんのインスタグラムが更新される度に(同じ町内なのに!)
知らない街の風景のように新鮮です。
これも小さな日常の旅気分?!かもしれませんね。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
窓のはめ込まれたステングラスが印象的なコペンハーゲン中央駅構内。
木の梁がばバイキングシップのようです。
街角スナップ。コペンハーゲンは気軽に立ち寄れるカフェがたくさんあります。
乾いたノドを潤しながらのんびり通行人を眺めるのも楽しい。
今日の庭から。
緑が鬱蒼として来ました。西日に透けるポピーの花びらがきれいだったので…。