2016年1月~3月
【きょうのクロスステッチ Vol. 321】 by 岡村恭子
VOL.321 新年のお書き始め
今年もパッと花を咲かせましょ!
torsdag den. 7 januar 2016
新年明けましておめでとうございます。
みなさまはどんなお正月を過ごされましたか?
私はクリスマス直前にコペンハーゲンに戻り、何だかバタバタと
慌ただしいうちに新年を迎えました。
年末は記録的な暖冬で紫陽花が新芽を出すし、庭先の姫桜は薄ピンクの花盛り!
こんな陽気で良いのだろうか?と心配しましたが、
年が明けた途端に心配ご無用と言わんばかりの冷え込みです。
日中も氷点下で道路はカチンカチン、 北欧らしい新年を迎えています。
そして、ご安心下さい!こんなに寒くてものら猫カナちゃんは元気です。
フワフワの毛皮に包まれてますますまん丸、猫というよりタヌキみたい。
木枯らしの吹く中をお正月のあいさつにやって来ました。
暖かい家の中にお入り、とキャットフードを一粒ずつ並べて誘導してみましたが、
困り顔をして恨めしそうに横目で眺ながら、何と後ろずさりで帰ろうとする。
彼女なりに野良のケジメをしっかり付けている様子です。
今年もよろしくね。春が来るまで元気でがんばって!
そんな私の気持ちが通じているのかどうか?いつも通りミルクを飲み干すと、
スタスタと何処かへ帰って行きました。
外は寒いし、暗いし、大晦日の花火の燃えカスが散らかる道は殺伐としているし、
初詣に行く場所も無し…というデンマークの元旦、日本から持ち帰った簡単な
おせちで新年を祝ったあと、おもむろに家人が墨と筆を持って来ました。
我が家恒例のお書き初めです。
新年の計は元旦に有り…、各自自由に年の始めに相応しいと思う文字を
選んで書きます。俳句(川柳)や文章にしても良いし、たった一文字でも
構わないというルールで、ああでもない、こうでもない、と考えあぐねる時間を
楽しみます。何処かの偉い坊様のように漢字一文字で表せないものか…
幸、喜、楽、朗,…凡人の私はおざなりな文字しか浮かんできません。
それに、いざ、書いてみるとどの文字も思うように格好がつかない。
筆を持ち慣れていないからに決まっていますが、それにしても不細工な
字面になってしまう。練習用の新聞紙に書いては捨て、書いては捨てながら、
今年の目標ねえ…と、冬枯れの庭に目をやりました。
春になったら花をいっぱい咲かせよう。秋に埋め込んだチューリップが咲く様子を
想像して、私も花が咲くような気持ちで過ごせたらいいな…そんなことを
つらつらと思いながら「花」「咲」と書いてみました。
すると、どうでしょう?!どちらも他の漢字に比べるとずっと書き易い。
あらためて眺めると漢字特有の角ばった印象ではなく、
草の冠を被って優し気に跳ねてみたり、小さな口をすぼませてみたり、
とても愛らしいカタチをしています。二つの文字を繋げて「花が咲く」。
何だか、小学生低学年の書き初めのようになりましたが、
それも私らしいかな?…ということで、
この一年、明るく花を咲かせるような気持ちで過ごして行きたいと思います。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
衛兵達も防寒用に黒クマの毛皮帽子をかぶって、玩具の兵隊さんのようですね。
元旦の食卓から。お雑煮、鴨の照り焼き、生酢、などでささやかにおせちのまねごと…。
花が咲くように明るい気持ちで過ごして行きたいと思います。
もうすぐやってくる明るい季節に思いを寄せて…色とりどりの新春の花のご挨拶。
【きょうのクロスステッチ Vol. 322】 by 岡村恭子
VOL.322 サラダ油のキャップと格闘して思った事。
torsdag den. 14 januar 2016
朝早くからご近所さんが雪かきをする音で目が覚めました。
さあ、我が家も早起きして朝の運動がてら雪かきです。
空気は冷たいけれど清々しくて気持ちよいこと!
それに、少しずつ朝が明るく感じられるようになって来ました。
北欧の暮らしは日照時間にパラレルします。
明るくなって来たと思うとそれだけで気分も軽くなるというものです。
春は確実に近づいて来ているのです。
さて、某日。
新しいサラダ油のキャップを開けようとした時です。
指先に力を入れて、エイッ!その途端にポキン。。。ああ、また千切れちゃった。
つまみを引っ張った拍子に取っ手部分が切れてしまいキャップが外れない!…と、
まあ、このような事がデンマークの日常では頻繁に起こります。
日頃『日本ではね…』という『ではね』言葉は使わないようにしている私ですが、
思わずキャップに向かって言い聞かせるように呟いてしまう。
『あのね、日本ではね、このようなコトあり得ません!』
どんな食料品の容器も使用時の便利さを追求し尽くした日本製品の
デザインと性能に感心します。それが当たり前と思うべからず、とデンマークに
戻った途端に知らされるわけです。
そうかと思えば、某日。
日本から到来物のお菓子です。美しい化粧箱の中に整然と並んだ和菓子は
一つ一つ色も模様も異なる包みで夫々に紐がかかり、小指で持たなくては
ならないような小さなスプーンが付いています。気が利いているようだけれど
如何にも小さ過ぎて使い物にならないし、食べ終わればお菓子を包んでいた紙も
紐も不要となり廃棄処分。無駄だなあと思ってしまいます。
その点、デンマークはおしなべて素っ気ない程の簡易包装です。
見た目よりも中身という感じで、チョコレート等も小さな箱の中に無造作に
ギューギュー詰め。プレゼントをもらった時も包みを勢い良くビリビリと破いてポイ!
と捨てるのが常識、(中身が楽しみという表現のようです。)
確かにその方がいっそ気持ち良いように思う時が有ります。
日本とデンマーク、二つの大好きな国を往ったり来たりしていると気づかされる
ちょっとした違いや新たな発見、それぞれに優れた点や嬉しくなってしまう
ポイントがたくさん有るけれど、逆にどちらにも見え隠れする便利なようで不便な
所や無駄使いなどを * Leraning from Japan & Denamrk .の精神で影響し合えたら、
日常の暮らしが更に便利で楽しくなるだろうになあ…と、
主婦は今日もデンマークのケチャップ容器と格闘しつつ思うのです。
*『きょうのクロスステッチVOL.313』をお読み下さい。
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1280.html
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
外は寒いけれど陽射しが日増しに明るくなって来ました。
今朝の庭から。秋にバスケットに入れてそのままのリンゴにも白い綿帽子*
デンマークのチョコレートは小さな箱にギューギュー詰め。この方がゴージャスで美味しそう!!
デンマーク製のケチャップやソースのキャップを開ける時は要注意!です。
【きょうのクロスステッチ Vol. 323】 by 岡村恭子
VOL.323 リンゴのお菓子:アップルローズ
torsdag den. 21 januar 2016
東京にも雪が積もったようですが、みなさまの街は如何でしょうか?
コペンハーゲンは北極の寒気にすっぽりと包まれて冷え込みの厳しい日が
続いています。カナ猫はしばらく姿を見せてくれません。
この寒さの中、どこでどうしているんだろう?…と心配になりますが、
その度に、ふた冬を無事に越して一年三ヶ月振りに姿を現わしてくれた時を
思い出し、きっと、どこかで他の仲間達と暖をとっているよね!と
想像を逞しくしています。暖かい季節が来るまで人間も動物もみーんな、
もう少しの辛抱我慢です。庭の草花の芽が顔を覗かせてくれる日を楽しみに、
雪の降る午後、お菓子の花を咲かせてみました。
その名も愛らしいアップルローズです。
今回は家にある材料で作ったのでタルト台から作りましたが、
市販のパイ生地で作ればもっと手軽にバラのアップルパイになります。
_____________________
*アップルローズの作り方*
●材料 4〜6コ分
紅玉 2コ
市販のパイシート
(タルト台を使う場合は材料を混ぜ捏ね、冷蔵庫で30分寝かせる。)
(バター50g、小麦粉100g,卵黄1個、水20cc)
レモン 半コ
アプリコットジャム 大さじ3
グラニュー糖 適宜
シナモン 少々
●作り方
1 リンゴをタテ半分にして芯をくり抜きヘタを取り薄切りにする。
アプリコットジャムは大さじ2の水で緩めておく。
2 水を張ったボールにレモン汁を混ぜ、その中に1のリンゴを浸す。
3 室温に戻した市販のパイシートを綿棒で1㎜くらいに薄く伸ばす。
4 薄くなったパイ生地を幅5㎝程の帯状に切る。
5 4にアプリコットジャムを薄く塗り,帯の上半分に水気を切ったリンゴを
斜めに少しずつ重ねて置いて行く。この時、リンゴの皮の方がパイ生地から
少しはみ出るようにする。
6 重ね置きしたリンゴの上にシナモン、グラニュー糖をふりかけパイ生地の下半分を
折り、リンゴごとグルグルと巻いてマフィンフォームに入れる。
7 175℃で約40〜45分、じっくりと焼く。
____________________________
お茶の時間も華やいで、雪の日のおやつにピッタリです!
お試し下さい。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
日中も氷点下*いつもは観光客で賑わうニューハウンも人影まばらです。
家に有る材料で簡単に!お菓子作りも冬の楽しみのひとつです。
余ったリンゴで作ったジャムをヨーグルトにトッピング。
皮ごと煮ると、ほら!こんなきれいなピンク色に!
【きょうのクロスステッチ Vol. 324】 by 岡村恭子
VOL.324 思い出話からデンマークの義務教育の話になりました。
torsdag den. 28 januar 2016
先週までの厳しい寒さは何処へやら、南の方から暖かい気流が流れ込んで
気温が急上昇、庭一面を覆っていた雪もたちまち溶けてしまいました。
そして、雪解けの水分をたっぷり吸い込んだ土の間から早春を告げる花
スノウドロップの葉がツンツンと天に向かって顔を出し始めています。
草花たちも急に暖かくなって目(芽)をまん丸くしているみたいです。
さてさて、私は延江さんのブログの自他共に認める?愛読者、
彼女の明るい人柄そのままの文章にいつも “ 元気 “ をもらっています。
先日も『すごいぞ!ゼロ年生!』を微笑ましく読みながら、
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1425.html
娘が幼稚園に通っていた頃を思い出しました。
今からふた昔以上も前のある日の事です。
幼稚園の先生から “ 日本デー “ をしたいので手伝って欲しいという相談に
一も二もなく快諾し、あれこれ準備をした当日、シーチングで作った
お揃いのエプロンをした園児たちが見よう見まねのカタカナで自分の名前を
書いてゆきます。クリスティーナ、ヘンリック…etc. みーんな大はしゃぎ。
テーブルに山積みの千代紙で折り紙をして…お昼は食べ易いようにと
串に刺した焼き鳥に決定。これには先生も大喜びだったなあ…。
コペンハーゲンの片隅のとある幼稚園のささやかなイベントでしたが、
幼い頃に体験した思い出は案外大人になっても覚えているものです。
ヘンリックやクリスティーナが日本好きになってくれたかな?
そんな身近な “ Learning from Japan “ が
『すごいぞ!ゼロ年生!』の子供達に繋がっている!
そう思うと嬉しくなります。
ところで、この ” ゼロ年生 “ という言葉にはてな?と思った方もいるのでは
ないでしょうか?
デンマークの義務教育は1年生から9年生までの一貫教育ですが、
それに付随してゼロ年生と10年生クのラスが設けられているのです。
どちらも自由選択で、ゼロ年生は幼稚園の年長さんクラスが小学校に設置されて
いるという感じです。上級生たちに混ざって過ごす事で一年生になる時に
スムーズに学校生活に馴染めるという利点があります。
10年生クラスは義務教育が終了後、進路を決めかねている場合などに有効です。
慌てずに将来をじっくり考える一年間です。
年齢にこだわらず個人差を考慮した柔軟性のある教育システムは
まず自分がどうしたいのか?という主体性を持った考えを育てます。
言い換えれば全て自分次第、義務教育を終了した頃にはそれなりに
しっかりとした考えを持てる様になります。
ストロイエですれ違う若者達がやけに大人に見えるのは
あながち見た目からだけでは無さそうです。
岡村 恭子
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小学校の校庭。0年生から10年生まで同じ屋根の下で学びます。
近所の幼稚園児に出会いました。何かの記念日で国旗を持たされていました。
家人が買って来た椿の鉢植えです。暖かくなったら庭に植えようと思います。
http://copensmile.exblog.jp/25297403/
今朝の庭から。スノウドロップが元気に顔を出し始めてました。
【きょうのクロスステッチ Vol. 325】 by 岡村恭子
VOL.325 コペンハーゲンのショップガイド その1
インテリア雑貨のお店 : Notre Dame
torsdag den. 4 februar 2016
2016年の幕が開けて早くもひと月経ちました。
晴れた日は室内の奥の方まで陽光が差し込んで温室のように暖かです。
庭の日だまりにFremmeのモチーフそっくりのエランティスが咲き始めたのを
発見してニッコリしたり、のら猫カナちゃんも無事に再来訪でひと安心したり…。
そんな日常の小さな変化に春の兆しを感じて嬉しくなります。
“ 50%OFF “で賑わっていた冬のセールも終わり、本格的な観光シーズンを前に
コペンハーゲンは束の間のシーズンオフです。
飾り気の無い素顔の表情で街全体がホッとひと息入れているようです。
お店ものんびりしていてこの時期はショッピングもはかどります。
地元の主婦としましてはブランドものを探す訳でもなく、大抵はマーケット :
Torvhallerne に行くついでの寄り道で、
肝心のマーケットにたどり着く前に両手いっぱいになってしまってUターン
してしまう事もしばしばです。
“ Noter Dame “ もそんな寄り道コースの一つです。 何か無いかな?…、漠然とそんな気持ちで
行くと何かしら見つかる。 そして、小さなお気に入りを手に入れて満足するという、
まるでむずかる子供の玩具屋さんのようですが、私がこのお店を好きなのには、
ちょっと訳が有ります。実はこのお店のある通りはデンマークに暮らし始めた頃
通っていたデンマーク語の学校の近所で、私同様デンマークに不慣れな
クラスメート達と一緒にショッピングを楽しんだという思い出が有るのです。
その頃から場所も同じなら、ファサードも少し重たいドアを押し開けて入る
小さな入り口も当時のままです。それなのに行く度に何かしら新しいものが見つかる。
言い換えれば時代に敏感に対応しているとも言えるわけで、雑貨とは言え
お店のセレクトセンスとポリシーを感じます。
「丁度これが欲しかった!」的なツボにスポッとハマるアイテムが見つかった
時は「 やったー!」という気持ちになります。
キッチン用品やクッション、照明器具などのインテリアグッズをはじめ、
ロングセラーの色とりどりキャンディー、レトロなガラスケースにはピアスや
リングなどのアクセサリー。ガーデニング用品が充実しているというのも私には嬉しい。
そして、今回見つけたのが写真のテラコッタの植木鉢です。
大きめと小さめのをグレーの濃淡で一個ずつ。ずしんと持ち重みのする袋を抱えてTorvehallerneへ。
アジアンフードショップでこれまた水分たっぷりの
お豆腐を買い込み、コートヤードの八百屋さんで冬野菜を品定めしていたら、
新鮮なハーブの鉢植えが目に止まりました。
迷わずタイムとローズマリーを購入。ああ、ますます重たくなった…!
でも気分は上々、帰宅早々植木鉢にローズマリーとタイムを入れてみました。
ピッタリお似合いです。
週末は土を買おう! 一足早い春のガーデニング準備のスタートです。
岡村 恭子
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Notre Dameのファサードと店内の様子。小鳥の巣掛けは春の定番アイテム、いつもレジは行列です。
植木鉢は人気アイテムらしくて直に売り切れてしまいます。見かけたときが買い時なのです。
今回はラッキーでした。
これは以前購入したネコのクッキー型。
カナ猫にそっくりに焼き上がり我が家のおやつに度々登場します。
【きょうのクロスステッチ Vol. 326】 by 岡村恭子
VOL.326 コペンハーゲンのショップガイド その2
インテリアセレクトショップ “ HAY ”
torsdag den. 11 februar 2016
14日はバレンタインデー。
日本では相変わらずチョコレートが行き交うのでしょうか?
デンマークはまったくと言って良いほど盛り上がらず、今年も店頭では
♡型より卵型のチョコレートが幅を利かせています。
どうやら人々の気持ちはイースターホリデーにひとっ飛び!の様子です。
ステッチハウスのページにもバスケットに卵やヒヨコなどイースターの
モチーフが勢揃いですね。 “ エッグ•イエロー “ は北欧に春を呼ぶ色、
見ているだけで癒されます。
コペンハーゲンは50万人ほどの小さな街です。
旧市街地を中心にEast、West、Northの3方に広がり、東は旧市街地の
メインストリートからアッパータウンに繋がる通りでアンティックショップや
ギャラリー、貴金属店など高級店が軒を連ねています。
反対に西側は再開発された今一番ホットな界隈でファッショナブルな若者が
出没するヒップなクォーター、そして北のノアブロ地区は移民が多く住む
ダウンタウンです。エスニックな食材を買う時はこの周辺が最適、
レトロな掘り出し物が見つかるガラクタ屋さんもこの地域に集中しています。
それらの地域の起点になる旧市街地の中も細かく区分するとストリート毎に
特徴があって面白い。面白ついでに東京に例えてみました。
国会議事堂周辺は銀行などのヘッドオフィスが並ぶ界隈は「丸の内霞ヶ関」、
高級ブランドブティックの並ぶ周辺は?「青山通り」、古本屋さんや図書館の
ある区域は「神田お茶の水界隈」というところでしょうか。他にもカフェや小さな
セレクトショップが並ぶ通りは「なんちゃって代官山!」
そしてロイヤルコペンハーゲンやジョージジャンセン本店がある広場が
「銀座4丁目」でしょうか?… ただし全て歩いて回れるミニサイズ。
東京に比べようも無いくらい小さな街です。にも関わらず世界中からたくさんの
人が訪れるコペンハーゲンの魅力って一体なんだろう?
そんな事をつらつら思いながら足は自然にセレクトショップ “ HAY “ に…。
自然光が差し込む気持ち良い空間が広がります。
ゆったりとしたソファに腰掛けて座り心地を確かめつつ一休み。
窓からはストロイエを行き交う人々が見下ろせるコペンハーゲン究極の
アーバンライフを疑似体験できるのも魅力で、店内はインテリアに興味のある人で
いつも賑わっています。
生活空間を自分のセンスで上手にコーディネし、椅子一脚を購入するにも時間を
かけて自分が欲しいものを揃える。そして大切に長年愛用する。
この国の人の大好きな言葉 Hygglig “ ヒュックリ “(=心地よいひと時のこと
という意味)な時間を大切に過ごすためにもインテリアは重要なファクターなのです。
コペンハーゲンの魅力は、この「心地よさ=Hygglig」の一言に込められるかも
知れない!私はお店の大きなソファで寛ぎなら合点したのでした。
岡村 恭子
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シーズンともなると観光客で大賑わいの… ここはコペンの銀座4丁目?!
向かって左がロイヤルコペンハーゲン、左がジョージジャンセンの本店。角にはルイヴィトン。
同じ広場の噴水側からの眺め。カフェの3-4Fが " HAY "
そして、" HAY " の窓からは広場が一望です。
窓からの自然光で明るい店内。Hygglig な空間にインテリアのヒントが一杯!
街角の花屋さんにて。 ピンクの花をつけた小枝が春を呼びます。
【きょうのクロスステッチ Vol. 327】 by 岡村恭子
VOL.327 コペンハーゲンのショップガイド その3
お茶好きの人の御用達 “ A.C. Perch’s “
torsdag den. 18 februar 2016
まだまだ寒いけれど日増しに明るくなって来て、お天気が良い日は
陽射しがとても眩しく感じられます。気温は低いのに日向はポカポカ。
そうなった途端にデンマークの人というのは呆れるくらい、とにかく、
みーんな!お日さまに顔を向け始めます。
防寒スタイルでジッとお日様に顔を向けている姿を見ると、
ちょっとイグアナみたいじゃない?…と首を傾げていた私ですが、
最近は わかるな、その気持ち…という心境になりました。
明るい季節が待ち遠しくて、僅かな予感さえ全身に受け止めたいのです。
どんなに地球温暖化で暖冬になったとしても、北緯55度のデンマークでは
秋から冬にかけて極端に日照時間が短い。それは永久に変わらないのですから、
これからの季節は晴れてくれたらそれだけで幸せなのです。
それに、何事も本番よりも前触れが嬉しいというのもわかります。
これからだよね!…と、みんなそんな気持ちです。
そして、早春の昼下がり、手作りのお菓子と温かいお茶のひと時があれば、
“ Hvor er det hygglig! “ ( =なんてヒュックリ!)…となるわけです。
(Hyggligは心地良い、和みのひと時などに頻繁に使われるデンマーク人の
大好きな言葉、VOL.326参照。)
この国の人の珈琲好きは有名ですが、(何と一人当たりの消費量が
世界3位!)実は紅茶をはじめとするいわゆる “ お茶好き “ も多くて、
オーガニックにこだわるナチュラル健康志向の女性が多いのも特徴のようです。
普段は珈琲党の私が、たまに美味しい紅茶を飲みたくなった時や、日本への
お土産として買いに行くお茶専門店があります。
デンマーク王室御用達の老舗 “ A.C:Perch’s “
1835年創業と言いますから180年以上の歴史を誇る老舗です。
狭い店内はいつもお茶を求める人でいっぱい!お店に入りきれず外まで
行列している時もあります。ピカピカに磨かれたお茶缶が壁一面に
ズラーッと並び、お茶とフレーバーの香りが漂う店内はノスタルジックで
重厚感のある独特の心地よさを醸し出しています。
好みのブレンドを注文すると手際よく混ぜ合わせ天秤ばかりで計って、
袋に入れ、きっちりと輪ゴムで止めて裏側にペンで内容を走り書きする。
この一連の作業を一瞬でやってしまう。順番を待つ間にそんな手際の良い様子を
見ているのも楽しい。
最後に大きな缶に入っているキャンディーを一粒つまんで頬張って…。。
だから、このお店で買い物した後は誰もが “ 甘い口元 “ になってしまうのです。
岡村 恭子
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お天気の良い昼下がりは日だまりでランチを食べたり、おしゃべりしたり…。
A.C.Perch's は金色のティーポットが目印。
昔ながらの天秤秤で好みのお茶をブレンドしてくれます。
【きょうのクロスステッチ Vol. 328】 by 岡村恭子
VOL.328 閏年 : おまけの一日の過ごし方。
torsdag den. 25 februar 2016
今年は閏年、2月の最後に “ おまけの一日 “ がついています。
このおまけの一日を何気なく過ごさずに有意義に使ったら
“ お得気分 “ が倍増ではないか!?と、ふと思いついたワタクシ。
一体どんな風に使えば良いかと言えば、例えば…そう、
日帰りのプチ旅行に出かけるとか、家事から解放されて
読書に耽るとか、さもなければ友達とひたすら楽しく過ごすというの
も普段出来そうで出来ないグッドアイデアではないかな?と思います。
かく申す当人の私はと言えば、首を傾げて腕組みして散々考えた結果、
この春最初の庭仕事に精出そう!という代わり映えのしない
アイデアしか浮かびませんでしたが…。
でもね、実は “ おまけの一日 “ には少し早めだけれど、
「早春のお茶をしましょう!」というステキなプランが有ったのです。
延江さんと約束してその日を楽しみにしていたのです。
それが何とした事か!当日足をひねって捻挫してしまった。
腫れて痛いけど甘いケーキを食べながらのおしゃべりは捨てがたく、
その旨電話をすると「安静にしていなくちゃダメです。」という
ずいぶん年下の女友達の優しくも厳しい言葉に泣く泣く諦めたという
閏年の2月の残念エピソードです。詳しくは下記をどうぞ。
http://copensmile.exblog.jp/25389877/
今度 彼女に会えるのは多分庭の桜の花が散る頃かな?
同じコペンハーゲンに暮らしながら案外会える時というのは
少ないものなのです。
しかし、無理をしなかったお陰で足首の腫れも引いてきました。
カッタンコットンと歩きながら、気を取り直して庭を眺めれば、
朝霜で薄氷の露をまとった葉っぱの陰からチューリップの芽が顔を
出し始めています。少々の寒さなどはモノともせず日照時間に敏感に
反応して黒い土の中からピョコン、ニョキニョキ!と、思い思いに顔を
お日様に向ける、その様子の可愛いらしいこと。
木々の枝先もふっくらと赤みを帯びて来ています。
植物たちの健気な生命力に私も元気をもらい、
やっぱり “ 2月のおまけの一日 “ は庭仕事に決まり!とソワソワしてきました。
これから明るい季節に向かい。
みなさまに刺繍のモチーフのような草花の様子をお伝えして行けたら…と
思っています。どうぞお楽しみに!
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
冬の間室内に取り込んでいたゼラニウムもみんな元気です。
この鉢は冬の間も窓辺で次々と花をつけてくれました。
今朝の庭から。チューリップやクロッカスの芽が顔を出し始めました!
日向ではエランティスやスノーボールの花盛り。
紫色の花を発見!これからの季節植え込みの下や石垣の間から沢山咲いてくれます。
【きょうのクロスステッチ Vol. 329】 by 岡村恭子
VOL.329 3月です。春到来!です。
torsdag den. 3 marts 2016
3月です。
日本はそろそろサクラ便りの聞かれる頃でしょうか?
コペンハーゲンにも明るい季節が巡って来ました。
早朝から小鳥たちがさえずり,東向きのキッチンには眩しい程の
朝日が差し込んできます。こうなるともうじっとしていられない。
午前中の片付けをそそくさと済ませ、ほうきを片手に庭先に出ました。
どうやら隣家のご主人も庭を眺めながら手入れ準備の様子です。
愛犬エバちゃんがシッポを振って走り回っているのも見えます。
まだ新葉の出ていない垣根は見通しが良くお互いの様子がチラチラ…、
夏には鬱蒼としてしまうからレースみたいに透けた垣根越しに
こんにちは ご精が出ますね…。そんなご挨拶が出来るのも
今頃ならではなのです。
北欧の一年は“明るい季節 “ と “ 暗い季節 “ にクッキリ2分されます。
回転ステージがクルン!と夜から真昼の場面に変化するように、
本当に極端です。季節の明暗が精神的にどれくらい影響するかは
これはもう、私だけではなく北欧の人なら誰もが大きく頷くはずです。
秋から冬に向かう頃はまるで長いトンネルに潜ってしまった様で、
気分も沈みがち、暗さに負けそうになると日焼けサロンに通って
疑似日光浴したり、“ 限りなく太陽光線に近い “ という不思議な
四角い鏡のような光線を顔面に照射する人もいます。
対象的に春から夏にかけてはモノクロフィルムがカラーになったように、
刻一刻と木々が緑色になり、色とりどりの花が咲き始め、周囲がパッと
明るくなって、人も動物たちもゴキゲンな笑顔になる…。
四季の移り変わりをグラデーションで細やかに楽しめる日本とでは、
人々の心の持ちようも違って当然かもしれません。
北欧に春を呼ぶイースターホリデーまであともう少し、
Bakken(=鹿公園)やチボリ公園もオープンします。
私の大好きな蚤の市=フリーマーケットのシーズンも開幕です。
おまけに冬の間お休みだった “ 庭のゴミ専用収集車 “ も来週から回って
来てくれます。という訳で、まずは庭の掃除からスタートです。
お隣のご主人に負けずと? 家人も道具を揃えて張り切っていますよ。
北欧は冬眠していた森の動物が目覚めたようにこれから活動期に入ります。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
遠くで見ると玩具の兵隊さんのようですが、近くで見るとオジさんですね ^_^
日増しに花壇も賑やかになって来ています。
芝生のお掃除をしてひと汗かきました。
鉢植えの椿、只今何処に植えようか?と考え中。紫陽花の花頭(画面後ろの茶色)も切らなければ…。
【きょうのクロスステッチ Vol. 330】 by 岡村恭子
VOL.330 あれから1年
torsdag den. 10 marts 2016
月日の経つのは本当に早い!
PCの中に取り込んでいる写真を整理していたら” 2015年春 “
の項目に いる!いる!!エリック、ミゲルにカトリーヌ!
あれから一年経ったのだと改めて懐かしく思い出しています。
丁度去年の今頃でした。
東京で開催されるO&M DESIGN (家人とエリックのデザイン会社)
の創立40周年を記念するイベントに合わせて、エリック、娘のカトリーヌ、
息子のミゲル、ミゲルのフィアンセ=キャリーが勢揃いで東京にやってくる事に
なったのです。お陰さまでイベントは大盛況のうちに無事終了し、
その後は連日観光とショッピングとジャパニーズグルメの日々でした。
すっかり日本を大好きになったメンバー、デンマークに戻ってからも
楽しかった!美味しかった!また行きたい!という嬉しい感想に
心から一緒に行って良かったと思うと同時に、無事にスケジュールを
こなした事にホッと安堵の胸をなで下ろしたのでした。
それにしても、便利な世の中になりました。
以前はガイドブックで事前に調べなければならなかった事が
スマートフォン片手にインターネットで即解決、グーグルで検索すれば
知らない街でも迷子の心配無用!行きたい場所に思いのままです。
そうして彼等と行動を共にしているうちに、興味の対象がかなりディープ
なことが判明。例えば、DEPA-CHIKA (デパ地下) にあるキットカット
ショコラトリーで某有名ショコラティエの限定商品を買いたい!などと言い出し、
お上りさんの私が首を傾げている横でミゲルが素早く検索、
こっちみたいだよ、と画面を見せてくれて、あらっ!ホントだ!と教わる始末
(池袋西武と判明)みんなで大笑いでした。
東京に到着早々高輪から東京タワーを回って浜離宮までジョギングしてきて
私達を驚かせてたり、普段からかなり偏食家のエリックが浅草で
一世一代の勇気を振り絞り? “きび団子 “に挑戦したり、みんなが思い思いに
楽しんで、デンマークに戻る頃にはすっかり親日家になっていました。
来年は日本とデンマークが友好条約を結んで150年になるそうです。
仲良しの国の人達がもっと交流を深められたらどんなに素敵な事でしょう。
お互いに知っているようでまだまだ知らない事が沢山ありそうです。
そんな中で、ステッチハウスが東京で毎年開催している展示会とイベントは
両国の友好と文化交流に一役買っていると嬉しく思っています。
今年の春も東京で北欧刺繍の花が満開になりますね!
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
Suica+自動改札の出入りが面白いみたいでした。デンマークには改札が無いので余計です。
原宿Nikeにて。エリックとカトリーヌ、仲良し父娘です。
和食バンザイ!お寿司、焼き鳥、天ぷら、ラーメンetc. 全部ワンダフル!
3月の庭から。 次々と春の花が咲き始めました。