2016年7月~9月
【きょうのクロスステッチ Vol. 354】 by 岡村恭子
VOL.354 住宅からハチミツまで D.I.Y. !
torsdag den. 8 september 2016
秋風の吹き抜ける庭で、花の時期が終わりかけてきたラベンダーで
簡単ポプリを作ったり、ポトリ…と落ちるリンゴを拾い集めたりして,
束の間、暖かくて柔らかな秋の陽射しを楽しんでいます。
さて、今年もそろそろ冬支度の準備をする頃が近づいてきました。
日当りの良い場所で乾燥させた薪を地下の乾燥室に運んだり、
庭用の椅子やテーブルをきれいにして、やはり地下に運びます。
芝刈り機などの機械や、スコップ等の道具も、とにかく全て
地下に仕舞う様になっているのです。結構な重労働です。
物置が有ったら良いなあ… たまたま やって来たエリックに、
ぽつりと言ってみました。すると、いとも簡単に賛成してくれて、
早速作ろうと言うではありませんか。あまりにも簡単に話が進んで
慌てたのはコチラです。でも、職人さんの手配が…と言うのを制して
自分たちで作れる!と断言。簡単だ!と太鼓判です。
さすが、何事もD.I.Y.のデンマークです。
余程でない限り自分で作るのがこの国の常識、エリックの張り切りようは
その数日後に物置用のドアを運び込んできたのを見ても明らかです。
昨日は電気工事の職人を連れて来て(たかが)物置に電気の配線をする
段取りまで取り付けていました。こうなると、腰の重かった家人も
乗らざるを得ない。只今、図面を引いて着々と計画進行中です。
今月末には完成するという事です。うれしいな…。
これからは重たい思いをして地下まで運ばなくて済みます。
急に気楽になった私は、庭の日だまりでハチミツ入りの紅茶で一休みです。
瓶の底からこそぎ取る様にして… もうすぐ終わってしまう。
ほんの少しずつスプーンの先に取ってはなめるようにして味わって来た
“ ファビアンのハチミツ “ その最後の一瓶がとうとう底をついてしまいました。
●ファビアンのハチミツについては以前 ブログ『コペンハーゲンスマイル』に
書いたので,そちらをお読み下さい。
http://copensmile.exblog.jp/23419045/
市販のハチミツとは味も香りも違います。
もしかしたら我が家の庭の花の蜜も混ざっていると思うと余計に美味しい。
今年の収穫はどんなでしょう?まだ作っているかしら?
メールで聞いてみると、丁度2度目の収穫が終わったという朗報です。
さっそく自転車で行くと絞り立てを瓶に詰めている所でした。
気さくで明るいエグランティーナ(ファビアン 15才の母親)は
建築家、自宅をモダンなロフトにリフォームして暮らしています。
知的な彼女らしいシンプルで伸びやかなリビングです。
D.I.Y.のお国柄はどうやら住居からハチミツ作り、おまけに?物置まで、
この国の人々の精神に浸透していると言えそうです。そして、
デンマークの豊かな暮らしのヒントがこんな所にも見え隠れしている
ように思えてきます。
岡村 恭子
http://copenhagensmile.weebly.com/
養蜂箱のある裏庭は鬱蒼とした木々に囲まれ、足元は芝生と雑草も
仲良く育ち、野原のようです。
トロ~リ…出来立てホヤホヤのハチミツです。
瓶詰めの作業中もおしゃべりに花が咲きます。
ピンク色のはファビアン考案のラズベリー入り、白っぽいのはサマーハウス、
右端の黄金色が我が町内(Amager)のハチミツ。
今日の庭から。
秋の陽射しに照らされて…木立のシルエットも長くなって来ました。