2016年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 345】 by 岡村恭子
VOL.345 夏休みのコペンハーゲン
Copenhagen Jazz Festival と BNB豆知識
torsdag den. 7 juli 2016
晴れたと思ったそばからザッと来る…、気まぐれお天気に振り回されて
いる今日この頃ですが、そんな事にはおかまい無しでデンマークは
長いサマーホリデーに入りました。
コペンハーゲンも国内外からの観光客で賑わっています。
街を歩いていると本当に様々な国の言葉が耳に入って来ます。
英語、北欧諸国語をはじめラテン系の言葉、そしてもちろん日本語や広東語など。
そのほとんどの人達がホテルに宿泊しながら観光を楽しんでいるんだと思うと、
人ごとながらご苦労なことと思ってしまいます。が、最近は宿泊にも色々な
選択肢があり、旅の楽しみ方も変わって来ている様子です。
例えば身近な話題としては…先日の事です。隣家のご主人と立ち話で…。
「夏休みで家を留守にするけれどその間はBNB(=民泊)で家を貸し出す
ことになったので見知らぬ人が出入りするけれど怪しまないようにね。」
「それは良いアイデア、空き家にしておくよりずっと安心よね。
留守は承知しました。楽しいホリデーを!」
…と言ってはみたものの、丁度、BNB登録件数がコペンハーゲンだけで
24,000件を越えたとニュースで知ったばかり、ずいぶん流行っているらしいと
は思っていたけれど、お隣りさんもその中の一軒だと知って改めて
普及率の高さを実感したというわけです。。
BNBというのは日本でも話題になっている民泊のワールドワイド版です。
ホテルでは味わえない “ 普通の暮らし “ を体験できるのが大きな魅力になって
忽ち世界中に広がったのだそうです、インターネットで検索すれば条件に合った
場所が見つかるので長期出張や留学生等にも人気と聞きました。
詳しくは www.airbnb.jp/
さて、今年も恒例のコペンハーゲンジャズフェスティバルが始まりました。
7月1日〜10日に渡り、140カ所で1300のプログラム、文字通り
ジャズ一色に染まります。
ショッピングの途中、何処からとも無く流れて来る心地よいメロディーに
街全体がスィングしているような良い気分。
無理をしないユルユルとした雰囲気が辺りを気持ち良く包みます。
しかめ面して難しい顔をして耳を傾ける人なんて何処にもいない。
子供から大人までみんなが思い思いにジャズに親しみ、リズムを楽しむ。
庭先にいる時に何処からとも無くテナーサックスの音色が流れて来ると
草いじりの手を休めて音のする方角を探ってみます。
音色の主は分からずじまい。でも…そんな時には夕暮れの風に揺れる葉っぱまで
ジャズの色合いに染まったよう感じるから不思議です。
北欧の白い夜にジャズは実によく似合う。
誰もがジャズを好きになってしまいそうな10日間です。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
観光客で賑わうストロイエ付近。夏のバーゲンも始まりました。
Copenhagen Jazz Festivalから。
丁度Niels W. Knudsen Quintetのライブに遭遇。4曲ほど聴きながら素敵な休息タイム。
今朝の庭から。雨が多いので紫陽花が元気です。
【きょうのクロスステッチ Vol. 346】 by 岡村恭子
VOL.346 水辺の都市 コペンハーゲン
小さな橋の大きな役割り
torsdag den. 14 juli 2016
もうかれこれひと月、毎日必ず一回は雨が降るというお天気が続いて
います。おかげで芝生はスクスク、その間から茸もニョキニョキ。
いつもなら日光浴の人で賑わう公園や海岸の盛り上がりも
今ひとつです。特に夏休みの子供達にはちょっと可哀想ですが、
庭の草花には文字通りの恵みの雨。面倒を見る側にしたら水まきの手間が
省けて大助かりです。少しでも水分が不足すると萎れてしまう紫陽花も
空から降り注ぐシャワーを浴びて気持ち良さそうに次々と花を咲かせています。
こぼれ種から芽を出した草花を適所に植え替える時も、
水分をたっぷり含んだ土は柔らかくて力入らずの苦労無し。
そっと掘り起こして日当りの良い場所に寝かせてあげるだけ。
その後の水やりは雨にお任せ!の簡単ガーデニング実施中です。
さて先週末、
お天気の合間を縫って完成したばかりの橋を見に行って来ました。
→ついに橋がオープン!【skandaleramte bro】
延江さんのブログで開通を知ったという情報不足の私ですが、
新聞にも秋に開通の見通しと書いてあったくらいですから、
ほとんどの市民には寝耳に水、まったく最初から最後までお騒がせな
プロジェクトでした。
それでも何とか完成したのですから関係者ならずともホッと一安心。
当日は夏休みの週末という事もあって沢山の人で賑わい、橋のたもとでは
クレープ屋さんも店開きしてまるでお祭りのようでした。
この橋が完成したことで、今まで遠回りして行かなければならな無かった
中州の街 : Christianshavn が旧市街地に直結、
→VOL.341 ~自由な風が吹き渡る街~夏のChristianhavn散策
王立アカデミーや新オペラハウス、若者達に人気のペーパーアイランド、
そして観光名所にもなっている自由区 : Christiania などがとても近く
なりました。歩行者と自転車専用の小さな架け橋が人々の流れを変えて
新たな観光スポットが生まれそうな予感がします。
橋の上からグルリと四方を眺めるとコペンハーゲンは水の都だと改めて
実感します。運河沿いを人々が行き交い、水辺に延びるウッドデッキで憩い、
バイクロードを自転車が走り抜けて行く。
車の姿が見当たらない都市の風景というのも新鮮です。
これで公共交通機関=地下鉄がもっと充実したら文句無いのですが、
市庁舎前広場も王立劇場も未だにフェンスに囲まれて要塞のようです。
完成はいつなのか?
もしかしたら今回のようにある日突然 “ メトロ開通!” と言って
市民をビックリさせる気なのでしょうか?
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
街角スナップ。ママと一緒にアイスクリームで一休み。雨降りになりませんように…。
旧市街地とクリスチャンスハウンを直結。便利になりました。
青空の向こうにムクムクと沸き上がる黒い雲、案の定夕方はスコールでした。
今日の庭から。 植木鉢の豆がふたつだけ実りました。
花壇のチョコレートフラワー&ラベンダーが夏の庭を彩ります。
【きょうのクロスステッチ Vol. 347】 by 岡村恭子
VOL.347 夏の楽しいひと時
ステッチハウス in コペンハーゲン
torsdag den. 21 juli 2016
夏至から一ヶ月。
早くも夏のピークが目の前を通過し、お陽さまが少しずつ遠のいて行く
気配をそこはかとなく感じる頃となりました。
バラの花は終わり、紫色に燃えていたサルビアも色褪せ、
シュウメイ菊が咲き始めています。この花が咲くとそろそろ晩夏の到来で
少し淋しいような静かな気持ちになってしまいます。
そんな中で元気なのが室内で越冬させ春に庭に出したゼラニウムです。
まるで遅れて来た転校生のように、今頃になってみんなに追いつこうと?
沢山の花をつけ始め、そこだけは初夏のような賑わいです。
そうです。まだまだ夏は終わっていません。
さあ、今のうちにBBQしましょう!と延江さんに声をかけたら
反対に、お寿司パーティーに来ませんか?というウレシイお誘い。
もちろん、行きます!楽しみです!
その日は丁度南スウェーデンに滞在中の公子さん(オープンス
テッチハウスのワークショップでお馴染みの)と、以前ステッチハウスの
ワークショップに講師として来日したカーリンさんにご主人のケントさん、
ステッチハウスの朋子さんと飛び入りの私も加わって、
最初からそれはそれは賑やかな事!
テーブルに並ぶご馳走に「これはなあに?」「これはどうするの?」と、
興味津々で矢継ぎ早に質問しながら、ああ美味しい、エンドレス!と
言うカーリンさんの言葉に延江さんならずとも嬉しくなります。
スウェーデンでは毎週金曜日にはタコスの材料を並べて
勝手に作りながら食べておしゃべりをするのが流行りだそうです。
手巻き寿司と同じ!とみんなで笑ったけれど、デンマークで新鮮な
お寿司の材料を整えるのはタコスのように簡単じゃないと知っている私は
余計に美味しく頂きました。ごちそうさま!
おしゃべりが弾んで時間が瞬く間に過ぎて行きます。
「自由な発想で刺繍を楽しむことが大切」と言うカーリンさんの
言葉と、ハチミツ作りが趣味のケントさんの優しい笑顔が
とても印象的でした。
ふと窓の外に目を向けると、家々からこぼれる灯りが中世の面影を映し出し、
アンデルセンの時代から変わらぬレンガ造りの街並はFremmeのモチーフから
抜け出たかのようです。
https://www.stitchhouse.jp/SHOP/18-6055.html
別れ際、また会いましょう!と約束をした時にはお互いにすっかり
打ち解けて、昔からのお友だちのような気持ちになれたのは
“ ステッチハウス in コペンハーゲン “ の成せる技?
それとも単なる “ ほろ酔い効果? “ と首を傾げて考えたけれど、
… 多分 そのどちらも正解!
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
最初から最後まで彩りも鮮やかに美味しいもののオンパレード☆でした。
私はこんな感じで頂きましたよ ^_^
何気なく飾られた窓辺の花とキャンドル。
インテリアの隅々に住み手のセンスが光ります。
今日の庭から。
西日の眩しいPM7:00の庭先に元気いっぱいに咲くゼラニウム。
リンゴも色づいて来ました。
【きょうのクロスステッチ Vol. 348】 by 岡村恭子
VOL.348 掘り出し物に巡り合う週末
フリーマーケットに行こう!
torsdag den. 28 juli 2016
先週末は朝から気温が急上昇、夏の陽気が戻ってくれました。
北欧には冷房という考えが全く無いので、暑い日が数日続くと
レンガ壁が温まって室内がポカポカと暖かくなってしまいます。
扇風機さえ無いので窓を開け放ち外気を取り込み、それでも暑い!と
文句を言いながらも、寒い季節はこの分厚いレンガ壁が冷たい外気から
守ってくれるんだ、と思えば、急性室内温暖化現象?も大いに許せます。
そんな真夏日の昼下がり、日よけの帽子を被ってフリーマーケットに
出かけました。
場所はコペンハーゲンの隣町フレデリックスベアです。
春から秋にかけての毎週土曜日、市庁舎裏の駐車場が名物マーケット
に早変わり、近所の住人に混ざって観光客も沢山来ています。
毎回何かしら掘り出し物を見つける。手ぶらでは返らない!というのが
自慢ですが、中には家に持ち帰った途端に色あせて見えたり、
後々困った代物になるものが有ります。うっかりするとそういう
ガラクタ的なアイテムが増えて行くことにもなりかねないので
要注意なのです。
例えば茶色のガラスで出来たブタの貯金箱、カワイイ、と持ち帰り
家族に見せたら開口一番、中国の一番偉い人物にソックリ!と言われて、
そういえば似ているような…。途端に気が削がれて今では煖炉の
コーナーの一番目立たない窓辺に後ろ向きにしています。
他にも知らぬ間に地下の物置にひっそりと仕舞われてしまうものも数知れず、
それらを家の前で並べたら売れるのではないか?と冗談を言い合っています。
そう言いつつ、今回も懲りずに掘り出し物を見つけてしまいました。
サムソナイト(アメリカの鞄メーカー)のアタッシュケース 150kr.
ロイヤルコペンハーゲンの食器の山に埋もれていた無名の白い四角いお皿
何かと便利そうです。特別価格一枚10kr.!といわれたら買わずにいられない。
4枚あったのを全部買っても合計40kr.(約800円)!
おまけに買ったペティナイフはたったの5kr.でした。
家人は帰宅早々アタッシュケースを手持ちのと並べてご満悦、
今後更に増えて行く予感が無きにしも有らずですが、それもささやかな
お楽しみということで、とにかくフリーマーケットは売り手も買い手も
のんびりしていて、ちょっと子供の頃のお店屋さんごっこ的なところが魅力。
夏休みコペンハーゲンに旅行計画の有る方にもお薦めです。
そんな真夏の陽気だった週末から数日たって、いつもの変わり易いお天気に
なってしまいました。気温も急降下、開け放っていた窓も締めました。
日本の皆さんが本格的な夏を迎える8月、
デンマークでは一足早く夏休みが終わり、子供達は新学期が始まります。
北欧の夏は駆け足で通り過ぎて行こうとしています。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
フリーマーットにはガラクタの中からお宝を探す楽しみがあります。
真夏の陽気の週末から。街行く人もみんな夏姿。我が家もプラムの木陰でブランチです。
後ろ向きなのを振り向いてもらったブタ君、やっぱり似ています…ね。
今朝の庭から。ミソハギとシュウメイ菊が少し和風な彩りです。
【きょうのクロスステッチ Vol. 349】 by 岡村恭子
VOL.349 8月のデンマークから。
庭仕事、ハチにはくれぐれもご用心!!
torsdag den. 4 august 2016
暑中お見舞い申し上げます。
デンマークは一足お先に長い夏休みが終わり、ようやく街に日常の
活気が戻って来ました。
夏休みの間、近所のスーパーマーケットは人影まばら、
いつもは産地直送の野菜が山積みの市場も閑散としてしまいます。
町内の花屋さんも窓辺にサボテンを並べて3週間のお休み宣言。
灼熱の太陽を求めて南へ南へと移動する人々を横目に
私は地元コペンハーゲンでサマーセールにフリーマーケット巡り、
涼しい日は庭仕事に精を出し、暑い日には夕涼みがてらご近所散歩と、
お金も時間もかけないアットホームな休暇を満喫しました。
一昨日、サマーハウスから戻ったエリック(=家人の仕事のパートナー)
がやって来て雨上がりの庭でミーティング。彼等も仕事のエンジンを
かけた様子です。
9月のオープンステッチハウスのお知らせもアップされましたね。
今度のワークショップのタイトルが何とも可愛い。
『ウール糸のスコーネのボンボン』…どんなボンボンかな?
会場のウィンドウに揺れる色とりどりのボンボンが見えるようです。
Lyckaの小玉さんとは延江さん邸で手巻き寿司を楽しく囲んだばかりなので
余計に親しみを感じます。
→ VOL.347 夏の楽しいひと時 ステッチハウス in コペンハーゲン
さて先日、夏枯れの草花にハサミを入れている時のことです。
右手にハサミ、左手に花の茎を持った…その時です。一瞬シュッ!という
微かにスプレイをかけたような音がした、と思った瞬間、
左の人差し指がチックン!イタイ!ハチだ!…そうなのです。
花の茎と一緒にハチのシッポも掴んでしまったらしい。
ハチも大きな手で掴まれて必死だったのでしょう。エイッ!とばかりに
針を刺したに違い有りません。刺された個所をギュッと摘んで大急ぎ水で流し、
毒が広がらないようにととっさに輪ゴムで縛ったりしながら、インンターネットで
応急処置方法を検索。…なになに?
1: 毒を出すようにしながら水道水でよく流す。2 : 針が残っている場合は
注意深く抜く。3 : 出来るだけ毒を絞り出しす。4 : 市販の虫さされの薬をすり込み
保冷剤で冷やす。5 : 様子を見て緊急を要するようなら医者に行く。
了解!…順番通りに処置しました。
ハチの毒は水に解け易いのだそうです。
熱を持つので冷やすのも効果的でした。(食品用の小さな保冷剤が便利でした。)
投稿者の実体験も交えた説明を読んでいたら気持ちも落ち着いてきて、
PCに向かって思わずありがとう!助かった!などど…そんな気持ちも湧いた
インターネットの効用を痛感した「蜂刺されハプニング」でした。
皆さまも蜂にはくれぐれもご用心!
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
夕食後の散歩風景。花の名前の小径とイギリスの都市の名前通り界隈が散歩のコース。
この日はオックスフォード通り、ウィンザー通り、グラジオラス通り等々。
散歩の途中で見かけた木彫りのウサギ。
今朝の庭から。
紫陽花とシュウメイ菊が満開です。昨夜の雨に洗われて一層美しい。
オレンジ色の花はナスタチウム。夏の間中次々とオレンジの花を咲かせてくれます。
【きょうのクロスステッチ Vol. 350】 by 岡村恭子
VOL.350 リオから学ぶオリンピック考
torsdag den. 11 august 2016
暑中お見舞い申し上げます。
暑かったり寒かったり…気まぐれなお天気続きだった7月が過ぎて、
瞬く間に8月も中旬になろうとしています。
朝晩めっきり涼しくなってきました。うっかりT-シャツのまま庭に出ると
冷たい空気に思わず首をすくめてしまいます。
子供達の新学期が始まる頃に遅い夏 : インディアンサマーがやって
来るというジンクスも今年は空振りで終わりそうです。
治安とセキュリティーを心配する声が後を絶たない中で、
リオ•オリンピックが始まりました、選手の活躍を応援する一方で
メダルよりも安心と安全!と思わずにいられません。
何とかこのまま無事に閉会式を迎え次回の開催地、東京にバトンタッチ
してもらいましょう。
実は今回のリオ•オリンピック開催が決定したのは8年前の12月、
クリスマス直前のコペンハーゲンでした。
リオの他にシカゴ、マドリッド、東京をはじめ7つの候補都市が集い
盛り上がる中、同時にもう一つの重要な国際会議、気候変動枠組条約 :
『COP15』が開催されたものですから、デンマーク政府は歓迎準備と
セキュリティー整備で大忙しの大わらわ。
各国の要人が続々と到着する中でも、特にCOP15に出席するオバマ大統領が
夫人のミシェルさんと手を携えて到着した際には、空港から宿舎のホテルに
向かう道路が封鎖されるは、上空を何機ものヘリコプターが旋回するは…で、
まるで戒厳令を敷いたようでした。
オリンピック開催地選考委員会ではシカゴ出身のファーストレディー :
ミシェルさんが自身の子供時代を振り返りながら誘致に努めてたスピーチが
とても印象的でしたが、当時のブラジル大統領ルラ氏の人気も手伝って
ダントツ一位でリオに決定。初めての南米開催を祝福して、コペンハーゲンは
サンバのリズムでクリスマスツリーも踊りだすような熱気に包まれたのを
覚えています。
当時ブラジルは対中国貿易で景気も良く、このまま右肩上がりでオリンピックを
迎えられると誰もが考えていた。その辺、見込みが甘かったとも言えそうですが、
でも、元来オリンピックはアマチュアスポーツの祭典なのです。
何事も無理は禁物なのだと今回のブラジルを見て痛感します。
そして、開催都市になれないけれど毎回嬉々として参加するデンマークを
見ていて、そうそう、それで良いのよ、と微笑ましく思います。
今回だってTVのコメンテーターもはるばるリオに全員集合状態!
この調子だと4年後の東京ではどんなに盛り上がるか?想像に難く有りません。
個人的にはヒートアイランド化した東京で熱中症の人が続出ということに
ならないよう、今から万全の対策の練って世界中の人々が楽しく集える
オリンピックにして欲しいと願っています。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
新学期が始まったばかりの某日。昼下がりの公園にて。
庭の花をグラスに挿して楽しんでいます。写真は ラベンダー、紫陽花、チョコレートブロムスタ。
プラムも色づいて…リンゴのお菓子を楽しむ季節がやって来ました。
【きょうのクロスステッチ Vol. 351】 by 岡村恭子
VOL.351 “ もったいない “ から生まれた
デニッシュなリサイクルシステム
torsdag den. 18 august 2016
東向きのキッチンに朝日が深く射し込むようになり
太陽が少しずつ低くなってきたのを実感します。
白夜の頃が過ぎて早2ヶ月、夜が夜らしくなって来ました。
ひいやりとした風に舞い落ちる桜の葉…。
秋がすぐそこまで来ています。
さあ、夏が終わってしまう前に…ベランダを開け放って衣類の整理です。
北欧に “ 衣替え “ という言葉は有りません。
何時何時急激に寒くなるか分からないので防寒衣料はいつも手の届く所に
置いておくのが常識。真夏でもダウンジャケット姿の人を見かけたり、と
一年を通してみんな思い思いのワードローブです。
基本的にはまず着込んで暑くなったら順にはぎ取るように脱いで行く。
以前、日本から夏休みにやって来た来た知人ファミリーが
子供は素足にサンダル、ご主人は半袖T-シャツという最初から
“ はぎ取った “ 状態でやって来て案の定風邪をひいてしまった。
地元九州の夏はこれでも暑いので…と照れ笑いしていましたが、
そんな北欧事情も手伝って、いつの間にか我が家のクローゼットは
防寒衣料の山になってしまいました。
一枚一枚広げては「いる」「いらない」と分別作業に夢中になって半日。
何とか纏まりました。こうして出た不要衣類は赤十字や教会が運営している
リサイクルショップに寄付して来ましたが、最近もっと気軽に利用出来る
衣類回収コンテナが出現。 これは便利です。
コンテナに集められた衣類は全てセンターで分別された後、
確実に世界中の難民キャンプなど必要としている人々の元に届けられます。
政府が本腰を入れてバックアップしているのでスムーズだし信頼出来ます。
リサイクルで、もう一つデンマーク政府が熱心に取り組んでいるのが
“食べ物 “ です。
賞味期限ギリギリをどうするか?様々な取り組みがされている中で
最近登場して話題になっているのが『賞味期限ギリギリブショップ : We Food 』。
提携している大手スーパーから賞味期限ギリギリを格安又は無料で
仕入れて割安で消費者に提供する。NPO運営なのでボランティアのメンバーが
仕事帰りに店に立てる午後3時からオープンという合理主義。
若い人中心に人気が有り、これが切っ掛けで大手スーパーも無駄の無い食品
管理に取り組み始めました。例えば大きなサイズのエコノミーパックよりも
割高でも使い切れるスモールパックにするなど、イメージ戦略としても
成功しています。
『もったいない』という日本的な考えがデンマークの合理主義とマッチした時
とてもスムーズにみんなが喜べるシステムが出来るような気がしています。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
所のスーパー脇に設置された衣類リサイクルコンテナ
大きく『MANGE TAK : ありがとう』と書かれています。
夏至からもうすぐ2ヶ月。真上から照りつけていた太陽も少しずつ低く遠くなって、
窓辺の陽射しが柔らかくなって来ました。
バラが2度目の咲きごろとなりました。毎朝きれいな花だけ切ってキッチンのテーブルに飾ります。
今朝の庭から バラとカプリフォリの実が庭に赤いアクセントをつけています。
【きょうのクロスステッチ Vol. 352】 by 岡村恭子
VOL.352 夏の終わりのマーケット
torsdag den. 25 august 2016
秋のオープンステッチハウスまでひと月足らずとなりました。
食欲の秋、芸術の秋に先駆けて一足早い “刺繍の秋 “ の始まりです 。
今回はゆっくりとおしゃべりを楽しめるよう、テーブルも用意される
ということです。きっと刺繍談議に花が咲いてステッチハウスの輪が更に
広がることでしょう。
初めての方も是非この機会に延江さんの笑顔に会いにお出かけ下さい。
https://www.stitchhouse.jp/hpgen/HPB/entries/1653.html
さて、前回このページでお伝えした通り、不用になった衣類をまとめて
コンテナに運んでから数日後、今度は娘から「いらないモノは無い?」と
いう唐突な質問です。
聞けば友だちと一緒にフリーマーケットに出店するのだそうで、
売れそうなものが有れば一緒に並べてくれるというのです。
そこは自他ともに認めるフリーマーケットフリークの私です。
聞いただけで楽しくなって、彼女の申し出に身を乗り出し大きく頷くと、
地下の物置部屋に走りました。
棚のストックをひっくり返すように物色し始めると…
いやー、チリも積もれば山とはこの事です。いつの間にやら溜まって
しまった “ 使わないけれど捨てられない “ モノたち。
その中から選りすぐりをテーブルに並べて品定めすることにしました。
これなんかどう?…和風なお小皿セットやお猪口、他にもあれやこれやと
娘達のオシャレ古着やパンプスなどに交ぜてもらう事にしました。
なかなかどうしてフリーマーケットらしい品揃え、と自己満足ですが、
果たして本番で売れるのでしょうか?
全ては店開きしてからのお楽しみです。
マーケットの場所はコペンハーゲンの新しいウォーターフロントスポット、
Islands brygge(イスランス ヴォイグ)です。
運河を囲ったプールが新名所となり夏の間はたくさんの人で賑わいます。
その日は午前中からグングン気温が上昇、久しぶりに夏らしい天気になりました。
午後の陽射しの中、様子を見に行くとプールでは子供達が水しぶきを上げ、
芝生の広場では思い思いに日光浴を楽しむ人でいっぱい!
マーケットにも沢山の人が訪れて賑わっていました。
その晩、夕食を囲みながら黒字だった!と大満足の彼女達でしたが、
私が提供したものはどうやら的外れだったらしく売れ行き宜しからず…で、
またまた地下のストック棚に戻ってしまったのでした。残念!
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
水辺のフリーマーケット、対岸では *『アイアンマンレース2016』のマラソンのまっ最中!
* → Vol.203 晩夏のコペンハーゲンより
コインを握りしめてどれにしようかな?…小さな子供も楽しめるのもフリマならでは。
運河のスイミングプールで夏を満喫。コペンハーゲンの新たなスポットです。
我が家の庭から。 赤く色づいて来たリンゴの木と甘くて美味しい完熟プラム。
【きょうのクロスステッチ Vol. 353】 by 岡村恭子
VOL.353 キャッシュレス先進国デンマーク
MOBILEペイ&UBERタクシー
torsdag den. 1 september 2016
9月になりました。またの名を長月。夜長月が語源だそうです。
まだまだ残暑の頃と思いますが、ふとした時に秋の気配を
感じるようになってきたのではないでしょうか?
そして、オープンステッチハウスまであと2週間!
春にお邪魔した時を思い出しながら、今回も賑やかに楽しい
イベントになるだろうなあ…と今から想像を逞しくしています。
所で、MOBILEペイにUBERタクシー。
ここ最近、そんな言葉が行き交っています。
長年かけてキャッシュレス社会を目指してきたデンマークでは、
18歳になると自動的にクレジットカードが発行されます(1983年?)
通常のクレジットカードと全く一緒で,世界中どこでも使用出来ます。
一つだけ違うとしたら年間使用料が無料という点です。これなら
文句のつけようも無い。というわけでデンマークの人はリンゴ一個でも
平気でカードで買うし、ついでにレジでキャッシングをしたり
(レジの係員に希望額を言えば現金を渡してくれる。)… と、
便利に使いこなしています。
ネットバンキングが日常化して銀行のサービス窓口が極端に減り、
気軽に窓口相談という時代は過ぎてしまいました。
そして、今盛んに耳にするのがMOBILEペイ。特に小額の支払い時に
便利らしいと聞いています。私はまだ利用した事が有りませんが、
そういえばフリーマーケットの店先にも”MOBILペイ対応”という張り紙を
目にするようになりました。ガラクタを買う時までキャッシュレスの
時代が来たようです。
もう一つ、今話題なのがUBERと呼ばれる個人タクシーシステムです。
携帯に自分の場所と行き先を提示するとマップ上にUBER登録の
車が現れます。画像をクリックしてドライバー情報、利用者の感想などを
比較し、希望の車を選ぶ。何処でもいつでも気軽に使用出来るのが利点で
料金も一般タクシーより少し安いらしい。安全面でどうなの?と思うのは
私だけなのか?こういう事に食いつきの早い国民だと感心します。
いずれもスマートフォンを持っているのが大前提です。
私達夫婦の携帯は見た目はスマートフォンでも、実はインターネットに
繋がっていない、ただの携帯電話です。だから最初からハズレなのですが、
シンプルに暮らしているとそういう便利システムの必要性を感じないのも
事実です。
家人とそんな話をしながら、やっぱり小さなお買い物こそ現金で
やり取りしたいし、バーのカウンター越しにチップと一緒に支払う
ささやかな楽しみも捨てがたい。やっぱり日常の暮らしから現金が無く
なるのは何だか物足りないし淋しいね…。
どうやら我々はひと昔前の人になってきたようだ、と笑いました。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
街角スナップ。ワインのテイスティングに秋のビール…。
デンマークの人は気軽にHyggelgなひと時を過ごす名人揃い?!
我が家の庭から。夕暮れ時、室内の明かりがきれいです。
紫陽花がドライフラワーになって来ました。
【きょうのクロスステッチ Vol. 354】 by 岡村恭子
VOL.354 住宅からハチミツまで D.I.Y. !
torsdag den. 8 september 2016
秋風の吹き抜ける庭で、花の時期が終わりかけてきたラベンダーで
簡単ポプリを作ったり、ポトリ…と落ちるリンゴを拾い集めたりして,
束の間、暖かくて柔らかな秋の陽射しを楽しんでいます。
さて、今年もそろそろ冬支度の準備をする頃が近づいてきました。
日当りの良い場所で乾燥させた薪を地下の乾燥室に運んだり、
庭用の椅子やテーブルをきれいにして、やはり地下に運びます。
芝刈り機などの機械や、スコップ等の道具も、とにかく全て
地下に仕舞う様になっているのです。結構な重労働です。
物置が有ったら良いなあ… たまたま やって来たエリックに、
ぽつりと言ってみました。すると、いとも簡単に賛成してくれて、
早速作ろうと言うではありませんか。あまりにも簡単に話が進んで
慌てたのはコチラです。でも、職人さんの手配が…と言うのを制して
自分たちで作れる!と断言。簡単だ!と太鼓判です。
さすが、何事もD.I.Y.のデンマークです。
余程でない限り自分で作るのがこの国の常識、エリックの張り切りようは
その数日後に物置用のドアを運び込んできたのを見ても明らかです。
昨日は電気工事の職人を連れて来て(たかが)物置に電気の配線をする
段取りまで取り付けていました。こうなると、腰の重かった家人も
乗らざるを得ない。只今、図面を引いて着々と計画進行中です。
今月末には完成するという事です。うれしいな…。
これからは重たい思いをして地下まで運ばなくて済みます。
急に気楽になった私は、庭の日だまりでハチミツ入りの紅茶で一休みです。
瓶の底からこそぎ取る様にして… もうすぐ終わってしまう。
ほんの少しずつスプーンの先に取ってはなめるようにして味わって来た
“ ファビアンのハチミツ “ その最後の一瓶がとうとう底をついてしまいました。
●ファビアンのハチミツについては以前 ブログ『コペンハーゲンスマイル』に
書いたので,そちらをお読み下さい。
http://copensmile.exblog.jp/23419045/
市販のハチミツとは味も香りも違います。
もしかしたら我が家の庭の花の蜜も混ざっていると思うと余計に美味しい。
今年の収穫はどんなでしょう?まだ作っているかしら?
メールで聞いてみると、丁度2度目の収穫が終わったという朗報です。
さっそく自転車で行くと絞り立てを瓶に詰めている所でした。
気さくで明るいエグランティーナ(ファビアン 15才の母親)は
建築家、自宅をモダンなロフトにリフォームして暮らしています。
知的な彼女らしいシンプルで伸びやかなリビングです。
D.I.Y.のお国柄はどうやら住居からハチミツ作り、おまけに?物置まで、
この国の人々の精神に浸透していると言えそうです。そして、
デンマークの豊かな暮らしのヒントがこんな所にも見え隠れしている
ように思えてきます。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
養蜂箱のある裏庭は鬱蒼とした木々に囲まれ、足元は芝生と雑草も
仲良く育ち、野原のようです。
トロ~リ…出来立てホヤホヤのハチミツです。
瓶詰めの作業中もおしゃべりに花が咲きます。
ピンク色のはファビアン考案のラズベリー入り、白っぽいのはサマーハウス、
右端の黄金色が我が町内(Amager)のハチミツ。
今日の庭から。
秋の陽射しに照らされて…木立のシルエットも長くなって来ました。