2015年4月~6月
【きょうのクロスステッチ Vol. 295】 by 岡村恭子
VOL.295 夏至が過ぎて・・・
雑記 : デンマークの引っ越し事情
torsdag den. 25 juni 2015
春からずっと “ 右肩上がり “の日照時間に、
「明るいねえ、昨日より明るい!明日はもっと明るくなる!」と
毎日どんどん明るくなるのを楽しみにして来ましたが、
とうとう21日でピークを迎えてしまいました。
夏至が過ぎて、これからまた少しずつ太陽から遠ざかって行きます。
まん丸くてちっぽけな地球が大きく輝く太陽の周りを小首を傾げて
ゆっくり回っている…。宇宙という果てしない海にポッカリ浮かび上がる姿を
想像すると、雄大というよりも何だか心もとないような獏とした不思議な
気持ちになります。そんなことを思って見上げた空にふゎーっと風が吹き渡り、
庭の木々をざわめかして通り過ぎて行きました。
さあ、遥か宇宙から日常に目を移しましょう。
デンマークは丁度卒業式シーズン、それが終われば長い夏休みが始まります。
今年も瞬く間に前半戦終了です。
我が家の裏庭側の隣家に新しい家族が引っ越して来ました。
以前はおじいさんの一人暮らしだった家の庭に赤い三輪車がころりと置かれて、
時々小さな女の子の声が聞こえてきます。
どんな家族かな?お友達になれるかしら?と楽しみにしている所です。
デンマークでは古い住宅を購入しリフォームしながら段階的に
新たな住居として完成させて行くというのがほぼ一般的です。
お隣さんもその典型で、まだ完全には引っ越しが完了していない様子です。
週末になると沢山の人の声や何やら作業している音が聞こえて来ます。
そう言えば、私達がこの家に越して来た時もこんな感じだったなあ…と懐かしい。
それまで暮らしていたアパートの契約が切れるまでの期間、毎日通いながら
ペンキ塗りに勤しんでいたものです。以前の住人の暮らしがしみ込んだ壁に
新しいペンキが塗られてゆく。その新しいペンキの匂いに『我が家』になって
行くという実感が湧いてきて、とても嬉しかったのを思い出します。
何しろ築80年近くの古い住宅ですから、常に何処か不都合が生じてその度に
メンテナンスして行く必要があります。やれ壁の塗り替えだ、レンガ修繕だ、と
未だにエンドレスですが、そういうことを楽しむのも北欧の暮らし方なのかも
知れません。我が家の最新メンテナンスはゲスト用の洗面台の付け替え工事です。
昨日完了しました。新しくなった蛇口をひねって家族でニッコリ!
小さなポイントですが、また一つ古い家が生き返ったような印象です。
決して無理せず、でも面倒がらずに少しずつメンテナンスしてあげることが
古い住宅を快適に使いこなすコツだと言えそうです。
多分、お隣さんも同じような気持ちで楽しくリフォームしていることでしょう。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
夏至祭の夜の庭の様子。オリーブに絡めたソーラーライトが庭を明るく照らしてくれます。
サクランボがようやく赤く色づいて来ました。
鳥たちが散らかし放題!芝生に落とした小鳥たちの食べかすを人間サマがお掃除です。
植木鉢のイチゴが今年も豊作です。赤くなるまでもう少しの辛抱我慢!
今日の庭から。
花壇が夏の草花で賑やかです。芍薬ももうすぐ開花しそう。バラも次々と咲いています。