2016年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 351】 by 岡村恭子
VOL.351 “ もったいない “ から生まれた
デニッシュなリサイクルシステム
torsdag den. 18 august 2016
東向きのキッチンに朝日が深く射し込むようになり
太陽が少しずつ低くなってきたのを実感します。
白夜の頃が過ぎて早2ヶ月、夜が夜らしくなって来ました。
ひいやりとした風に舞い落ちる桜の葉…。
秋がすぐそこまで来ています。
さあ、夏が終わってしまう前に…ベランダを開け放って衣類の整理です。
北欧に “ 衣替え “ という言葉は有りません。
何時何時急激に寒くなるか分からないので防寒衣料はいつも手の届く所に
置いておくのが常識。真夏でもダウンジャケット姿の人を見かけたり、と
一年を通してみんな思い思いのワードローブです。
基本的にはまず着込んで暑くなったら順にはぎ取るように脱いで行く。
以前、日本から夏休みにやって来た来た知人ファミリーが
子供は素足にサンダル、ご主人は半袖T-シャツという最初から
“ はぎ取った “ 状態でやって来て案の定風邪をひいてしまった。
地元九州の夏はこれでも暑いので…と照れ笑いしていましたが、
そんな北欧事情も手伝って、いつの間にか我が家のクローゼットは
防寒衣料の山になってしまいました。
一枚一枚広げては「いる」「いらない」と分別作業に夢中になって半日。
何とか纏まりました。こうして出た不要衣類は赤十字や教会が運営している
リサイクルショップに寄付して来ましたが、最近もっと気軽に利用出来る
衣類回収コンテナが出現。 これは便利です。
コンテナに集められた衣類は全てセンターで分別された後、
確実に世界中の難民キャンプなど必要としている人々の元に届けられます。
政府が本腰を入れてバックアップしているのでスムーズだし信頼出来ます。
リサイクルで、もう一つデンマーク政府が熱心に取り組んでいるのが
“食べ物 “ です。
賞味期限ギリギリをどうするか?様々な取り組みがされている中で
最近登場して話題になっているのが『賞味期限ギリギリブショップ : We Food 』。
提携している大手スーパーから賞味期限ギリギリを格安又は無料で
仕入れて割安で消費者に提供する。NPO運営なのでボランティアのメンバーが
仕事帰りに店に立てる午後3時からオープンという合理主義。
若い人中心に人気が有り、これが切っ掛けで大手スーパーも無駄の無い食品
管理に取り組み始めました。例えば大きなサイズのエコノミーパックよりも
割高でも使い切れるスモールパックにするなど、イメージ戦略としても
成功しています。
『もったいない』という日本的な考えがデンマークの合理主義とマッチした時
とてもスムーズにみんなが喜べるシステムが出来るような気がしています。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
所のスーパー脇に設置された衣類リサイクルコンテナ
大きく『MANGE TAK : ありがとう』と書かれています。
夏至からもうすぐ2ヶ月。真上から照りつけていた太陽も少しずつ低く遠くなって、
窓辺の陽射しが柔らかくなって来ました。
バラが2度目の咲きごろとなりました。毎朝きれいな花だけ切ってキッチンのテーブルに飾ります。
今朝の庭から バラとカプリフォリの実が庭に赤いアクセントをつけています。