2016年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 327】 by 岡村恭子
VOL.327 コペンハーゲンのショップガイド その3
お茶好きの人の御用達 “ A.C. Perch’s “
torsdag den. 18 februar 2016
まだまだ寒いけれど日増しに明るくなって来て、お天気が良い日は
陽射しがとても眩しく感じられます。気温は低いのに日向はポカポカ。
そうなった途端にデンマークの人というのは呆れるくらい、とにかく、
みーんな!お日さまに顔を向け始めます。
防寒スタイルでジッとお日様に顔を向けている姿を見ると、
ちょっとイグアナみたいじゃない?…と首を傾げていた私ですが、
最近は わかるな、その気持ち…という心境になりました。
明るい季節が待ち遠しくて、僅かな予感さえ全身に受け止めたいのです。
どんなに地球温暖化で暖冬になったとしても、北緯55度のデンマークでは
秋から冬にかけて極端に日照時間が短い。それは永久に変わらないのですから、
これからの季節は晴れてくれたらそれだけで幸せなのです。
それに、何事も本番よりも前触れが嬉しいというのもわかります。
これからだよね!…と、みんなそんな気持ちです。
そして、早春の昼下がり、手作りのお菓子と温かいお茶のひと時があれば、
“ Hvor er det hygglig! “ ( =なんてヒュックリ!)…となるわけです。
(Hyggligは心地良い、和みのひと時などに頻繁に使われるデンマーク人の
大好きな言葉、VOL.326参照。)
この国の人の珈琲好きは有名ですが、(何と一人当たりの消費量が
世界3位!)実は紅茶をはじめとするいわゆる “ お茶好き “ も多くて、
オーガニックにこだわるナチュラル健康志向の女性が多いのも特徴のようです。
普段は珈琲党の私が、たまに美味しい紅茶を飲みたくなった時や、日本への
お土産として買いに行くお茶専門店があります。
デンマーク王室御用達の老舗 “ A.C:Perch’s “
1835年創業と言いますから180年以上の歴史を誇る老舗です。
狭い店内はいつもお茶を求める人でいっぱい!お店に入りきれず外まで
行列している時もあります。ピカピカに磨かれたお茶缶が壁一面に
ズラーッと並び、お茶とフレーバーの香りが漂う店内はノスタルジックで
重厚感のある独特の心地よさを醸し出しています。
好みのブレンドを注文すると手際よく混ぜ合わせ天秤ばかりで計って、
袋に入れ、きっちりと輪ゴムで止めて裏側にペンで内容を走り書きする。
この一連の作業を一瞬でやってしまう。順番を待つ間にそんな手際の良い様子を
見ているのも楽しい。
最後に大きな缶に入っているキャンディーを一粒つまんで頬張って…。。
だから、このお店で買い物した後は誰もが “ 甘い口元 “ になってしまうのです。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
お天気の良い昼下がりは日だまりでランチを食べたり、おしゃべりしたり…。
A.C.Perch's は金色のティーポットが目印。
昔ながらの天秤秤で好みのお茶をブレンドしてくれます。